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遠州久野城の談合顛末

2012年02月03日 21:57

940 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/02/03(金) 03:52:14.94 ID:8HE5RLeU
永禄12年正月
徳川家康は今川氏真らの籠もる遠州掛川城を攻めるため出陣した。

この時遠州の久野一族は、先に今川から家康に寝返っていたのだが、その本拠地
久野城に一族のうち、久野佐渡守宗憲、同日向守宗成、同淡路守宗益、本間十郎衛門
といった面々が集まり集まり談合をしていた。

「家康が掛川城を攻めるというが、かの城は簡単に落ちるようなものではない。
そこでだ、我々は対徳川の一揆を起こさせ、城攻めをしている徳川軍の後ろを襲い、
家康を討取り氏真への忠節を尽くし、その褒美として遠州一国を拝領し、徳川の本拠である
三河岡崎までも攻め取ろうではないか!」

彼らはそう結論し、それを久野一門の大将である三郎左衛門(久野宗能)に伝えた。

三郎左衛門はこれを聞くとしばらく思案し、その上で彼らに語った

「なるほど尤もである。方々の意見は戦略として大変よろしいものだと、私も考える。
だが、そうではあっても、だ

我々は去年氏真に背き、家康に臣従し、誓紙を交わしたばかりではないか。
その舌の根も乾かぬうちから、この事を無かった事にし家康を裏切り、
それによって立身するという。これは侍の本意ではあり得まい。

左様な非道の立身は、どうやっても叶わぬものであると、私は聞いている。
例え一旦は目的を遂げることができたとしても、それ自体が既に家を滅ぼす端相であるとも云う。

そもそも私は、譜代の主である今川家を捨て家康に付いた事からして口惜しいと
感じていたのだ。その上さらに、新たに主とした人を殺すなど、更に思いもよらぬ
事である!」

三郎左衛門はこう言って彼らの考えに真正面から反対した。
これに先の談合に加わった面々は激怒し、再び集まり「この上は三郎左衛門を排除し
新たに淡路守(宗益)を大将に立てよう!」などと言い出した。

ところがこのような事態の加熱に佐渡守宗憲、本間十郎衛門はついていけず、
反徳川派を裏切りこの事を三郎左衛門に伝えた。

これを聞いた三郎左衛門は大いに驚き、家康に報告、家康は直ぐに軍勢を派遣し
三郎左衛門はその三河衆を久野城本丸に引き入れ、自身は二の丸に退いた。

これにより久野城の反家康派は尽く退治されたという。
(松平記)




941 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/02/03(金) 17:56:58.65 ID:RpYMFeIB
どこも大変やのー

942 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/02/03(金) 18:22:25.51 ID:ZzgNgMiO
真田パパン「戦国で生き残るのは大変でござる」


943 名前:人間七七四年[] 投稿日:2012/02/03(金) 19:22:11.00 ID:KhHM/lBA
宗茂「なあに仁義忠を弁え智勇を発揮すれば乱世といえど生き死には思いのままでござるよ」

944 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/02/03(金) 19:23:03.76 ID:aJSMlLk3
嫁さんには通用しなかったなぁ
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    こういう大名同士が戦ってる地域の国衆ってどっちにつくかでもめて、大名の支援を得て
    相手を排除した上で臣従、って結構多いよな。そう考えると兄2人が討死した後、
    別の家を継いでる状態から相続したのに、表裏比興をやってもこういう騒動が起きなかった
    昌幸は本当にすごかったんだな。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    弾正「そんなもん無理矢理巻き込んで強引に裏切らせればいいのに・・・見てるこっちがいらいらするわ!」

  3. 人間七七四年 | URL | -

    やっていることが田舎臭いというか…
    欲望に忠実すぎて、自分達がどういう目で見られるか全く頭にないな
    戦国大名ってのはこういう輩をまとめ上げなきゃいけないんだなぁ

  4. 人間七七四年 | URL | -

    まさに苦悩死だな

  5. 人間七七四年 | URL | -

    治療法はあった、灸や

  6. 人間七七四年 | URL | -

    能登畠山も上杉派と織田派で揉めたよね

  7. 人間七七四年 | URL | -

    こんなだから、今川旧臣は譜代なのに待遇悪いんだな。

  8. 人間七七四年 | URL | -

    待遇悪すぎて、くやしー

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