184 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 13:45:35.94 ID:OkZ3MenE
南部の武将北信愛(松斎)が和賀・稗貫郡を領して、城代として花巻城にあった頃のこと。
時の藩主南部利直は、信愛が老齢で目を患い、楽しみの少ないことを哀れみ、
鷹野にでも出て気を慰められるよう、一羽の鷹を与えた。信愛はこれを喜び、その鷹を鷹匠に預けた。
ある日のこと、鷹匠のひとりが山野に出て、その鷹を放っていた。
鷹は一羽の鳥を捕らえると、そのまま近くの農家のそばに降り立った。
するとそこへ、たちまち一匹の犬が駆けてきて鳥もろとも鷹をかみ殺してしまった。
驚いた鷹匠はその犬を捕らえ、辺りの者を集めて飼い主をただしてみると、門右衛門という百姓の犬であった。
鷹匠は門右衛門を捕縛すると、これを同道して花巻城に引き返し、おそるおそる事の次第を信愛に言上し、
門右衛門とともに罪に服したいと願い出た。
それを聞いた信愛はいつになく立腹の体で鷹匠を叱りつけた。
「お前はなんと無分別なことをするのか。
この門右衛門は飼い犬をそそのかして鷹を噛ませたものではない。またお前とて、
鷹を犬に噛ませようとして放ったわけではあるまい。
元来、犬はその性分として鳥獣を噛もうとするのは当たり前のことだ。鷹は他の鳥類に優れて
眼も羽も速いものであるから、滅多に犬などに噛まれたりするものではない。
それが噛まれたというのは、鷹のほうに油断があったのであって、その命運が尽きたものである。
一体、あの鷹はその門右衛門に比べて、これまでどういう働きをしたというのか。
あの鷹は拝領の鷹である故、お前が責めを重んじてそのような処置をとったことは
一応無理のないことであるにしても、わずか鷹一羽のために、大事な百姓を痛めるわけにはいかぬ。
お前は粗忽にも門右衛門を捕らえてきたが、はやくその縄を解いて、門右衛門に謝罪せねばならない」
鷹匠はこれを聞いておおいに恥じ、門右衛門に深く詫びて帰宅させた。
この話を聞いた稗貫・和賀の人々は、いずれも信愛の仁徳に感じ入り、その信望はいや増すばかりであったという。
187 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 21:43:49.92 ID:cAB8nhct
>>184
これは当時の鷹が現代で言えば高級スポーツカーとか、そのくらいの価値観で見られていたことを
考えると一層味わい深いな
188 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 21:52:05.59 ID:hO131Qev
>>184
弱い鷹だな。地上で戦えばそんなものなのか。
参考動画:モンゴルの鷹を使った伝統的狼狩り
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm7233456
189 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 23:43:38.90 ID:PV2sbT7t
>>184
当時の犬は放し飼いだったのかな。
鷹匠も一緒に罪を償おうとした、というところもいい話かも。
190 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 23:52:09.11 ID:iZVa/P0K
鷹と百姓(とか子供とか)の粗相っていうと、たいてい酷い結末になるから
どきどきしたけど、あ~よかった。いい話で。
191 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 23:55:05.61 ID:mnA3Jpo6
北さんは名前からして優しそうだよな
192 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:10:01.58 ID:EMCM8gZ2
日本一の不覚人「もっと信頼されたかったなあ。」
193 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:20:39.30 ID:NF/zSc6j
信愛は晴継の烏帽子親を勤めながら、晴継謀殺の黒幕だったりして
194 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:33:36.62 ID:Omjbpnkk
南部さんちの周辺はけっこうえげつないからなー
196 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 09:36:17.26 ID:GmgcOAQh
南部晴政さんが農民の娘に泥を塗られて喜んでた話が好きだ
どっちかっていうとその娘さんに胸キュンなんだけど
197 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 10:06:09.10 ID:NF/zSc6j
その泥娘が晴継の母ちゃんなんだよな
198 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/06/17(金) 10:10:31.01 ID:9Hz2fsCK
泥を塗られて喜ぶってどんなシチュなんだ。
領民のどろんこ祭りみたいなものにおしのびで参加したってこと?
199 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 15:23:22.00 ID:RVbQrmXv
>>198
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-4751.html
この逸話のことやね。
200 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 15:27:28.46 ID:T8Wp+0WD
ブスだったらその場で斬り殺されたと思う・・・
南部の武将北信愛(松斎)が和賀・稗貫郡を領して、城代として花巻城にあった頃のこと。
時の藩主南部利直は、信愛が老齢で目を患い、楽しみの少ないことを哀れみ、
鷹野にでも出て気を慰められるよう、一羽の鷹を与えた。信愛はこれを喜び、その鷹を鷹匠に預けた。
ある日のこと、鷹匠のひとりが山野に出て、その鷹を放っていた。
鷹は一羽の鳥を捕らえると、そのまま近くの農家のそばに降り立った。
するとそこへ、たちまち一匹の犬が駆けてきて鳥もろとも鷹をかみ殺してしまった。
驚いた鷹匠はその犬を捕らえ、辺りの者を集めて飼い主をただしてみると、門右衛門という百姓の犬であった。
鷹匠は門右衛門を捕縛すると、これを同道して花巻城に引き返し、おそるおそる事の次第を信愛に言上し、
門右衛門とともに罪に服したいと願い出た。
それを聞いた信愛はいつになく立腹の体で鷹匠を叱りつけた。
「お前はなんと無分別なことをするのか。
この門右衛門は飼い犬をそそのかして鷹を噛ませたものではない。またお前とて、
鷹を犬に噛ませようとして放ったわけではあるまい。
元来、犬はその性分として鳥獣を噛もうとするのは当たり前のことだ。鷹は他の鳥類に優れて
眼も羽も速いものであるから、滅多に犬などに噛まれたりするものではない。
それが噛まれたというのは、鷹のほうに油断があったのであって、その命運が尽きたものである。
一体、あの鷹はその門右衛門に比べて、これまでどういう働きをしたというのか。
あの鷹は拝領の鷹である故、お前が責めを重んじてそのような処置をとったことは
一応無理のないことであるにしても、わずか鷹一羽のために、大事な百姓を痛めるわけにはいかぬ。
お前は粗忽にも門右衛門を捕らえてきたが、はやくその縄を解いて、門右衛門に謝罪せねばならない」
鷹匠はこれを聞いておおいに恥じ、門右衛門に深く詫びて帰宅させた。
この話を聞いた稗貫・和賀の人々は、いずれも信愛の仁徳に感じ入り、その信望はいや増すばかりであったという。
187 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 21:43:49.92 ID:cAB8nhct
>>184
これは当時の鷹が現代で言えば高級スポーツカーとか、そのくらいの価値観で見られていたことを
考えると一層味わい深いな
188 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 21:52:05.59 ID:hO131Qev
>>184
弱い鷹だな。地上で戦えばそんなものなのか。
参考動画:モンゴルの鷹を使った伝統的狼狩り
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm7233456
189 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 23:43:38.90 ID:PV2sbT7t
>>184
当時の犬は放し飼いだったのかな。
鷹匠も一緒に罪を償おうとした、というところもいい話かも。
190 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 23:52:09.11 ID:iZVa/P0K
鷹と百姓(とか子供とか)の粗相っていうと、たいてい酷い結末になるから
どきどきしたけど、あ~よかった。いい話で。
191 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/16(木) 23:55:05.61 ID:mnA3Jpo6
北さんは名前からして優しそうだよな
192 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:10:01.58 ID:EMCM8gZ2
日本一の不覚人「もっと信頼されたかったなあ。」
193 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:20:39.30 ID:NF/zSc6j
信愛は晴継の烏帽子親を勤めながら、晴継謀殺の黒幕だったりして
194 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 00:33:36.62 ID:Omjbpnkk
南部さんちの周辺はけっこうえげつないからなー
196 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 09:36:17.26 ID:GmgcOAQh
南部晴政さんが農民の娘に泥を塗られて喜んでた話が好きだ
どっちかっていうとその娘さんに胸キュンなんだけど
197 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 10:06:09.10 ID:NF/zSc6j
その泥娘が晴継の母ちゃんなんだよな
198 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/06/17(金) 10:10:31.01 ID:9Hz2fsCK
泥を塗られて喜ぶってどんなシチュなんだ。
領民のどろんこ祭りみたいなものにおしのびで参加したってこと?
199 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 15:23:22.00 ID:RVbQrmXv
>>198
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-4751.html
この逸話のことやね。
200 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/06/17(金) 15:27:28.46 ID:T8Wp+0WD
ブスだったらその場で斬り殺されたと思う・・・
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コメント
人間七七四年 | URL | -
ついこの間同じ罪状で牛裂きにされた子供の逸話が……(涙)
( 2011年06月17日 00:23 )
人間七七四年 | URL | -
そのガキは自分で鷹をなぶり殺しにしたんだからある程度の罰があって然るべき。
( 2011年06月17日 00:47 )
人間七七四年 | URL | YG9ONXHE
鷹がトロいのか犬が凄いのか…
うちの犬なんてカラスに負けてた…
( 2011年06月17日 00:54 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
ウチの犬なんて、猫に負けてた…(一応大型)
( 2011年06月17日 06:42 )
人間七七四年 | URL | -
ええ話しや…
( 2011年06月17日 07:36 )
人間七七四年 | URL | -
こう言うのも人情話と言うのかな?何にしても分別ある良いお話ですね。
( 2011年06月17日 16:10 )
人間七七四年 | URL | -
利直(23)「この鷹信愛にやるよ」
北さん(76)「いや、鷹より私はそろそろ隠居を……」
利直「信愛、長生きしてね♪」
北さん(76)「いえ、あの…隠居…」
( 2011年06月17日 18:01 )
人間七七四年 | URL | -
そして隠居させてもらえないどころか、こんなことに巻き込まれちゃう信愛さんであった。
ttp://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-4220.html
77歳にもなって、鉄砲をぶっ放しまくることになろうとは、多分思わなかっただろうな。
死んだ自分の父親より20以上年上なんだぜ……何歳まで働いてもらう気なんだ。
( 2011年06月17日 23:40 )
人間七七四年 | URL | FJ2gfIhk
189> 昔はむしろ猫が紐につながれてて犬のほうが放し飼いだったと聞いたことがある。猫は貴重品だったらしいが・・・・
( 2011年06月19日 15:40 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
鼠駆除の目的で猫を放し飼いするようになったと言われてるんだったかな
( 2011年06月20日 12:32 )
人間七七四年 | URL | -
米8
真田某「隠居?ご冗談を・・・あと十五年はいけますぞ」
( 2011年06月23日 03:30 )
人間七七四年 | URL | -
>>197
泥祭りの話単体ならいい話なんだが
不相応な身分の女に跡継ぎを生ませて
挙句その子が家中のゴタゴタの標的になって抹殺されるという
大変に後味の悪いオチになってしまうってのがやっぱ南部クオリティだなって
( 2015年01月14日 22:08 )
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