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母里太兵衛、酒は飲め飲め飲む酒は・いい話

2008年11月28日 00:07

777 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2008/11/27(木) 00:41:15 ID:KlC+SqFo
めちゃめちゃ有名な話だけど、まだ出ていなかったので投下してみる


ある時黒田長政が、福島正則の下に、家臣、母里太兵衛を使者に出すことにした。

が、福島正則といえば有名な酒豪。また母里太兵衛も黒田家屈指の酒飲みであり、
太兵衛が酒で役目をしくじる事を心配した長政は、
「正則から酒を進められても、決して飲まぬ事」と禁酒を厳命し送り出した。

さて、太兵衛が福島正則の下に赴くと、案の定、朝から酒宴を張っている。
彼は太兵衛の到着を喜び、「用件は後でよい、先ずは一杯」と、酒をなみなみと注いだ大杯を
進めてきた。酒好きの太兵衛、これにはグラリと来たが、主君の厳命がある、飲めない。

「そ、それがし酒は無調法でして、どうかご容赦を…」

しかしそこは酔っ払っている正則。聞きゃあしない。
「良いから飲め!そちがこれを飲み干せば、望みの物を何でも取らせようぞ!」
「いやしかし、主君からも酒は飲むなと…。」

こういわれると正則はエスカレートしてくる。酔っ払っているだけにノンストップだ。

「わしの酒が飲めないとあれば!お主の口を割ってでも飲ませようぞ!」
「例え八つ裂きにされても飲め申せず!」

すると正則、突然大笑し
「天下に名の知れた母里太兵衛ですら、たかが一杯の酒に後ろを見せるとは、
黒田家は腰抜け侍ばかりの、豆腐同然の骨も筋もない、弱虫藩じゃのう!」

ここまで言われては武士の面目にかかわる。ついに太兵衛は承知する。

「ところで先ほどの、これを飲み干せば望みの物を何でも取らせるとの仰せ、
よもやお間違いはありませぬな?」

正則はいい気になっている「おお、勿論じゃ!」

すると太兵衛は朱塗りの、直径一尺(約30cm)の大杯に並々と注がれた酒を、
立て続けに三杯飲み干した。
そしてうろたえる正則から、福島家秘蔵の品、名槍・日本号を取上げた。

太兵衛はこの槍をかつぎ、黒田藩歌「筑前今様」を吟じながら、悠々と帰っていったという。


黒田節として今に伝わる、母里太兵衛日本号を頂くの一席ににて候。


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