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第一次国府台合戦、伊山助四郎と江川兵衛大夫

2011年02月08日 00:00

630 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/02/07(月) 03:20:36 ID:3SXgXmWZ

北条 vs 小弓公方+里見で行われた第一次国府台合戦の時の話。

北条方の武士・伊山助四郎と江川兵衛大夫という二人が先駆けを行い、公方方の武
士と戦った。
助四郎、兵衛大夫ともに相手を討ち取りはしたのだが、やはり相手も軍の先頭を駆
ける勇者である。助四郎は重い傷を負ってしまう。

それを見た兵衛大夫は、
「助四郎、無理をするな。その傷ではこれ以上進む事は出来ぬだろう……というか、
取った首を抱えて歩く事すら難しいのではないか?鼻のみを削ぎ、鎧の上帯に挟ん
で帰ると良い」
「馬鹿言うな!お前は俺に、この手柄をふいにしろと言うのか!?」

この頃、北条家の軍法では、鼻を持ってきても手柄とは認められなかった。
雑兵の鼻を削いで兜首と偽ったり、酷い時には味方の戦死者の鼻を削ぐ者まで居た
からである。
手柄と認められない所か、そのような卑怯な真似をする人間だと見做される恐れが
あったのだ。


「安心しろ、首実検の際には俺がちゃんと証言してやる。もしもお前が帰り道で死
んじまっても、俺は間違いなく、お前の手柄を報告してやるとも」

そう言いながら、兵衛大夫は自分の討ち取った相手の鼻を削ぎ始める。
「おい、仮に俺が鼻を持って行ったとしても、お前まで付き合う事はないだろう。
お前はちゃんと首を持って行けよ!」

「俺はこれから、もう一度敵陣に突っ込んでくる。そん時に取った首をぶら下げて
たら邪魔で仕方ねぇだろう?だから俺も鼻を削いで行くんだよ。もしもの時は俺の
手柄をお前が証言してくれよ。もしも検使がお前の手柄を認めないって言うなら、
俺がこれから取ってくる首をお前にくれてやるさ」

そう言い残し、兵衛大夫は再び敵陣へと走り去った。


暫くの後、兵衛大夫が一つの首と一つの鼻を持って本陣へと帰ってきた。
彼は首実検の場に直行し、助四郎とのやりとりを証言。そして二人の取ってきた鼻
を手柄と認めてくれるよう、検使の山中修理亮に迫った。

「何を興奮している。認めるも何も、ホレ、これを見てみろ」

と、味方の手柄を全て記した首帳を兵衛大夫の前に示した。
そこには
『伊山助四郎 首一つ』
『江川兵衛大夫 前後首二つ』
と既に記されてあった。

「助四郎が重傷を負いながらも帰ってきて、お前とのやりとりを全て説明してくれ
たよ。それを横で聞いておられた氏綱様が、『兵衛大夫が帰ってくるのを待つ事は
ない。首二つの手柄と記してやれ』と仰られたのだ」


官僚組織が発達し、法治国家として他国をリードしていた北条家。
法の適用は意外に柔軟だったようです。




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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    法とか関係なく氏綱のいい話じゃないか

  2. 人間七七四年 | URL | -

    地味な氏綱が!

  3. 人間七七四年 | URL | -

    秀忠・信忠・隆元「2代目というのは、控えめで堅実な方が良いのですよ」
    景勝「そうそう」

  4. 人間七七四年 | URL | -

    信之「そうだよね、控えめに長生きして家を保つのが一番だよね。弟の方が目立ってるのは納得いかないけど」

  5. 人間七七四年 | URL | -

    忠興『親父殿が派手だと二代目が地味で堅実でないと領国の経営も儘ならないからな』

  6. 人間七七四年 | URL | -

    玉&K○MATSU「「ヲヰッ!!!!」」

  7. 人間七七四年 | URL | -

    鬼武蔵「戦でも先駆けしてSATUGAIしまくりなんて危険な振る舞いはマジありえる。ヒャ」

  8. 人間七七四年 | URL | -

    何かこう言う友情的な逸話って良いなぁ。氏綱さんGJ!!

    >7氏
    「有り得ない」なら突っ込もうと思って読んでたら、「ありえる」のかよ!!
    逆に笑っちゃったよwwwま・武蔵さんなら確かにそうなるね。

  9. 人間七七四年 | URL | -

    可児才蔵「やりかたがスマートじゃねえな」
    秀吉「まったくじゃ。耳を削いで数を数えればよいものを」

  10. 人間七七四年 | URL | -

    こんなに爽やかに鼻を削ぐ話は初めてですな。

  11. 人間七七四年 | URL | -

    感動のラストに涙が止まりませんな。

  12. 人間七七四年 | URL | -

    大友義統「堅実な二代目と聞いてやって来ました」
    龍造寺政家「それがしも参りました」

  13. 人間七七四年 | URL | -

    結城秀康「ふっ、この二代目の鼻、削げるものなら削いでみやがれ!」

  14. 人間七七四年 | URL | -

    >13
    そもそも削ぐものが無いという・・・

  15. 人間七七四年 | URL | -

    >13
    取り外しは可能かと?w

  16. 人間七七四年 | URL | -

    法を公平に運用すると不公平が生まれるからねえ…

  17. 人間七七四年 | URL | -

    12
    小田氏治「中興の祖である父上から数えれば二代目の私も堅実がモットーです」
    菅えもん「殿、帰りますよ」

  18. 名無しさん@ニュース2ちゃん | URL | -

    >15
    木鼻も手柄と認めてくれるよう、検使に迫った。

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