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黒田如水は世捨て人のようであった。が

2012年08月13日 20:58

953 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/13(月) 14:48:54.75 ID:HF7C+RxT
関ヶ原の後、黒田如水は筑前においては世捨て人のようであった。
全く浮世を捨て切ったと言って、召し使っていた侍たちも筑前守(長政))に揃えて渡した。
その時、無足者(知行を持たない家臣)のうち確かな者には知行をこれだけ、知行を与えるほどではない
者には扶持・切米をどれだけ、知行を取っている者には相応に加増を取らせ、その者たちを
安堵させるようにして、如水自身は知行も家臣もいらない、と言い渡した。

ところで如水の弟に黒田養心という人が居た。養心は病弱で役に立つような人ではなかったので
2千石で召し置かれていたのだが、この養心に1万石を取らせ、宗像郡のうち津屋崎という所、
ここは城はないが要害だというのでこの場所に置き、如水もこの近所に小屋同然の家を作らせ、
小姓など知行取り10人ほど、徒者少々にてそこに暮らしていた。
それから博多においては、博多町屋敷の空き地に、表向きは町家に拵えた屋敷を造り、
いかにも逼塞の体に、殊勝に見せていた。

さてさて、そのころ如水は太宰府天神信仰の体にて、時折太宰府まで出かけていたが、そのあたりの山陰、
いかにも閑静な山中に茶屋を造り、その近辺、あの藪の中、この森の陰と屋敷を造らせ、
ここに屈強の侍60余騎を置いた。
さらに牢人衆を町中に住まわせ、彼らを商売人に紛れさせた。

また馬敷という深山からは材木が採れた。如水は、ここは涼しい山中であり、また中間どもに
材木を採らせるためとしてこの山中に小屋を掛け、定番だのなんだのと名目を付けて侍どもを
隠し置きいた。

さらに博多の町外れに広い空き地があるのを見つけると、如水は長政に、鷹師どもをここに置くようにと
指図した。これに長政は
「その場所は城から1里ばかりも離れていて不自由な場所です。鷹師であればもっと近くに置きましょう」
と反対したが、如水は

「悪いようにはせぬ!とにかく私のいう通りにしろ!」

こう頻りに言ってきたので致し方なくそこに鷹師を置くようにすると、それに紛らわして
家来も馬も持っていないような小知行の者たちに

「人も要らず、まして馬も無用である!家をあの地に、町家のようにして造れ!」

そのように申し付けた。この下知に従い、指図通りに、この小知行の者たちを
町人とも鷹師とも解らないような体で召し置き、牢人も少々紛らわせた。

この他、ここの新田・あそこの山守などと名づけ、あるいは牢人のようにして人を置き、
突然の合戦などで人が必要な時は、いつでも騎馬の侍200騎余りが確かな者たちを引き連れて
集結するようにしていた。
それなのに普段は人も持たず、逼塞一遍の体で居たのだ。全く恐ろしい覚悟である。

ある者の言う、奮馬は死するまでと言うのは、この様なことを言うのだろう。

(古郷物語)




954 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/13(月) 16:14:02.27 ID:EBJkiDF+
なんかワイマール共和国時代のドイツ軍みたいなことやってんな

955 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/13(月) 16:33:14.14 ID:W6MJCntJ
筑前の世捨て人
「愚息め、せっかくの好機であったものを…いいこと考えた!
百万石あれば天下を取れると太閤のお墨付きをいただいておるこの如水ならば
半分の五十万石もあればたちまち天下の半分を切り取ってみせるであろう
然る後内府と天下分け目の大いくさを行い是を打ち破れば宿願の天下も夢ではない!
都合よく目の前に五十二万石の領地が広がっておるグフフ」

956 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/13(月) 19:09:56.89 ID:ER4+IZgZ
あんまり悪い話に見えないな
本気で隠居もするけど、備えも細やかにきっちりしておく
いかにも知恵者らしい如才ない話

958 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/13(月) 19:44:30.33 ID:VsMs2P86
>>956
死去が1604年だからまだまだ油断出来ない時期の話だもんな
で、なんか問題になったら「隠居が勝手にやってたんです、ほらあんな人ですしー(棒)」
てすっとぼけられる配慮までしたものと思われる
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    ただ兵を置くだけじゃなく、諜報や産業につないでるのがにくい。
    あとは有事があるかどうか。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    底知れない怖さを感じるのだが

  3. 人間七七四年 | URL | -

    955みたいな考え方をする輩ならば百万石あってもむりだろうな

  4. 人間七七四年 | URL | -

    もう大いくさはないと判断して防衛のために国内にネットワークを張り巡らせるとか、
    何やらせても相変わらず知恵者だわ。大阪城もこの人の縄張りだったんだっけ?

  5. 人間七七四年 | URL | -

    >>955

    なんかこの人こわい。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    びっこだというのにフットワークの軽いご隠居様だ
    常にこれくらいの原動力が欲しいし、あやかりたいものだなあ

  7. 人間七七四年 | URL | -

    しかしまぁ、ある意味「戦国脳」だよなぁw

  8. 人間七七四年 | URL | -

    955はまーくん

  9. 人間七七四年 | URL | -

    955が、何を言ってるのか良く分からない・・・。

  10. 人間七七四年 | URL | -

    『城井一族の殉節』と『西の関ヶ原(悪名の旗)』を呼んでから赤合子に人間的には良いイメージがない。まあ人間的に良いなんて甘いこと言うようじゃ大物にはなれんのかねえ。

  11. 人間七七四年 | URL | -

    米10
    武将のどの側面を見てるかってだけの話。
    如水が家臣から慕われてたのは周知だけど、逆に敵対した連中から見たら悪鬼そのものだろ。

  12. 人間七七四年 | URL | -

    そりゃ、負けた側を主人公にした小説読めば敵役はそう描かれてるわな
    城井の謀殺の策はやった側も後悔するような物だったがそもそも加増転封を
    拒否して反乱したのが悪い。
    田原紹忍主人公は、、、作者も美化するの大変だったろうなあ、とw

  13. 人間七七四年 | URL | -

    >加増転封を拒否して反乱したのが悪い
    それだって君から見たらそうなんだろ?
    向こうからしてみれば、先祖伝来の土地
    を奪われる訳だから、そりゃ抵抗の一つ
    もするだろうよ。悪いと一方的に見る事
    も所詮は結果論。

    勿論、結果的に家を潰しちゃったと言う
    責任は、当然発生するけどね。

  14. 人間七七四年 | URL | -

    >「隠居が勝手にやってたんです、ほらあんな人ですしー(棒)」
    これがすごい説得力だよなwww
    実際、誰が見ても「官兵衛らしい話だ」としか思えないし。

  15. 人間七七四年 | URL | -

    >それだって君から見たらそうなんだろ?
    向こうからしてみれば、先祖伝来の土地
    を奪われる訳だから、そりゃ抵抗の一つ
    もするだろうよ。悪いと一方的に見る事
    も所詮は結果論。

    宇都宮も元々よそもん。何が先祖伝来の土地だ

  16. 人間七七四年 | URL | -

    ※15
    平安時代からずっと居座ってるよそ者かー、すごいなー

  17. 人間七七四年 | URL | -

    貝原益軒の筑前国続風土記とかを読み込んだら、官兵衛が作った村とかわかるんかな?

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