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松倉重政、私曲の臣を誅する

2012年09月05日 20:41

311 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/04(火) 20:57:35.59 ID:Farc1UBF
松倉重政の足軽頭に松田権六と言う者が居た。
この権六は重政がその当時城内に作っていた庭園の奉行で合ったが、彼はこの奉行において不正を行い、
部下の俸禄を掠め取り、彼らに正統な報酬を与えなかった。
重政はこのことを知り、権六を甚だしく憎んだ。

ある日、重政は造営中の庭園に出てきた。これを松田権六と、同役であった従兄弟である松田兵右衛門が出迎え、
重政の前に平伏した。
重政は何も言わず、懐中より訴状を出し

「権六、これを読め」

と言って投げ与えた。権六は何もわからすそれを拾い開くと、そこには自分の行った悪事の数々が並べ挙げてあった。
重政はじっと見て

「汝権六、私曲なくばその旨を陳ぜよ。」

権六は答えた
「も、もとより私にも陳述すべき事はあります!されどいかに君命とは申しながら、これは余りにも片落ちなる事では
ありませんか!先ずこの讒言を行ったものを糺してください。私はその後に陳述いたします!」

これに重政は冷たく
「汝、陳述するべき事がないのなら、今ここにて腹を斬れ。陳述すべき事があるのなら、私自ら、親しく聞いてやる。
汝が果たして罪がないという事を聞き得れば、そこで讒者を殺して、汝に謝罪しよう。
であれば今、讒者を糺す必要はない。」

権六は窮した
「…これはなんとも無理な仰せですが、腹を斬れとのの上意であるのなら斬りも致します。
されども、士たる者の死ぬのに、どうして犬猫のように扱われるのでしょうか?
願わくば沐浴の時間を賜り、そして検使をも受けて、その上で切腹をさせて下さい。」

すると、重政は刀に手をかけさらに冷たく
「汝は自らを犬猫にしてしまったのだ。ならばどうして犬猫のように死ぬのを嫌がるのか?
検使は私である。さあ、未だ遅らせようというのなら手討ちにいたす!」
そう、怒りに満ちた目で睨みつけた。

権六も、この上は是非に及ばずとついに観念し、短刀を引き抜くと逆手に握って自ら腹を掻っ切る。
そこに重政は兵右衛門に介錯をさせて帰っていった。

老臣達はこの事を知ると口々に重政を諌めた。「大名の御身として御仕置、あまりにも軽々しく思われます!」
これに重政は苦笑しつつ

「松田権六は勇士であった。仕手を遣わして放ち討ちにしても、容易には討たれるような者ではない。
また、もしあ奴が事前にこれを悟って己の自宅に立て篭もれば、人多く損なう事になったであろう。
私はそうなることを懸念して、つい若気を出してしまったのだ。
汝らの諫言は誠に理にかなったものだ。」

そう言って奥へと下がっていったという。
(日本武美譚)

松倉重政、私曲の臣を誅する、というお話。




312 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/04(火) 21:13:18.69 ID:pnouzQKh
>>311
悪いという程の話でも無いような、と思ったら…

松倉重政

島原の乱の遠因を作った御仁だ…。
これは肥前日野江に移封する以前の逸話なのかな?

313 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/04(火) 23:40:01.82 ID:/HwqI+Sy
重政の美談なんて初めて見た

314 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/05(水) 00:33:43.66 ID:TjZCv7He
意外な一面
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    一見いい逸話に見える反面人情味に欠ける苛烈な性格の一端は感じるな。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    >313
    松倉って、確か島原の前の領地では結構善政敷いてたんじゃなかった?
    島原での苛政っぷりやその結果の島原の乱については弁護しきれないけど

  3. 人間七七四年 | URL | -

    大和五條時代は名君だったらしいけどね。

  4. 人間七七四年 | URL | -

    能力はあるし、先を見越せるし、筋を通す人なんだろうけど、情が決定的にかけてる人なんだなぁと

  5. 人間七七四年 | URL | -

    松倉重信の話じゃなくて重政の話か。どこでどう間違えていったんだろう

  6. 人間七七四年 | URL | -

    寵臣の言に左右され、物事を自らの意志で判断出来ない人物の一端が表れただけじゃね?
    武勇の誉高き(仕手を繰り出しても犠牲云々の話からすると)臣を讒言に惑わされて切っただけかもよ

  7. 人間七七四年 | URL | -

    普通に、悪事を働いた家臣を誅した主君の逸話だったと思います。
    庭で仕事している状態なら逃亡も制限できるし、まさか行き成り
    行状を正されるとは思わないと思う。
    悪事を働いたとは言え、実力を認めて他人に討たれるより切腹の
    道を選ばせてあげた所も含めて、良い逸話だったと思う。

  8. 人間七七四年 | URL | -

    >米6
    >物事を自らの意志で判断出来ない人物の一端
    不正を働いている事を許せないから、自ら切腹を言い渡したのでは?

    >讒言に惑わされて切っただけかもよ
    「部下の俸禄を掠め取り、彼らに正統な報酬を与えなかった。」
    「自分の行った悪事の数々が並べ挙げてあった」
    と文中に書いて有る以上、彼らが上に陳情を行ったと考えるべきでは?
    しかも、彼は明確に自らの行いと認めている逸話です。
    何処に他の家臣の讒言による間違った判断とあったのか?

  9. 人間七七四年 | URL | -

    不正がばれた代官は切腹するのが当時のトレンド

  10. 人間七七四年 | URL | -

    ※6
    それで家臣が反発したパターンが中村一氏死後の中村家で起こった米子騒動なんだよな

  11. 人間七七四年 | URL | -

    むしろ老臣たちは「勇士を遇するの道を知らない主君」と内心思ったんじゃないのかな

  12. 人間七七四年 | URL | -

    米11
    だとしたら時代遅れな老臣の言を聞かずに正しい判断をしたいい話だな

  13. 人間七七四年 | URL | -

    一方的すぎるやろ。松田は「自分にも言い分はあるが」と断りつつ「君命ならば」腹も切る、と潔い。松田と部下の間でなにかあったんだろうが、それが不正かどうかはこの逸話をみるかぎり判断不能。正直自分には松倉が「筋を通してるつもりだろうが視野が狭く人心を解さず柔軟性が欠如」しており人の上に立つものとしての資質が欠如していると思う。島原の経営に失敗したのもむべなるかな。

  14. 人間七七四年 | URL | -

    色眼鏡がかかってる御仁が多いな。
    逸話にあるのは悪事がバレた男が、弁明できず、切腹に追い込まれたことだけだろ。
    しかも、讒言者を誅したら弁明するなんて言ってる。
    老臣たちが諌めたのは、勇士の前に単独でたてば不測の事態になった時にどうするの?じゃない?

  15. 人間七七四年 | URL | -

    >14さん
    ですよね?なんか今回の逸話と関係の無い事柄を持ちだしてまで非難
    しているってのは、絶対に変ですよ。なんで「自らの悪事」って部分
    をこの人達は無視してるの?

    >13さん
    貴方はもっと良く文を読まれる事をお勧めします。
    島原の乱は関係有りませんので。

  16. 人間七七四年 | URL | -

    暴れん坊将軍や、水戸光圀を思い出した
    成敗ッ!

  17. 人間七七四年 | URL | -

    いや、だから
    悪事かどうかは逸話作者が決めてることじゃん。それに松田さんは讒言者を「糺せ」と言って「誅せ」とは言ってないし。逸話自体が松倉さんサイドから書かれてるから、そこを外して客観的な事実を並べたら、松倉さんが一方の言い分のみに基づいて裁定したってことだと思うんだけど。

    …でもまあ逸話を逸話として素直に受け取らずここまで解釈するのは曲解かもしれんね。気分を害したならごめんなさい。

  18. 人間七七四年 | URL | -

    言うべきことあれば聞いてやるというのは目に入らないんですね。

  19. 人間七七四年 | URL | -

    米17
    悪事かどうかって私曲は悪事だろ。
    老臣も誅殺自体ではなく執行方法が危険だったことを咎めている。
    一方の言い分とはいうが松田は申し開きの機会を与えられたのに何も弁解していない以上、この時代じゃ当たり前の結果。

    勇士であり奉行である松田とその下っ端じゃ、直接対峙すれば松田が勝つ。
    いじめの当事者同士を集めて、いじめの有無を確認するようなもの。

    それと貴方の讒言者という決め付けは松田の言い分を一方的に受け入れた言い掛かりじゃないの?

  20. 人間七七四年 | URL | -

    寵臣が主君を唆してうるさ型の家臣を排除させるってのはよくあるパターン(例:米子騒動)だが、松田の場合は申し開きできない悪事だからこのパターンに当てはまらない。

  21. 人間七七四年 | URL | -

    これやったのが松倉さんでなければみんな素直に受け止めたんじゃね?

    この後あれこれやらかした人物なので、本当はこうだったのかも?て想像するのは自由だし、歴史の面白い部分だよね
    オレなんて、これ読んで本当は島原の民衆の方に何か問題があったんじゃね?とか考えちゃったw

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