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戸次道雪が常々言っていた事に

2012年08月15日 20:53

79 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/15(水) 09:06:30.60 ID:/k4Ik1zx
戸次道雪が常々言っていた事に

「侍に臆病な者はいないと確信している。もしそういう者が居たら、それはその当人の科ではなく、その主人の
使い方が悪いためである。悪しき主人を頼んだばかりに、惜しいかな侍を捨ててしまったのだ。
どうしてそんな事が言えるのかといえば、私に従ってくれている者たち(申合わせ候衆)は、侍身分は申すに及ばず、
中間・小者に至るまで度々手柄を立てない、という事は無いからなのだ。
他家において臆病の名高き者たちよ、かわいそうに、私のもとに参るが良い。私のもとで指導してみたいものだ。
仮に一度目は悪くても、二度目には必ず手柄を立てさせるだろう。」

実際に道雪のこの広言に違わず、道雪の配下に度々手柄を立てないような者はいなかった。

道雪がある時、とある若き者が初陣の合戦で遅れを取ったという悪口を言われている、と聞くと、彼を近くに召し寄せ

「其の方は昨日の合戦で些か遅れを取ったようだが、武辺の事は、そういう事が有るものなのだ。それは
全く以て臆病だからではない。出来・不出来・明・塞があるのが武辺なのだ。
特に其方が臆病でないことは、私は老巧でな、能く解っている。

さあ、明日にもまた合戦がある。其方、人に煽られて粗忽の働きをして、討ち死にしてはいかんぞ!
それはこの道雪に対し、最大の不忠である!
身を全うして敵を討つ分別こそ肝要なのだ。お前のような者たちが従ってくれるからこそ、この老いぼれも
口をきけるのだよ。偏に頼み入るぞ。」

その様なことをいかにも親しく、懇ろに申し聞かし、酒など飲ませ、自身の喉輪か脇引きといった小具足を取らせた。

次に合戦のあった時、この若者は火の散るほどの働きをした。そこで道雪は彼を大勢の前に呼び出し

「この者を見よ!お前たち、この道雪が見損じることはなかったぞ!
困ったことには、この者は逸り過ぎて討ち死にしてしまうのではないかと、片面では悔やんでいたのだ。
この者は今、牙に血をつけ面白く嬉しく、また思ったよりも武功を立てるのは簡単だと思っているだろう。
こういった若者が、これから次第に経験も重なり、この道雪の家において5人7人を争う武者になることも多いのだぞ。」

と、褒め称えた。

また道雪が平時に侍を召し使っている時、客人が訪問して、その侍に大いなる仕損じがあった。
普通の主人ならばしたたかに叱りつけるか、又は追放するほどの不調法をした時、道雪は打ち笑って

「御覧になって下さい、私に従ってくれている者たちはいずれも無調法にてなんとも困ったものなのですが、
こういう事になった時には、いつでも火花が散るのですよ。」

そう言って槍を繰り出す真似をした。客はこれを見て、「侍にとってそれより他に、何が必要でしょうか?」と
深く感じ入った。
無調法をした侍は、これによって当座の恥をすすぎ、かたじけなく思い涙を流した。
(古郷物語)

戸次道雪の人使いについての逸話である。






関連
立花道雪と家臣の使い方・いい話
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-245.html
立花道雪の主従・いい話
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-107.html

80 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/15(水) 11:50:10.49 ID:8nFl45AV
>>79
その逸話 イイネと!君は言ったけど
三つまとめて 既出記念日
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    既出の記事と併せて観たが
    理想の上司ですな、素晴らしい。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    何度読んでも素敵なのが道雪さん

  3. 人間七七四年 | URL | -

    実物と比べると、殿いつの道雪はスパルタ過ぎるなW

  4. 人間七七四年 | URL | -

    確かに非の打ち所のない素晴らしい上司だけど
    中国の逸話で同じように部下に優しく素晴らしい将軍に部下の兵士の母が
    「あなたが素晴らしい武将であるが故に息子は命を投げ出して戦ってしまうのです」
    と言って泣いた話を思い出した。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    こんな義父の元で育ってるんだからあんな息子になるのも当然なのかもな



    ギンチヨッテダレデスカキコエナイ

  6. 人間七七四年 | URL | -

    これベッキーがスパルタ過ぎるから配下が死兵にならざるをえないってだけの話なんじゃ……?

  7. 人間七七四年 | URL | -

    最強の軍隊はアメリカ人の士官とドイツ人の下士官と日本人の兵士

    なんていうくらい日本は現場の人は優秀でも責任者が無為無策無責任なのが伝統的欠点だけど、末期の大友家がまったくそれ。雷神様・完璧超人・天正の楠木とか現場クラスは人がいるのに上がダメ。そもそも耳川の責任を現地指揮官の紹忍にお仕着せて宗麟にも義統にもなんら反省改善の色がない。

    耳川は元から戦略に無理があったとはいえ、惨敗の原因は宗麟の責任放棄だと思うんだがな。紹忍個人の指揮っぷり(特に撤退戦)はむしろ島津側から賞賛されてるんだけどねえ…

    戦略練るべき立場の人間が調整に終始して戦略性がないから、有事には責任放棄して現場指揮官に丸投げして、失敗したら現場の責任にして逃げる。奇しくも70年前の敗戦と同じだ。

  8. 人間七七四年 | URL | -

    既出ではあるけれど、詳しく書いてあるし
    何度でも聞きたい良い話

  9. 人間七七四年 | URL | gw3CiMFk

    確かに何度も読んだ話ではあるけど
    何故道雪公や紹運公はこれほど格好良いのだろうか…。

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