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森家『天の与えるものを受け取らなければ、却って災いを受ける』

2011年11月01日 22:01

森長可   
651 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/31(月) 23:03:33.51 ID:npjyO3qz
天正12年(1584)、秀吉と織田信雄の対立は激化。信雄は徳川家康を頼り、小牧長久手が
起きようとしていた。

多数派工作を進める秀吉は池田勝入に対し富田左近、津田隼人を派遣し、自分に付いた場合に
美濃、尾張、三河の三ヶ国を与えると約束する。
これに池田勝入は、重臣を集め評議を行った。

この時、池田家家臣、片桐半左衛門進み出て言うには

「そもそも勝入様は信長公の乳人子であり、その上お取り立て下さった主家である織田家を捨てて、
傍輩に過ぎない羽柴に与するのは、天の恐れも後の世の誹謗もいかがか。そう存じます。」

これに対し、同じく家臣の伊藤清兵衛は

「私は秀吉の近年の行いを見もし、聞きもしてきました。その上で、今の天下の諸大名と秀吉の
軽重を比べてみれば、明らかに秀吉のほうが重い。そう確信しています。
そうであれば天下の執権は秀吉となります。ここは理を非に曲げてでも秀吉に与し、それによって身も立て
労の報いも得るのが良いと、私はそう考えます。」

池田家家中はこの二論に割れ、勝入自身も大いに迷い
「自分の体が二つになって、双方に与したい」と発言する。

片桐半左衛門はこれを聞くと
「羽柴に一味するというのは天に違える行為で、後の瑕瑾となり行く末もはかばかしくはならないでしょう。」
と、眉をひそめてつぶやいた。

ここにおいて勝入は近習の土倉貞利を密かに、娘婿たる森長可の元に派遣し、長可の判断を聞いて
自らの去就を決めることとした。


さて森家である。森家においても重臣による評議が成されたが、彼らの意見は最初から完全に一致していた。
家臣は長可に、全員の総意を申し上げる

「確かに織田家は旧恩のお家柄です!だがしかーし!それはそれとして現在英雄というべき人物は
秀吉公でございます。であれば、後々のためにも秀吉公へ御一味して然るべきです!
世の中こう言うではありませんか、『天の与えるものを受け取らなければ、却って災いを受ける』と。
お仙君(忠政)もこちらに帰られたことですし、これはまさに、森家の長久繁栄の瑞祥です!!」

流石は織田家有数のドチンピラ軍団森家、ギャハハという下卑た笑い声が聞こえてきそうな、間違いなく
悪役の、それも三下クラスの提案である。
無論長可はこれを何の迷いもなく受け入れ、池田勝入もこれを知ると秀吉への一味を決心するのである。
(森家先代実録)

そう、そして何より恐ろしいのは、この誰が見ても悪のヒャッハー集団の会議としか思えない森家の評議内容が、
森家自身の記録であると言うところである。





653 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/31(月) 23:18:50.06 ID:6rXstGHl
必要以上にむりやり悪い話に持って行こうとしてないだろうか

654 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/31(月) 23:27:02.10 ID:8Xn4zK5n
この手の「どこにつく方が得か」なんて話はよくあるし、別に恥じる事でもないよな

655 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/31(月) 23:34:58.74 ID:Dhd0EQk6
まあ誇れることでもないがな

656 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/31(月) 23:35:06.67 ID:M1aXmbIa
どうも想像しがたいけど、
長可と秀吉の個人的関係は良好だったんだろうね。

657 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/31(月) 23:42:01.76 ID:df5FDz6g
悪い前田慶次のイメージ

658 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/10/31(月) 23:44:24.18 ID:JOuuo6MI
まあ「信長の乳人子」という事に色々助けられただろう勝入は当然悩むよね。

659 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/01(火) 00:39:11.63 ID:zkFUI658
>>656
一緒に茶器を買いに行く仲だからね(棒)

660 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/01(火) 00:39:51.93 ID:rvEaIs0f
池田のオッサンは、鬼武蔵のことを信頼してたんだな。

661 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2011/11/01(火) 00:46:31.76 ID:68HQDpiq
会長?
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    鬼貴は乱丸殺した奴も「武功は武功」だからって家臣にしたし合理的思考だよね。たまに本能に従っちゃうけど 笑

  2. 人間七七四年 | URL | -

    家中にご主君の薫陶が行き届いた良い話じゃないかw

  3. 人間七七四年 | URL | -

    鬼貴の所は一家してブレが無いなあw

  4. 人間七七四年 | URL | -

    何が悪のヒャッハー会議なのかわからん。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    のぶおが頼りないから見限ったとストレートに書き残さなかっただけ配慮が見えるのは俺だけか?

  6.   | URL | -

    これは別にヒャッハーな話でもなく、冷静な判断じゃないか。
    このくらいの時代って家に仕えるんじゃなくて、個人に仕えるって感覚らしいから
    信長には従うけど、のぶお(笑)って感じなんだろう。

  7. 人間七七四年 | URL | -

    いくらなんでも、のぶおじゃ無理だわ…

    ヒャッハーなぶん人の力量を見抜く眼が確かだったのでは?

  8. 名無しさん@ニュース2ちゃん | URL | 0Q3WCu86

    >現在英雄というべきは秀吉公
    ストレートに「織田には世話になったけど、秀吉の方が強いから秀吉に付く」って言っちゃうあたりは流石ではある。
    戦国大名としては当たり前の判断だが、普通はもうちょっと客観的に勢力差を述べたりするからなあ。
    「○○を破り破竹の勢い」とか「××に何カ国」とかさ…

  9. 完全にヤクザに相談する町内会長の図だなw

  10. 人間七七四年 | URL | -

    むしろこういう判断がデフォの時代だからこその「律儀の内府殿」なんじゃないかと思ったり。

  11. あ | URL | -

    これは久々に逸話を書いた奴の悪い話。

    池田、森両方ともこの後死ぬんだから、天の采配のなんと数奇なことかと思うだけだわ。

  12. 人間七七四年 | URL | -

    ※10
    そうだと思うよ
    今川の時も、義元死後もしばらくは今川方として戦い続け、氏真に義元の仇を討つよう要請し続けているし
    織田は家中が挙って秀吉になびく中で、のぶおの要請に従って挙兵してみせた
    なんやかんや言われがちだが、秀頼に対しても元主家筋に対するそれなりの敬意をもって遇してたしね
    (言っちゃなんだが、贔屓目抜きにも三法師に対する秀吉の扱いとはエラい違い)

    そういやなんやかんやで、氏真ものぶおもそれなりに遇してもらってるんだよな
    氏真は結局死ぬまで面倒見てもらってるし、まぁ律儀っちゃ確かに律儀だよなぁ

  13. 人間七七四年 | URL | -

    信長亡き後の織田家で出世できるか考えたら合理的だろう。
    織田家を支えた明智、柴田、滝川は秀吉に蹴散らされ、
    丹羽、蒲生、細川は秀吉方、佐々は北に押し込められ前田が張り付いてる。

    一門衆は、斎藤は本能寺後に病死、
    信忠に従い何人か討ち死に済み。
    残ったのは、身内同士で争い勢力衰退させる出涸らしみたいなもの。

    自分が長可なら森家の事考えたら、秀吉方につきたいね。
    徳川から誘いがあっても、勢力差があり過ぎでちょっと不安。

    関係ないが森隊と池田隊だけなら奇襲は成功したんかな?

  14. 人間七七四年 | URL | JalddpaA

    森家は評議制だったのか
    なんか独裁っぽいイメージがあったからちょっと新鮮

  15. 人間七七四年 | URL | -

    森氏って、仮になんちゃってにしても河内源氏。
    戦争になると血が滾るだけで、それ以外はいたって高潔wなノリなんじゃね?
    家老なんて、かがみだっけか?甲斐源氏の読みだし。
    無駄に、死なない。
    冷徹に、天下を狙ってたのかも?
    幽斎公をヒャッハーにしたような存在が長可公だったんじゃね

  16.   | URL | -

    ※15
    ヒャッハーする幽斎を想像してふいたわwwww
    でもそういう父なら、意外と親子仲がうまくいったような気もする。

  17. 人間七七四年 | URL | -

    普通に戦国武将らしい合理的な考えで有って、悪いとは思いません。

    ちょっとお尋ねしたいのですが、本当に森家(家臣も含め)ゴロツキ・
    チンピラ集団だったのですか?ただ単に武功が著しい人達と言う意味
    じゃ無く、本物と言う事ですか?それとも揶揄?

  18. 人間七七四年 | URL | -

    んー、なんか初めから「DQN集団」って色眼鏡でみてる感じがして好きじゃないなあ。
    逸話自体の良し悪しよりも、書き手の悪さが出た感じ。
    戦国時代って多かれ少なかれこうだったんじゃないか?
    「家」を守るというのはそういうことでしょ?

  19. 人間七七四年 | URL | -

    この森家の戦況の判断能力の鋭さ何?w
    いや信雄氏がそれだけナンだったのかもしれないが。

  20. 人間七七四年 | URL | -

    この頃の森家には、各務兵庫や大塚丹波といった優れた家臣たちも大勢いるからな。
    鬼武蔵が暴れまわれたのも彼等がいたからというのもあるし。

  21.   | URL | -

    鬼武蔵や政宗をDQNってからかって楽しんでるけど、今のDQNとは全然違うし
    いわゆる知識階級というか、今でいうところの文化人みたいなものだからなあ。
    実際芸術家とかには変人が多かったりするけど、そういうのに近いと思う。

  22. 人間七七四年 | URL | -

    憎たらしいDQN と言うより清々しくて愛せるDQN達 だな

  23. 人間七七四年 | URL | -

    自分としては「愛せる」というより、「乱世に合っていた武将」という印象かな。
    森家の逸話には血なまぐさいものが多いから、冗談めかした語り口にしないと
    ただただ酸鼻なものになってしまう気がする。(特に信濃攻めと撤退時の話)

    でも、ひたすら残酷な話を読んでみたいとも思うかな。怖いもの見たさ的な意味で。

  24. 人間七七四年 | URL | -

    ちゃんと織田家と秀吉の争いという見方をされてるのか
    家康が担いだ意味は本当にあったんだな

  25. 人間七七四年 | URL | -

    誰でも佳い、

    誰でも佳いから>>661の命を張った渾身のボケにツッコんでやれよ・・・かえーそーだろ・・・

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