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安楽の空

2011年08月04日 23:03

975 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/08/04(木) 00:31:24.53 ID:5A63yjq8
安楽の空

元和9年(1623)7月、江戸詰めだった黒田長政は、将軍秀忠親子の上洛への随行を命じられた。
「何か」を予感した長政は上洛に嫡男・忠之を伴ない、東海道ではなく中山道を行く事を願い出て許された。

美濃国合渡川で、忠之の友人の松浦隆信なども合流したところで、長政は若者たちを前に
かつて合渡川の川辺で行なわれた激戦を語った。
田中・藤堂とともに、自らも大水牛の兜まで水に漬けて戦った川辺での激闘の様を、忠之と隆信ばかりか
付き従う者たちも、耳を傾けて聞き入った。

その夜は、近隣の領主であり長政の旧友である竹中重門が迎えてくれた。
「長政殿、せっかくここまで来てくれたのじゃ。明日は関が原に行こうではないか。」
「うむ。」

===========================================

「あれじゃ。あの笹尾山から松尾山の麓に西軍はビッシリと陣を構え、上から我らを睨み付けておったわ。
この時、長政殿は合渡川の戦いの功として御先手を任され、石田治部少輔の陣と相対した。」

のちに軍記『豊鑑』を書く文筆家でもある重門は、地形方角を示しつつ、天下分け目の戦いについて
雄弁を振るった。
「石田隊の先鋒は、その名も高き島左近!その武勇と大音声は怖気をふるうほどのものであったが、
黒田隊は、この戦を天下泰平の基にせんと大いに戦い、これを良く防ぎ・・・」

文人武将の講釈に、青年達は時を忘れて耳を澄まし、長政は自身が筑前五十二万石の大封をつかんだ
昔時の戦に思いを馳せ、思わず落涙した。その姿は、見た者の涙をも誘ったという。(黒田家譜より)

元和9年8月4日。黒田筑前守長政、京にて死去。享年56。

「大軍を指揮できる身代となりながら、存分に使うことなく死ぬのは残念。」
と言い残したと伝えられる長政だが、その辞世の句は
“ 此のほどは 浮世の旅に 迷い来て 今こそかへれ あんらくの空 ”だった。




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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    半兵衛官兵衛は日本のロマンだと思うんだよ

  2. 人間七七四年 | URL | -

    って旧暦だけどNGMS命日じゃん

    日付変わらんうちに合掌( 人 )ナムナム

  3. 人間七七四年 | URL | -

    南無南無・・・

  4. 人間七七四年 | URL | -

    黒田親子って、辞世の句まで対照的だよなぁ。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    親父の辞世はやり切った感全開だもんなぁ
    とゆーか、NGMSのが親父の歌へのあてつけにも思える

  6. 人間七七四年 | URL | -

    そりゃ、如水は家の事は息子に全部譲ってお気楽隠居生活送ってから死んだけど、
    長政は死ぬまで息子が心配で死ぬに死ねない、だからなあ

  7. (´メω・`) | URL | -

    NGMSが竹中重門と仲良かったのって、
    やっぱり半兵衛が匿った時に一緒に過ごしたからかもな。

  8.   | URL | -

    長政ってわりと早く亡くなった感じだよなあ…。
    苦労が多かったのかな。

  9. 人間七七四年 | URL | -

    重門って関ヶ原の戦いでは長政と一緒にいたんだっけ?

  10. 黒田家臣団「最後も駄目ですな。」
    如水「自慢できるほど大軍を率いれるなら油断した秀忠刺せよ、常考。」
    栗山「立つ鳥、後を濁さずと申しますが、若殿はとんでもないゴミを残して逝かれた…。」
    母里「忠之には殉死を命じて竹中殿から養子を貰うくらいの機転が欲しがったですな。」

  11. 人間七七四年 | URL | -

    ※10 あんまこんなこと言いたかないけど、こういう記事にまでそういうレスつけるのはさすがに気分悪いわ

  12. 人間七七四年 | URL | -

    二番煎じ三番煎じのネタは笑いのハードル上がるしな
    何より笑いには場の空気が大事なのに空気読めなかったら顰蹙買う
    つまんない奴が面白い奴の真似してもつまらんよ

  13. 人間七七四年 | URL | qRE2mams

    良い逸話だなぁ、と思っていたら※10ェ…。

  14. 人間七七四年 | URL | -

    この重門さんの語りナマで聞きたいなあ。きっと名調子だと思うんだ。

    >9
    関ヶ原の時、重門さんは長政さんと一緒に、岡山(丸山)に布陣してたようです。

  15. 人間七七四年 | URL | -

    俺は※10好きだぞ

  16. 人間七七四年 | URL | -

    重門の庶子が長政の家臣に迎えられてるみたいだから、
    ※10の母里さんみたいな話しは非常にきな臭いことにw

  17. 人間七七四年 | URL | -

    色々な苦労が蘇っての涙だったのでしょうねぇ。

    >10
    完全に今回は蛇足だと思う。折角の良い話が台無しだよ。

  18. 人間七七四年 | URL | -

    というか最近の黒田家臣ネタは単純にセンス無くてつまらん

  19. 人間七七四年 | URL | -

    ※10
    ngmsばりにフルボッコワロタw

  20. 人間七七四年 | URL | -

    二兵衛も良いが二世も良いなあ
    長政はなんだかんだ良い人だよ…

  21. 人間七七四年 | URL | -

    鮭様ネタとちがって、一瞬じゃないからね。
    おんなじ感じじゃ面白くないのも当然。

    まあ、今回に関しては空気読んでないからだし
    最近の三河武士ネタと一緒だ。

  22. 人間七七四年 | URL | -

    なんか毎度毎度のネタの繰り返しで、黒田武士が黒田節になってるな、なんちて

  23. 人間七七四年 | URL | -

    情景が浮かぶいい文章だなぁ。

  24. 人間七七四年 | URL | -

    ところで、「安楽のそらにかえる」とは天に召される ということ?
    そもそも浄土とは何処に!?

  25. 人間七七四年 | URL | -

    「空にかえる」というと、なんとなくキリスト教ぽいけど
    北条氏政もそういう辞世があるので、関係ないかも

  26. 人間七七四年 | URL | -

    *24*25
    須弥山(しゅみせん・すみせん・しゅみさん・すみさん)という世界の中心にある、三十三天等が住む山の、さらに上空のほうに仏などが住む世界があり、下から第一天、一番上が第六天となっていて、この第六天にいる、人を欲望にまみれさせようとする悪魔が「第六天魔」ことマーラで信長の「第六天魔王」はこれらの王であるということ。
    ここまでが「欲のある世界」で、これよりさらに天上に昇ると欲のない「仏様の世界」があり「成仏」によってここに至れるとされていた。

    という、仏教の世界観に基づいた解釈かと。
    ざっくりにもほどがある解説なので、詳細はwikiってほしいでござる。

  27. 人間七七四年 | URL | -

    黒田家の宗旨に詳しくないので当て推量だけど、
    妙法蓮華経十四 安楽行品
    からでない?

  28. 人間七七四年 | URL | -

    *24?の者です
    反応して下さり本当にうれしいです
    禅問答の真似事もいいところでしたが、歌の本意を知ることで過去にキリシタンでもあった長政の死生観が理解できれば と思った次第です
    重ねて、感謝いたしますm(_ _)m

  29. 人間七七四年 | URL | 1RD56Q42

    あの天下分け目の関ヶ原の当事者が、二十年後に現地でその当時を思い出す
    っていう風景だけでなんかこう、ぐっと来るものがある

  30. 人間七七四年 | URL | -

    二代目同士の変わらぬ友情がいいね

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