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栗山利安の臨終

2011年07月26日 23:05

863 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 13:24:07.98 ID:bE4QyERV
栗山備後守利安と言えば、軍陣にての高名は11度、そのうち5度は槍働き、6度は采配をとって人を使っての働き
であり、また仕物(命令で人を斬ること)も4度、このうち2人は豊臣秀吉が黒田如水に仰せ付けられた者を
利安が実際に斬った。
これほどの戦働きをしたが合戦で怪我を負ったということはなく、ただ一度、朝鮮の役で左の小脇に矢がかすり、
血が少し滲んだ事のみが例外であった。
このように大剛の栗山利安であったが、普段は自身の戦の話など、まるですることの無い人であったという。

時に彼は81歳で死ぬ。その前日のことである。

利安はすでに、呼吸をするのがやっと、という状態であり、子どもたちをはじめとした看病をしている者たちは皆、
枕元でその時を覚悟していた。と、この時

利安は不意に、カッと目を見開いた。そして

「馬だ!鉄砲だ!
あそこに敵が出たぞ、味方の人数をここに出せ!あちらに出せ!
鉄砲をあの山に上げて撃たせろ!
敵は馬で駆け寄ってくるぞ!味方は馬から降り芝生に座れ!采配次第に、いかにも静々と懸かれ!」

うわ言に、合戦での指揮を叫び始めたのだ。

看病の者たちは皆大いに驚いたが、そのうちの一人が利安の耳元で

「かしこまり候」

と答えれば、おとなしくなり再び寝入った。

栗山利安はその一晩の間に5度合戦の指揮を叫び、夜明け頃、儚くなった。


戦国の世に生まれ育ったいくさ人の、臨終の模様である。
(古郷物語)




864 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 17:26:42.06 ID:QPdtteeK
古郷物語出典の逸話は内容が丁寧で写実的な気がする

865 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 18:02:44.93 ID:DNW25RW4
一応既出ではあるけど
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3914.html

871 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 21:49:49.83 ID:f8Ab7fdS
>>863
( ;∀;) ホントウニイイハナシダナー
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    これ、現代でもありそうな話だなぁ。
    老人ホームで38式歩兵銃のモデルガンを持たせたら座りっぱなしの爺さんが歩き始めた話とかあるもんな。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    島津義弘さんも法螺貝で立ち上がったんだっけ…。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    こう言う最後の時に、当時の記憶が蘇るって話リアルにありますよね?
    特に軍人の様な特殊な仕事に付いて居た人の話とかは、案外ある。
    それだけ強烈な記憶が残っていると言う事なのでしょうね。
    有名な例としては、インパールに従軍した宮崎師団長の最後ですかね?

  4. 黒田家の最後であった

  5. 人間七七四年 | URL | -

    インパール作戦でイギリス軍と激戦を繰り広げた宮崎繁三郎中将は、太平洋戦争の後、生きて帰ってくるんだが、昭和40年ころに亡くなった。このときの臨終の言葉は、「参謀、敵中突破した部隊は、確かに掌握したか」だったかと思う。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    驥老伏櫪 志在千里

  7. 人間七七四年 | URL | -

    長慶「義賢はおるか、誰かあるか、側に参れ」ウーンウーン
    弾正「かしこまり候」ニヤニヤ
    長慶「……」スー
    弾正「……」ニヤニヤ

  8. 人間七七四年 | URL | -

    >>5
    書こうと思ったら書かれておったわ

  9. 人間七七四年 | URL | -

    「死にとうない」もまたよし
    って、一休宗純もぎりぎり戦国時代に入るか入らないかの人か

  10. 人間七七四年 | URL | -

    老いたるとはいえ、筋金入りのつわものの良い話とは思うが、死に至るまで修羅のようでもあり、少々いたましい気も同時にする。

  11. 人間七七四年 | URL | -

    維新公も老衰で食事が喉を通らなくなった時、「敵におかかりなさりませ!」と家臣が叫ぶと起き上がって飯を飲みくだしたって話があったね。

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