848 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 18:50:56.49 ID:QTs71zTs
宇喜多騒動で主君宇喜多秀家と袂を分った宇喜多詮家(坂崎直盛)と戸川達安。
彼らは関ヶ原戦役が勃発すると、東軍に属し美濃にまで駆け上った。
と、ここで、旧主秀家が大垣まで出てきている、ということを知り、二人はすぐに
秀家のもとに使者を派遣した。
使者は二人の言葉を伝える
「御家の大事は今この時です。どうか内府公のお味方をしてください!
そう決意してくだされば我々はすぐに江戸までそのことを伝えるでしょう。」
これに秀家は激怒し、使者に言い放つ
「あの両名にこう伝えよ!私に降参しろと言うのは、お前たちに似合いの分別である!
たとえお前たち二人が我が陣に来て首を並べて諫言したとしても、
私は決して思い通りにはならない!
また、重ねて使者をよこすことも無用である!もしまたよこせば、不憫ではあるは
その使者の首を斬って捨てる!」
使者は急ぎ陣へと帰り、宇喜多詮家、戸川達安にこの事を報告した。
秀家の伝言を聞いた二人はしばし考え、そして使者の男に向かって
「すまないがその方、今回の合戦で天晴な討死をすると思って、再び秀家様の陣に
行ってほしい。そしてこう伝えるのだ
『秀家様の仰せには一理あるかと思います。ですが佞人である石田に従われて
御家を滅ぼされるのは、近来になく不本意なことです。
どうか、只々我ら両人に、その御身上をお任せください。』
これをお聴きいただけるまで、再三申し上げるのだ。」
使者は覚悟を決め、再び秀家の陣を訪れ、秀家のこの事を伝えた。
ところが秀家、今度は少しも怒ること無く、この使者を近くまで寄せ語りかける
「両人が昔のよしみから、二度も異見を言って来てくれることは嬉しい。
だが、八幡大菩薩もご照覧あれ、私が内府に属することはない。
この事をよくよく申し聞かせ、二人に承知させよ。
…これは汝に与える。」
と、この使者に刀を与え帰させた。
帰ってきた使者からこれを聞いた宇喜多詮家、戸川達安は、「この上は力及ばず」と、
秀家を説得することを諦めた、と言う。
この話は宇喜多秀家の領地であった備前の国人、吉村氏が語った事だそうだ。
(関ヶ原軍記大成)
849 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 19:14:51.73 ID:Zki/sycl
内府もこの時点で秀家に寝返られても迷惑だろうな
東軍の諸将に分け与える領地が減ってしまうから
ヘタすると合戦終了後毛利のように因縁つけられて改易食らうかもしれん
851 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 20:14:29.23 ID:d+RVSjSu
848>>
それ、ちょっといい話じゃね?
852 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 20:30:33.80 ID:X0H5tkue
秀家の聞き分けが悪い話?
853 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 20:36:21.24 ID:7OqboPtY
どんなグロイ処刑されるかと思ってたのに普通にいい話だった・・・
854 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 20:41:52.13 ID:cSwhQj+y
このあと、宇喜多詮家、戸川達安は二人とも宇喜多家を見限って出奔するんだっけか
主君も主君なら家臣も家臣で剛情だのう
855 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 21:10:50.92 ID:KjvW7OM3
関ヶ原前だから既に出ていってるんじゃないの?
856 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 21:13:04.33 ID:JFEwaJzc
まあ、泳ごうぜ!
857 名前: 忍法帖【Lv=11,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/04/23(土) 21:39:18.31 ID:CD2zk5HC
>>854
見限ってというか、喧嘩別れして出奔したけど、お家の大事を思えば放っておけなかった二人のいい話と、
武門の意地にかけて寝返りなどできなかったが、二人の赤心はちゃんと受け止めた秀家のいい話だな。
宇喜多氏って、坂崎とか滅んでるけど、旗本で残った家とかあるの?
858 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/24(日) 00:07:47.15 ID:R33w7FLf
坂崎さんが、後に千姫強奪事件を起こすとはこの時誰も知らないのであった・・・
859 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/04/24(日) 09:02:25.58 ID:Wfvtl/9r
>>857
戸川家、花房家、角南家等は存続してる
まあ肝心の御大将が流罪で生存してるから
元家臣団も他家に仕官なりして存続してる方が
多いんじゃないかな
宇喜多騒動で主君宇喜多秀家と袂を分った宇喜多詮家(坂崎直盛)と戸川達安。
彼らは関ヶ原戦役が勃発すると、東軍に属し美濃にまで駆け上った。
と、ここで、旧主秀家が大垣まで出てきている、ということを知り、二人はすぐに
秀家のもとに使者を派遣した。
使者は二人の言葉を伝える
「御家の大事は今この時です。どうか内府公のお味方をしてください!
そう決意してくだされば我々はすぐに江戸までそのことを伝えるでしょう。」
これに秀家は激怒し、使者に言い放つ
「あの両名にこう伝えよ!私に降参しろと言うのは、お前たちに似合いの分別である!
たとえお前たち二人が我が陣に来て首を並べて諫言したとしても、
私は決して思い通りにはならない!
また、重ねて使者をよこすことも無用である!もしまたよこせば、不憫ではあるは
その使者の首を斬って捨てる!」
使者は急ぎ陣へと帰り、宇喜多詮家、戸川達安にこの事を報告した。
秀家の伝言を聞いた二人はしばし考え、そして使者の男に向かって
「すまないがその方、今回の合戦で天晴な討死をすると思って、再び秀家様の陣に
行ってほしい。そしてこう伝えるのだ
『秀家様の仰せには一理あるかと思います。ですが佞人である石田に従われて
御家を滅ぼされるのは、近来になく不本意なことです。
どうか、只々我ら両人に、その御身上をお任せください。』
これをお聴きいただけるまで、再三申し上げるのだ。」
使者は覚悟を決め、再び秀家の陣を訪れ、秀家のこの事を伝えた。
ところが秀家、今度は少しも怒ること無く、この使者を近くまで寄せ語りかける
「両人が昔のよしみから、二度も異見を言って来てくれることは嬉しい。
だが、八幡大菩薩もご照覧あれ、私が内府に属することはない。
この事をよくよく申し聞かせ、二人に承知させよ。
…これは汝に与える。」
と、この使者に刀を与え帰させた。
帰ってきた使者からこれを聞いた宇喜多詮家、戸川達安は、「この上は力及ばず」と、
秀家を説得することを諦めた、と言う。
この話は宇喜多秀家の領地であった備前の国人、吉村氏が語った事だそうだ。
(関ヶ原軍記大成)
849 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 19:14:51.73 ID:Zki/sycl
内府もこの時点で秀家に寝返られても迷惑だろうな
東軍の諸将に分け与える領地が減ってしまうから
ヘタすると合戦終了後毛利のように因縁つけられて改易食らうかもしれん
851 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 20:14:29.23 ID:d+RVSjSu
848>>
それ、ちょっといい話じゃね?
852 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 20:30:33.80 ID:X0H5tkue
秀家の聞き分けが悪い話?
853 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 20:36:21.24 ID:7OqboPtY
どんなグロイ処刑されるかと思ってたのに普通にいい話だった・・・
854 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 20:41:52.13 ID:cSwhQj+y
このあと、宇喜多詮家、戸川達安は二人とも宇喜多家を見限って出奔するんだっけか
主君も主君なら家臣も家臣で剛情だのう
855 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 21:10:50.92 ID:KjvW7OM3
関ヶ原前だから既に出ていってるんじゃないの?
856 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 21:13:04.33 ID:JFEwaJzc
まあ、泳ごうぜ!
857 名前: 忍法帖【Lv=11,xxxPT】 [sage] 投稿日:2011/04/23(土) 21:39:18.31 ID:CD2zk5HC
>>854
見限ってというか、喧嘩別れして出奔したけど、お家の大事を思えば放っておけなかった二人のいい話と、
武門の意地にかけて寝返りなどできなかったが、二人の赤心はちゃんと受け止めた秀家のいい話だな。
宇喜多氏って、坂崎とか滅んでるけど、旗本で残った家とかあるの?
858 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/04/24(日) 00:07:47.15 ID:R33w7FLf
坂崎さんが、後に千姫強奪事件を起こすとはこの時誰も知らないのであった・・・
859 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/04/24(日) 09:02:25.58 ID:Wfvtl/9r
>>857
戸川家、花房家、角南家等は存続してる
まあ肝心の御大将が流罪で生存してるから
元家臣団も他家に仕官なりして存続してる方が
多いんじゃないかな
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コメント
人間七七四年 | URL | -
主に弓引くとは何事か!
というわけで、合図したら寝返れ。
などという芸は中納言には無理か。
( 2011年04月24日 01:50 )
人間七七四年 | URL | d9FvRRa2
自分も857と同じように理解した。
お互いに自分の意志を違う立場で貫きながら、
それでも相手となんとなく繋がっている所があるというか。
喧嘩別れしたのにお互いに相手の立場をこうも尊重できるのはすごいよね。
地味かもしれないけど、自分はこの話すごく好きだ。
( 2011年04月24日 09:10 [Edit] )
三 | URL | xtc7akX2
宇喜多秀家の軍は西軍の主力。
まともに戦った数少ない軍だよな。
三成とも仲がよかっただろう。
実際、秀家の一命が救われたのもこの旧臣の進言だったりするんじゃないかな。
( 2011年04月24日 09:22 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
自分も857さんと同調ですね。幾ら何かしらの理由で出奔せざるを得なかったと
は言え、長年仕えて来た主家に対して思う所が有ったのでしょう。
(あくまでも、この逸話に対してですがね)
>3
>実際、秀家の一命が救われたのもこの旧臣の進言だったりするんじゃないかな。
そんな記録はありません。悪久さん(匿った側)と利長さん(義兄)二人の嘆願無視って、そりゃ無いでしょうw
( 2011年04月24日 14:52 )
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