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北松斎(北信愛)と奴踊りの始まり

2012年08月18日 20:51

北信愛   
117 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/17(金) 22:12:40.86 ID:m9sndWvf
本日北松斎公400年忌

北松斎(北信愛)と奴踊りの始まり

慶長6年4月26日、伊達に支援された和賀忠親の篭る岩崎城を陥落させた南部軍は、
戦勝に喜びながらもさすがに疲れた様子で、岩崎街道を花巻へと帰還していた。
既に時間も遅く、空には夜闇が立ち込め、兵達は煌煌と灯るたいまつを手に列を作って粛々と行進した。

そして南城というところにさしかかった頃、東の北上山地から光り輝く月が顔をのぞかせた。
北上川は月の光りを映して銀色にさざめき、街道の松の向こうには花巻城のいらかが見える。

先頭を歩む隊長は、自分と馬の影がくっきりと映るほどの、松明もいらないほどの明るさに興が乗り、
部下達に松明を捨てさせ、そしてそれを踏み消させながら朗々と馬上で歌いだした。
つられた士卒たちもこれを真似て歌いだした。

  地こぶのてっぺんから
  星の親玉顔出して
  火事の卵をがちゃりと踏んごわした

地こぶとは土のこぶ、すなわち山のこと。星の親玉とは月。火事の卵とは松明のあかりのこと。
そして火事の卵とは、和賀稗貫領でくすぶっていた和賀一党の反乱のことで、その光を星の親玉――北信愛がうち消した、という歌なのだ。
将士はこの歌をすっかりと覚えこんで、歌に合わせてだれともなく両手を動かし、左右に足さばきをつけて踊りながら歩いた。
これが今に続く奴踊りの一番歌、その元歌とされている。

その後時を経て、花巻にある観音寺の祭礼の際、城中の若侍たちが唐竹で大きな鯨をこしらえ、これを車に乗せて町を練り歩いた。
その山車は評判となり、松斎の耳にも届き、これを見物してすこぶる上機嫌となり、若侍たちに酒をふるまった。
若侍たちは酒興に乗り、例の歌を北松斎の前で歌い踊った。

松斎は大変喜び
「気味のいい歌だ、もっとつづけよ」
とほめそやし、さらに勢いづいた若侍たちは縁側にかけてあった大うちわを手に取り、それをかざして踊りまわった。
これが、にないもの奴踊りの始まりだという。




118 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/17(金) 22:24:13.36 ID:yREJO4JG
戦国の頃は武士も領民も芸達者が多いようで宴会芸を一つも持っていない俺としては羨ましい

119 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/08/17(金) 22:46:03.49 ID:s9xZ4BTH
では一つ某がエビ掬いをば…
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    酒井さん・・

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