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朝鮮陣にて鉄砲談義

2011年05月20日 00:00

253 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 02:37:41.99 ID:g7ZGOgGW
そーいや2chで「鉄砲は反動も少なくて簡単だから女子供の武器」って見て
腑に落ちた逸話があるんだけど
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-2622.html
↑この逸話の詳細が違うバージョン

とりあえず逸話の本筋から書いて行く

立齋舊聞記より
碧蹄館の戦いの後の事、総大将秀家の主催で慰労会が開かれることになり
諸将が秀家の陣営に集まった。
食事が終わって物語りしていると、黒田長政が言い出した。
「鉄砲ってマジ最高だよね。昔は百歩も離れた敵は討てなかったらしいけど
鉄砲使ったら何百歩離れててもあてられるじゃん
まして的が近かったら絶対外さないし」
他の将も同意する。
加藤光泰「本当に、希代の重宝と言うべきだな。今度の戦で勝てたのもまた、
       鉄砲のよさが発揮されたからだ」
大谷吉隆「ていうか鉄砲最強じゃね?俺もう他の武器買わないわ」

余談だが、思うにここで大谷が極端な事を言うのが話をややこしくしていると思う。
良くも悪くも「思った事は絶対言う」人なのだ。
それで失敗しても、反省も後悔もしてなさそうなのが変に爽やかだが。

とにかく、これを聞き咎めた小早川隆景が口をはさんだ。
「防ぐには鉄砲がいいと思うけど、例えば破るには弓だな。鉄砲だけとか言いなさんな」
立花宗茂もこれを聞いていて
「武器は臨機応変に使い分けないとな。
鉄砲しか持ってなかったら雨の日と闇夜は戦できねえ」と続いた。

焦ったのは長政で、「俺は別に鉄砲だけで戦するとか言ってないし」と訂正したあと、
こう続けた。
「たださー弓を貴んで鉄砲が否定されるのは違うと思うわけ」
↑↑↑
 ここ

これずっと「今誰もそんな話してないんじゃ?
長政のいつもの被害妄想にしても唐突すぎる」と違和感あったんだけど、
鉄砲に「誰でも扱える、あまり男らしくもかっこよくもない武器」というイメージがあったとすると
本人も鉄砲の名手で鉄砲大好きだった黒田長政からしたら
普段から「鉄砲を擁護したい」とか「こいつも鉄砲の悪口言うつもりか」って気持ちがあっての
この発言なのかもしれないなー、と、なんとなく疑問がとけた気がした。

254 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 02:38:59.14 ID:g7ZGOgGW
で、せっかくここまで書いたんでその後の顛末も書くと

長政がナイーブになっているところに、宗茂が
「でもさー近接で鋒とかで切りあってる時でも切り損じる時ってあるだろ?
鉄砲はあたるあたるって言うけど、火薬で玉飛ばすような武器
そこまであてにできない気がするんだよね俺は
別に鉄砲がダメって言うんじゃないけど、そればっかり好きでもしょうがないと思う」
などと言ってしまい、微妙な雰囲気になっていると、
秀家が「話は聞かせてもらった!」と現れた。
「これはあれだ、甲州(黒田)が鉄砲、立花が弓使って勝負すればいいんじゃないかな!
的を用意して皆で見物しようぜ!」
この御曹司ノリノリである。

長政と宗茂からしたら、別にそこまでの騒ぎにしたいわけでもなかったのだろう。
辞退しようとしたが、隆景が仲裁に入った。
「まあまあ、勝ち負けとかじゃなくてさ、
立花は弓の名人って評判だし、甲州は飛ぶ鳥も落とす鉄砲の上手だろ。
実際撃ってるところを、是非見てみたいなあ」
そうまで言われては、強いて拒む方がおとなげない。
二人は十五間離れた場所に立てた笄を撃ちあうことになった。
大谷と加藤が「勝った方が負けた方の道具もらっちゃえよ」と囃す。
こいつらも悪ノリしている。

長政の秘蔵の鉄砲から、笄に見事に命中、これを打ち折った。
次に、宗茂は普通よりも大きな塗籠の弓を使っていたが、
これで放った雁股の矢が笄の真ん中を射切った。
周りはやんやの喝采を送る。
両方があててしまったので、もう一度。
ところが二度目の射撃で長政の狙いが反れ、笄の端を削っただけに終わった。
宗茂はといえば、最初に射た矢と同じ場所を、少しも過たず射切って見せた。
立花宗茂聞きしに勝る射手であると人々は大いに誉めた。
約束は約束なので、長政の大事な鉄砲は宗茂の手に渡った。

秀家「あっ、じゃあ立花の弓は俺にちょうだい」

なにがじゃあなのかわからないが、宗茂の強弓は秀家の手に渡った。



…まあなんていうか、戦勝祝いで行き違いがあった悪い話ではあるんだけど、
出席者は盛り上がって帰ったみたいだから、終わりよければすべてよし?
戯言から発展して変な喧嘩にならなくてすんで幸いだった。

隆景からは場をなごませしこりを残すまいという気遣いが感じられる。
秀家はちょっとよくわからない。天然かもしれない。




255 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 03:12:39.55 ID:vLE0dyFo
天然だろうな
主催者権限のつもりか知らんがちゃっかり立花の弓貰っても
事が穏便に済んでるのを見ると結構大物かもしれない

256 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 03:40:38.59 ID:0fx7IhwC
秀家はそういう徳と格があったのかね
バージョン違いの逸話も面白い

257 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 06:07:30.90 ID:wyYkYslW
秀家さんは真っ黒い父上と従兄弟に恵まれて、家が栄えたけど
本人は天真爛漫だよね。秀秋と比べて屈折したところがないし
秀吉にかわいがられたんだろうね

258 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 06:32:17.76 ID:ViFf/6zq
秀家さんかわいいです

259 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 07:33:36.73 ID:8Sis/NMS
ところで、銃弾を当てるのと、でっかい雁股の矢を当てるのでは難易度が全然違うと思うのだが、どうだろう?

260 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 07:46:29.50 ID:onIdjmnX
秀家は天然に見えるが、GJでは?
長政の鉄砲だけ取られると遺恨が残りそうだから、自分が宗茂の弓をいただいて「おあいこ」と

261 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 07:53:29.36 ID:piIGlA4J
>>259
槍投げならもっと楽だと思うか?
弓と鉄砲の性能の差、
ないしは当人たちの実力の差の方がはるかに影響が大きいんだから
その辺は問題じゃないんじゃね

262 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 09:35:19.02 ID:qwJ6DckA
>>259
ぜんぜん違うねw
まあ長政が不利な勝負をあえて受けたのだから、結果は仕方ないのかも

263 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 10:00:24.40 ID:SF3UlNgW
15間って27メートルくらいだぞ
ほぼ今の弓道場と同じだ。
鉄砲で外した長政がミスしただけだろ

264 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 10:14:21.99 ID:umDt/y00
あやうく死ぬような目にあった後の
猛者の話、各人の個性が出て面白いね。

この場にもし小西、清正がいたら何て言ったかな・・

265 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/05/19(木) 10:24:31.42 ID:7JbMHhIy
確か、秀秋は自分名義で貰った宗茂の弓を、改めて長政に贈ったんですよね。

266 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 11:06:15.96 ID:CFl8Rx3G
「小早川 加藤小西が 世にあらば 今宵の月を いかに見るらむ」

267 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 11:57:02.59 ID:23zzbH/N
思いっきり遅レス>>229
そういや、こういう銃で狙われている前でのパフォーマンスという話になれば
たいてい南北戦争のセジウィック将軍の逸話ネタがあった気がするが
まああれは戦国とは関係ないか

268 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 12:25:51.16 ID:4eXx1OQ9
>>265
おい、秀家と秀秋と間違ってるぞ
天真爛漫な貴公子はともかく、屈折した貴公子って友達いたのかなあ?
関が原の後、江戸城では諸大名や旗本からバカにされ、無視された様子が
大河ドラマの葵三代にあったよなあ。そこいらも本当のところはどうだったんだろうね

269 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 12:37:21.25 ID:U/T/JL0N
あのシーンは大坂城だろ?そのご井伊直政が出てきてこれで大坂城も見納めだと言ってたから

270 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 12:55:53.76 ID:4eXx1OQ9
>>269
訂正トン

271 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 13:35:48.05 ID:ObwOxLwF
秀秋「小十郎たんとお友達になりたいお!」

272 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/19(木) 15:28:58.01 ID:8m9kDxAo
>>254
最後、宗茂の弓を貰ったのは秀秋だと思ったけど。
この逸話、いくつかバージョンあるのかな?

273 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/05/19(木) 23:29:53.76 ID:Jcwz0sod
>>253, 265, 272
立花家資料館では弓は長政に渡ったと書いてあるね。
ttp://www.muneshige.com/column/03.html
残っていれば黒田家ゆかりのものが多い福岡市博物館にでもあるかも。
279 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 05:21:11.83 ID:vOh19/0L
>>273
件の立花さんは、何か他に表沙汰に出来ない理由(家中のゴタゴタとか)があって、
タテマエに禿げ問題を挙げたんじゃないかと思ったが……勘繰りすぎか?
政治の為に、変なタテマエかかげるのって定番だからさ。

280 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 09:58:03.36 ID:hXqwW/rG
仮に建前だとしてもその建前が受け入れられる素地があったということで。

281 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 10:32:31.22 ID:sgNQqCzk
>>262
弓道かじった者としては、この勝負、長政は不利どころか有利だと思えます。
照星のおかげで的に狙いを付けやすく、指一本動かせばある距離までなら火薬の威力でほぼ直線に撃ち出される鉄砲
(火薬炸裂時の衝撃やら重い銃身を支えるなどの大変さももちろんありますが)
一方、弓には照星のようなここで狙えばいいという装置がないので、
弓手に隠れて透けて見える視界の中で的に当たりをつけるしかない。
弓自体も竹や木、麻などの植物で出来てるので僅かな湿気や気温の変化で弓のコンディションが変わる。
しかも自らの弦引きの強さ次第で威力が変動するという不安定さ。

笄なんていう小さく細いものを的にして2度も笄のど真ん中にあてるのはすごい。
昭和の弓聖・阿波研造は目をつぶって射ても同じ場所に当てる
(一本目の矢尻に2本目が突き刺さる)ことが出来たそうですが、
宗茂は恐らくそれ以上の技量の持ち主だったのではないでしょうか。

しかし腕前勝負とは別に、上記のように弓は習熟・取り扱いが非常に難しいので
大量動員可能な遠距離兵器という軍隊における鉄砲の利点にはやはりかなわないという、
当初の論点wに関しては長政の言うとおりですが、なんでこんなオチになってしまったのやらw

284 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 11:33:44.28 ID:xi7NsWIk
>>281
うん、最初に大谷吉継が「鉄砲以外いらない」とか極端な事言っちゃったせいで
鉄砲の有用さを主張したい黒田長政
鉄砲のみに頼る事に反論したい立花宗茂との間で議論が噛み合ってないよねw
そこに、とりあえずイベントにしようという秀家が乱入してうやむやになってるけど

289 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 20:02:55.76 ID:LEMCF2+n
>>281
弓の方が技術的には難しいという所には同意しつつ
残念ながら、極めても生じてしまう仕方ない誤差がありまして
そっちは多分鉄砲の方が大きい

290 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 20:12:17.47 ID:Zd2Wrnlo
そもそも立花さんちは鉄砲隊の運用では一目置かれてた存在だもんなあ。

291 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 20:45:27.51 ID:M5/nOUUW
>>290
そうなんだよね、立花鉄砲隊は「早合」(弾薬カートリッジ)を使ってて他隊の三倍の速さで
連射できたらしいし。良く聞くのは、蛍大名の大津籠城戦で立花隊に面した銃眼だけ
閉め切られてた(=銃眼から撃とうとすると三倍返しされる)とか。

292 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 21:09:00.77 ID:M5/nOUUW
しかし長政の鉄砲に付けられた「墨縄」(=直線を引くもの、定規)という名前、
これって「百姓でもまっすぐ飛ばせるこの道具で外した長政(笑)」っていう皮肉だったら
宗茂の悪い話にできるんだがw 碧蹄館の英雄、そのぐらい傲ってほしいものである。

293 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/05/20(金) 21:26:31.54 ID:c7CCic90
どっかの鷹匠じゃあるまいし、宗茂さんはそこまで根性悪じゃないぜ
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    江戸以前っぽい武器の指南書で鉄砲だけふんどしの町人の絵だったのはそういうことか

  2. 人間七七四年 | URL | -

    めずらしく宗茂が微妙に悪い方向に天然を発揮してるように見えるのは気のせいだろうか
    秀家いなかったらこの談議はどういう具合にまとまったんだろう

  3. 人間七七四年 | URL | -

    鉄砲は弾のサイズや火薬量なんかでだいぶ変っちゃいそうだよな
    そういうの含めて技量なのかな?

  4. 人間七七四年 | URL | -

    こいつら絶対酒入ってただろwww

    それはそうと、秀秋は案外交友関係広いよ
    加藤・浅野・黒田あたりのいわゆる若手武断派武将と仲いいし、養子仲間の秀次・秀家ともうまくやってた
    なんやかんや秀吉存命中も家康や如水にも目を掛けてもらってたようだ
    あと近衛信尹なんかとも交流あったんじゃないっけ
    講談ものじゃ散々だけど、同時代に秀秋が悪く言われたってのはあんまりないような
    改易後も家臣はキッチリ再就職先見つけられてるしねぇ

  5. 人間七七四年 | URL | -

    確か立花家の鉄砲隊はかなり有名じゃなかったっけ?
    宗茂の発言はそれを踏まえているとは思うが、もうちっと
    場を弁えて言って欲しいよね。
    まあ、それがあっても同時代人には受けが良いよね。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    米4
    秀秋が悪く言われている同時代のものというと
    「看羊録」に藤原惺窩が秀秋を嫌っていたと思われる部分がある。
    まあ豊臣嫌い故なんだろうけど。

  7. 人間七七四年 | URL | -

    加藤光泰ってこの時もういい歳だろうに悪ノリが過ぎるな

  8. 人間七七四年 | URL | -

    文体のせいかもしれんけど、
    なんか放課後みたいな雰囲気だなあww

  9. 人間七七四年 | URL | -

    こういう皆がわいわい言ってる話が好きだなあ
    後味悪くもなく、くすりと出来るような話もまた醍醐味だわ

  10. 人間七七四年 | URL | -

    藤原惺窩の人物評ほどアテにならないモノはない
    つうか儒家の人物評自体が、儒家以外では通用しづらいというか

  11. 人間七七四年 | URL | -

    最も地味な加藤
    真の地味加藤

    な、加藤光泰さんの名前が見えただけで満足です。

  12. 人間七七四年 | URL | -

    光康さんは空気加藤だぉ!

  13. 人間七七四年 | URL | -

    サンドイーター加藤じゃなかったっけ?

  14. 人間七七四年 | URL | -

    つうか天然多すぎじゃね?w

  15. 名無しさん | URL | -

    これえらく奥深い話だな。
    大谷が鉄砲の戦術観披露して隆景がバランス大切、宗茂も夜使えないと言う所に
    なら確かめようと実地の話になって、最後秀家が
    両方の顔が立つように買った方の弓をあっけらかんと受け取ったと。
    戦術を当たり前に磨こうとする態度の和気藹々さと、意地と
    心配りの入り交じった面白いエピソードだと思う。

  16. 人間七七四年 | URL | -

    このはなしタグおかしくね?
    出典が立斎旧聞記なら、NGMSというよりは宗茂メインの話だろうし
    文禄の役の出来事なんだから、秀秋タグよりも隆景タグが入るべきだろう

  17. 人間七七四年 | URL | -


    タグの順番なんて誰も気にしない。
    可笑しな点があるのならコメント欄ではなくて
    直接管理人さんへメールすれば宜しい。

  18. 人間七七四年 | URL | -

    チーム碧蹄館の砂加藤さんは
    言動が豪快というかフリーダムで
    なんかすき

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