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後藤又兵衛出奔顛末

2011年10月13日 22:01

266 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 12:24:50.98 ID:MBNSHxGc
さてさて
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-5868.html
ここに嫡男隠岐を追放された後藤又兵衛。やがて年月も経ち息子の帰参を求め様々に詫び言するも
黒田長政はこれを承知せず、又兵衛は長政に対し不満が募り、「わしは後を継ぐもののない一代男なり。
もはや未来に何の希望もない!」と常々言っていたそうだ。

ところで後藤又兵衛の次男に、又市という美少年があった。
黒田長政はこの又市を寵愛し、特に彼は小鼓の上手であったため、長政は他に別して又市を出頭させた。

ある時、博多祇園社において能の興行があり、日吉太夫がこれを勤めた。
この頃黒田又市は17歳、容貌美麗なこと花のごとくであり、長政は寵愛のあまりこの能興行の小鼓を打つことを
又市に命じた。

この命を又市は疑問に思った
「武士である私が主人、あるいは朋輩が能を勤めるときに小鼓の役を申し付けられるというのは、これは尤もな事だ。
だが猿楽師の勤める能の小鼓を打つというのはいかがなものであろうか?」

又市は13里離れた、父又兵衛の在る小熊城へと密かに忍び行きこの事を相談した。
又兵衛はこれを聞くと、激怒した

「よく相談に来た!さてさて筑前守殿(長政)には聞こえぬ仕方をなされるものか!
我が惣領である隠岐守を追放し、今また其方にも斯様なことを申し付ける!
こうなればこれは遺恨である!この上は当家を立ち退くしか無い!」

と、当時黒田長政と激しく対立している、豊前小倉の細川忠興の元に使いを立てた

『それがし儀、不慮の儀にて長政家を立ち退き候。御城下に参りたく候』

「得たり賢し!」
この使いに細川忠興は歓喜した。早速人数千人、鉄砲二百挺、騎馬少々を差し添えて又兵衛の迎えに遣わし、
又兵衛、並びに妻子家来を残らず小倉に引き取った。

これを知って治まりがつかないのが黒田長政である。怒り心頭の彼は小倉に、又兵衛の返還を求める使いを立てた。
当然のことながら忠興はこれを拒絶。もはや合戦か!と言うところに徳川家康より扱いが入り、
『又兵衛の身柄は細川家を離れ上方に送る。そのかわり黒田家は、又兵衛の身に手出しをしてはならない』
と決められた。

後藤又兵衛出奔の顛末である。
(武隠叢話)




267 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 12:31:30.58 ID:pKFvM5RT
親子ともども面倒な性格。
こりゃああいう末路が待っているわけだわ。

268 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 12:35:34.04 ID:xH7/IUpy
前にも出てたなあこの話。前半部分だけだが
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3462.html

269 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 17:21:57.44 ID:EAUzqrjU
そのままだったとして、忠興と又兵衛って
上手くやって行けたんだろうか?

270 名前:人間七七四年[] 投稿日:2011/10/13(木) 17:59:23.50 ID:Nv3n99Qa
二人とも仲たがいして長政に笑われたくないという一点で一致しているから
きっと意地でも上手くやるよ

271 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 18:57:50.60 ID:Kq4Vh56z
つか親子共々揉めたってことは後藤家って勢力がうっとうしかったんじゃないかなあ
独立性高い家臣はいらないみたいな

272 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 20:02:47.60 ID:bS5GZRTI
長政はかなり出来た人なんだがなぉ
又兵衛と険悪な時期になんでこんなトラブルの種にしかなりそうにないことしたんだろ
又兵衛を放逐したいだけならもっとうまい手があったろうに

273 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 20:14:19.86 ID:Z1uDsKnH
武隠叢話って江戸中期成立だろ
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コメント

  1. 如水「……で、お前はいつ天下を取るんだ?又兵衛抜きでもやるんだよな、当然。むしろ邪魔だから放逐したんだよな?……黙ってたら分からんぞ、長政。」

  2. 名無しさん | URL | -

    件の又市こと後藤又一郎さんは細川家に残ったのだね
    ttp://www.shinshindoh.com/00-x-busyou.htm

  3. 人間七七四年 | URL | -

    ここで色々逸話を読みだしてから、又兵衛って実は奉公構を装った黒田家から豊臣家への援軍ではないかと思うようになった。

    佐野道可みたいな感じで。

  4. 人間七七四年 | URL | mQop/nM.

    後年、生地の姫路に帰った又兵衛の面倒を見ていた池田輝政と黒田家のやりとり。
    「又兵衛をひき渡せ」「うちの領民です。領民は引き渡せません」
    「禄をやっているじゃね~か」「家臣に兵法を教えてもらっている御礼ですが何か」

    姫路では、地元のゆかりの武将といえば、池田輝政>黒田官兵衛。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    後藤さんなんでここまで嫌われたんだ

  6. 人間七七四年 | URL | -

    3さんに葉室麟の「風なんとか 官兵衛異聞(題名うろ覚え)」を薦めたい

  7. 人間七七四年 | URL | -

    ※6
    「風の王国 官兵衛異聞」でしょうか
    同作者の「風渡る」の続きとも言える作品ですね

  8. 人間七七四年 | URL | -

    6・7さん>
    ありがとうございます。探して読んでみます。

    又兵衛と長政が不仲だった例に挙げられるエピもほかの黒田家エピと並べると「仲良く喧嘩してる」だけに見えてくるんですよね。

    栗山備後がいなければ母里太兵衛あたりも冷遇されてたんでしょうか…。

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ※8
    ていうか、長政と又兵衛の不仲逸話って出所不明でおそらく後世の創作がほとんどだからね
    対して太兵衛やら他の黒田武士のハチャメチャ逸話は結構黒田家譜やら古郷物語やら信憑性の高い出典だから

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