174 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 20:52:40 ID:FNU0RgcN
真田信之の家臣に祢津三十郎という男がいた。信之の乳兄弟であり、股肱の臣たる父に似て有能な男だったが、
発言がブレる事が多く、しかもそれを口から出まかせでゴマかすのが常であった。信之が三十郎と話す際は、
「お前、そりゃ嘘じゃろ?」(三十郎、夫ハうそにてハ無きか)というのが口ぐせだったという。
ある日、信之が側近たちを集めて言った。
「世も泰平となり、わしもそろそろ庭いじりなどやってみたい。庭石として置くに、ちょうど良い石はないか?」
三十郎が、これに答えた。「それならば、善福寺に良い石がありまする!」
「……お前ソレ、いつもの嘘じゃろ?」
「ウソではござらん!その証拠に、この事は植村何右衛門が良く存じております。何右衛門にお尋ねくだされ。」
やって来た何右衛門に、三十郎は問いかけた。
「先ごろ、わしとお主で善福寺の辺りに、鷹狩りに出かけたろう。その時、川端の少し小高い所で良い石を見て、
『この辺りに、これほど良い石はあるまい。』と話した事があったのう。」「はっ。」
「いかがですかな、殿?」
「よし、わかった。追って沙汰する。下がって良い。」「「ははーっ!!」」
信之が退出した後、何右衛門は三十郎に食ってかかった。
「先ほどは殿の御前ゆえ、つい答えてしまったが、拙者はそんな石の事など、覚えておりませぬぞ?」
「まあな。殿が『ウソじゃ』などと言うので、お主と鷹狩りに言った事を思い出して、名を出したまでよ。」
「け、結局ウソではござらぬか!殿が『その石を持って来い。』と仰せになれば、どうするおつもりかっ!」
「なァに、その時は『埋まっている部分が深くて掘り出せません。人手を出しますか?』とでも申しておけば、
お優しい殿のこと、『わが遊興のために、これ以上の人手は使えぬ。』とか言って、沙汰止みになるわ。」
またある日の事、信之のもとに大きな梨が献上された。さっそく信之は、梨を存分に味わった。
「美味いっ!これほどの梨は、この辺りでは食えまい。」
三十郎が、この声に反応した。
「味はともかく大きさなら、長井四郎左衛門のところの梨の方が大きゅうござる。のう、四郎左衛門?」
話を向けられた四郎左衛門が、「そうですな、このくらいはありますかな?」
手で直径五寸弱ほどの玉を作って見せると、三十郎は信之の方に向き直り、
「お聞きになりましたか。これほどあるそうです!」満面の笑みを浮かべ、腕で一尺余りの玉を作って見せた。
「……………!!」
日ごろ物事に動じぬ男として知られる四郎左衛門も、大いに驚き迷惑したという、
真田家で寿命が縮むのは殿様だけじゃない、というお話。
175 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 21:11:41 ID:6ctpxwy7
三十郎、いい話スレに話が上がったばかりだというのにw
176 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 21:18:24 ID:wuPV4H9n
同じ人が投稿しているから
※いい話スレを先にお読みください
とでも書いとけばよかったんじゃ
真田信之の家臣に祢津三十郎という男がいた。信之の乳兄弟であり、股肱の臣たる父に似て有能な男だったが、
発言がブレる事が多く、しかもそれを口から出まかせでゴマかすのが常であった。信之が三十郎と話す際は、
「お前、そりゃ嘘じゃろ?」(三十郎、夫ハうそにてハ無きか)というのが口ぐせだったという。
ある日、信之が側近たちを集めて言った。
「世も泰平となり、わしもそろそろ庭いじりなどやってみたい。庭石として置くに、ちょうど良い石はないか?」
三十郎が、これに答えた。「それならば、善福寺に良い石がありまする!」
「……お前ソレ、いつもの嘘じゃろ?」
「ウソではござらん!その証拠に、この事は植村何右衛門が良く存じております。何右衛門にお尋ねくだされ。」
やって来た何右衛門に、三十郎は問いかけた。
「先ごろ、わしとお主で善福寺の辺りに、鷹狩りに出かけたろう。その時、川端の少し小高い所で良い石を見て、
『この辺りに、これほど良い石はあるまい。』と話した事があったのう。」「はっ。」
「いかがですかな、殿?」
「よし、わかった。追って沙汰する。下がって良い。」「「ははーっ!!」」
信之が退出した後、何右衛門は三十郎に食ってかかった。
「先ほどは殿の御前ゆえ、つい答えてしまったが、拙者はそんな石の事など、覚えておりませぬぞ?」
「まあな。殿が『ウソじゃ』などと言うので、お主と鷹狩りに言った事を思い出して、名を出したまでよ。」
「け、結局ウソではござらぬか!殿が『その石を持って来い。』と仰せになれば、どうするおつもりかっ!」
「なァに、その時は『埋まっている部分が深くて掘り出せません。人手を出しますか?』とでも申しておけば、
お優しい殿のこと、『わが遊興のために、これ以上の人手は使えぬ。』とか言って、沙汰止みになるわ。」
またある日の事、信之のもとに大きな梨が献上された。さっそく信之は、梨を存分に味わった。
「美味いっ!これほどの梨は、この辺りでは食えまい。」
三十郎が、この声に反応した。
「味はともかく大きさなら、長井四郎左衛門のところの梨の方が大きゅうござる。のう、四郎左衛門?」
話を向けられた四郎左衛門が、「そうですな、このくらいはありますかな?」
手で直径五寸弱ほどの玉を作って見せると、三十郎は信之の方に向き直り、
「お聞きになりましたか。これほどあるそうです!」満面の笑みを浮かべ、腕で一尺余りの玉を作って見せた。
「……………!!」
日ごろ物事に動じぬ男として知られる四郎左衛門も、大いに驚き迷惑したという、
真田家で寿命が縮むのは殿様だけじゃない、というお話。
175 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 21:11:41 ID:6ctpxwy7
三十郎、いい話スレに話が上がったばかりだというのにw
176 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/27(月) 21:18:24 ID:wuPV4H9n
同じ人が投稿しているから
※いい話スレを先にお読みください
とでも書いとけばよかったんじゃ
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コメント
人間七七四年 | URL | -
さんちゃん「わたくし、嘘をついておりました」
( 2010年12月28日 00:29 )
人間七七四年 | URL | -
戦国時代の鳩山か
( 2010年12月28日 00:37 )
人間七七四年 | URL | -
ほんとにこいつ有能だったのかw
( 2010年12月28日 00:51 )
名無しさん@ニュース2ちゃん | URL | 0Q3WCu86
肚が据わってるし頭の回転も速いから、有能ではあったんだろう。
それに主君の行動パターン把握してるし。
( 2010年12月28日 01:11 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
×殿はお優しいから
○人夫代を自分の小遣いからださせると小松に言われたから
( 2010年12月28日 02:17 )
人間七七四年 | URL | -
三十郎さんが有能というより有害に見えるw
いい話の方も、親が無理やりフォローしているような気が…
にしても、五寸の梨とは大きいな。愛宕梨のご先祖だろうか。
( 2010年12月28日 02:58 )
人間七七四年 | URL | -
植木等を連想した
あ、そーれ
( 2010年12月28日 03:22 )
化け猫 | URL | -
有能だが、まあお調子者というか、おちゃらけた言動の男だったのではないか?
( 2010年12月28日 20:43 )
人間七七四年 | URL | -
まあ、殺伐一辺倒じゃないところ、真田家は好かったんじゃないの?
領主の父親と弟がいろいろとアレだったりソレだったりしたのを除けば。
奥方は、あの方だから好かったんだし。
( 2010年12月28日 20:58 )
人間七七四年 | URL | -
いや、少なくてもおとんがアレだったからこそ、
信之お兄ちゃんの人生修養になり、
味のある性格になれたんじゃないか?。
良い意味でも悪い意味でもw
( 2010年12月29日 00:31 )
人間七七四年 | URL | mQop/nM.
>※7 ですよねー ♪ァわかっちゃいーるけーどやーめらーれない、っと(
( 2010年12月30日 01:39 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
米2
確かに虚言癖は共通しているかも知れない
しかし残念なことに、有能と無能という大きな隔たりはいかんともし難い
( 2010年12月30日 23:03 )
人間七七四年 | URL | -
有能な高田純次みたいな感じだな嘘は嘘でもあんまり重大な嘘ではないし可愛げがある
( 2010年12月31日 11:28 )
人間七七四年 | URL | qbIq4rIg
上意討ちの話読んで浮かんだのは、怜悧で無慈悲な若武者のイメージ。のところにこのエピソード。高田純次と曾呂利新左エ門がミックスされたようなイメージにすり変わってしまった/(^o^)\
( 2010年12月31日 22:01 [Edit] )
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