602 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 03:36:44.22 ID:w4WKCjbm
母里但馬と井上周防と言えば古くからの黒田家の重臣であったが、
この両名、実に仲が悪かったという。
ある時のこと、母里但馬の屋敷にて人々集まり武辺話をしていたとき、但馬がこんな事を言い出した。
「周防は名人臭く、みたくもない分別面も甚だしい者であるが、先年豊後石垣原(関ケ原九州戦線での
大友氏との戦い)では一人狂言をしたよ」
人々、但馬と周防が仲の悪いことを知っていたので『またいつもの悪口をいうのだろう』と困っていると、
その中の但馬と心安いものが聞いた
「一人狂言とは、一体どういう事を言っているんだ?」
これに母里但馬
「それはな、あの合戦で周防は人を能く使い、自由自在に駆け引きをし、その上自身で槍を突き残るところなく働いた。
仕手(軍の運用と作戦立案)と脇(戦場での働き)を続けて一人でやったのだから、これは一人狂言ではないか。」
これに、ある人が口をだす
「あなたの甥である隼人殿も、戦場では同じ程の働きを、しかも朝鮮と石垣原で二度もされている。
脇ということならば、隼人殿は周防殿の上を行く勇者ではないだろうか?」
但馬、この指摘に
「あいつは私の甥だからなんとも言い難いが、脇という面であれば悪くいうことは出来ないな。
しかし周防は軍陣という物も見ず、軽はずみなこともせず喧嘩もしないので、終に刃を交えるような事もなく、
子供の頃から用に立つべき者であると、優れて功の入った人である宗円様に見つけられ、如水様、そして
今の殿にいたるまで3代共に、仕手として重用されていた。
しかるに豊後では、あのような実戦は初めてのはずなのに、そのたった一度、一度も一度の場であれだけの働きをした。
なるほど、いよいよあいつは殿の御重宝である。」
そういって井上周防を殊の外褒め上げた。
これを聞いた人々は
「但馬殿と周防殿はずっと不和で、今周防殿が他に居るのをいいことに、何事かを聞き出して悪口を言うのだろうと
困った思いでいたが、なんという正直な物言いだろう。」
と、皆感じ入ったそうである。
母里但馬、不仲の井上周防にツンデレる。と言うお話。
603 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 06:00:36.19 ID:0F+VrMKM
この逸話 http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3083.html にも
「脇を合わせる」と出てくるけど、どうしてそういう言い回しになったのか謎だったんだが
能狂言の仕手・脇に例えて言ってるのか。すごい納得した。
戦用語っておもしろいな。
605 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 09:54:00.13 ID:VtFOTEhj
母里太兵衛って結構ウザキャラだな
栗山は母里に長政にと面倒見なきゃいけないのが多くて大変そうだ
606 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 10:06:58.53 ID:oc7vWgGf
黒田二十四騎、というか黒田武士はそれぞれに面倒くさい
608 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 12:40:15.54 ID:VtFOTEhj
そういや後藤又兵衛も栗山の寄騎からだったか
母里但馬と井上周防と言えば古くからの黒田家の重臣であったが、
この両名、実に仲が悪かったという。
ある時のこと、母里但馬の屋敷にて人々集まり武辺話をしていたとき、但馬がこんな事を言い出した。
「周防は名人臭く、みたくもない分別面も甚だしい者であるが、先年豊後石垣原(関ケ原九州戦線での
大友氏との戦い)では一人狂言をしたよ」
人々、但馬と周防が仲の悪いことを知っていたので『またいつもの悪口をいうのだろう』と困っていると、
その中の但馬と心安いものが聞いた
「一人狂言とは、一体どういう事を言っているんだ?」
これに母里但馬
「それはな、あの合戦で周防は人を能く使い、自由自在に駆け引きをし、その上自身で槍を突き残るところなく働いた。
仕手(軍の運用と作戦立案)と脇(戦場での働き)を続けて一人でやったのだから、これは一人狂言ではないか。」
これに、ある人が口をだす
「あなたの甥である隼人殿も、戦場では同じ程の働きを、しかも朝鮮と石垣原で二度もされている。
脇ということならば、隼人殿は周防殿の上を行く勇者ではないだろうか?」
但馬、この指摘に
「あいつは私の甥だからなんとも言い難いが、脇という面であれば悪くいうことは出来ないな。
しかし周防は軍陣という物も見ず、軽はずみなこともせず喧嘩もしないので、終に刃を交えるような事もなく、
子供の頃から用に立つべき者であると、優れて功の入った人である宗円様に見つけられ、如水様、そして
今の殿にいたるまで3代共に、仕手として重用されていた。
しかるに豊後では、あのような実戦は初めてのはずなのに、そのたった一度、一度も一度の場であれだけの働きをした。
なるほど、いよいよあいつは殿の御重宝である。」
そういって井上周防を殊の外褒め上げた。
これを聞いた人々は
「但馬殿と周防殿はずっと不和で、今周防殿が他に居るのをいいことに、何事かを聞き出して悪口を言うのだろうと
困った思いでいたが、なんという正直な物言いだろう。」
と、皆感じ入ったそうである。
母里但馬、不仲の井上周防にツンデレる。と言うお話。
603 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 06:00:36.19 ID:0F+VrMKM
この逸話 http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3083.html にも
「脇を合わせる」と出てくるけど、どうしてそういう言い回しになったのか謎だったんだが
能狂言の仕手・脇に例えて言ってるのか。すごい納得した。
戦用語っておもしろいな。
605 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 09:54:00.13 ID:VtFOTEhj
母里太兵衛って結構ウザキャラだな
栗山は母里に長政にと面倒見なきゃいけないのが多くて大変そうだ
606 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 10:06:58.53 ID:oc7vWgGf
黒田二十四騎、というか黒田武士はそれぞれに面倒くさい
608 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/15(金) 12:40:15.54 ID:VtFOTEhj
そういや後藤又兵衛も栗山の寄騎からだったか
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コメント
人間七七四年 | URL | JalddpaA
>しかるに豊後では、あのような実戦は初めてのはずなのに、そのたった一度、一度も一度の場であれだけの働きをした。
それまで指揮官としてのみ働いていたが
豊後で初めて一兵卒としての槍働き、もしくは最前線での下士官としての働きもしたという意味かな?
すまんが誰か解説頼む
( 2011年07月16日 14:14 [Edit] )
化け猫 | URL | -
忘れがちですが、本来ならば指揮官が前線で自ら戦うのは、ありえないので、今まで自分から戦わずに済んでいた。
で、いざ自分も戦わなければならない、となった時に、見事な戦いぶりを見せた。ということだと思われます。
( 2011年07月16日 18:05 )
名無しさん | URL | JalddpaA
大友方の先鋒大将の吉弘統幸が井上周防に一騎打ちで討たれたとも言う逸話の事を指してるんではないでしょうかね。
家老クラスで栗山の次席格の井上に対しても母里は普段から容赦なくディスってたようでありますw
( 2011年07月17日 01:57 [Edit] )
人間七七四年 | URL | IwZaysKE
>>607のコメントは、5601「雑談・上意討ちのことなど」へのコメントですね。
管理人さま、余力あらば移動をば。
( 2019年10月22日 19:28 [Edit] )
まとめ管理人 | URL | -
※4
ご指摘ありがとうございます。直しておきました~
( 2019年10月22日 20:25 )
※4 | URL | -
管理人さま、いつも素早いご対応ありがとうございます。
( 2019年10月22日 22:21 )
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