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吉川元春の方針、小早川隆景の方針

2012年09月24日 21:46

559 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/23(日) 19:47:54.29 ID:EMkUoTnH
小早川隆景が亡くなった時、その事を吉川広家に知らせに来た林吉兵衛入道梅林と内藤河内守が広家に語った話である。

『これは未だ、吉川元春様が生きておられ、我々と織田信長との和平が敗れ、織田との戦いが続いていた頃のことです。
ある時、元春様より隆景様に、次の合戦におけるご自身の方針の所存を遣いを以ってお伝えなされました。
これを聞いた隆景様は驚かれ

「元春は若武者か、五百三百の侍大将のつもりか!彼の言うような事が出来るわけがない、
こんなものは討ち死にするだけだ!彼はここから一歩も引き下がらず、敵に向かって攻めかけるとのみ言っている!

敵の大将である羽柴秀吉は大敵である。その秀吉との争いで、このように短慮で勇一途を専らにしては、
大敗するのが目に見えておる。このような作戦は、尼子勝久程度の敵に対してするものだ!」

私たちは隆景様の仰ったことを、誠に道理だと思いました。この事は元春様が誤っていると考えたため、
元春様の元に行き、この事を申し上げました。すると元春様は

「隆景ともあろう者が、なんと武道を心得ぬ事を言うものだろうか!
どうして私が秀吉を尼子勝久のような小敵と同じに見て、あの方針案を作るものか!

よいか、勝久のような小敵には、先ず負けぬ工夫をして、よく身を縮こまらせ堅く守る戦をするのだ。
そうすれば所詮相手は小敵であるので、次第に威勢衰えて結局は敗北するのだ。小敵こそ恐れるべきものである。

さて、現在我々は織田信長を敵とし、羽柴秀吉と合戦に及んでおる。
織田は大敵強敵であろ、中でも羽柴秀吉は大勇にして智を兼備した良将である。
彼は天性の大将であり、敵が弱気であると見て取れば、即座に打ち破り、そのまま足を止めず
三ヶ国も五ヶ国も、直ちに押し入るような弓取りである。

例えば、我等が父元就が厳島で陶晴賢を討ち滅ぼした時、家中からは「一両年ほど置き
戦備を整えて山口に攻め入りましょう」との声が上がった。これを聞いた父上は

『元就の弓矢は古風でな、私ならば陶を討ったその勢いに直に乗り山口に攻め入る。
そうすれば大内義長はその年のうちに滅びるだろう。期間を空けるのは、遠慮過ぎたる弓矢の取り様である!』
そう言って批判なされた。

秀吉は元就様のような大不敵の将であり、味方が少しでも弱気を見せれば、その威勢に任せ大軍を以って即時に攻め潰してくる。
この様な大将が、しかも大軍を以って敵対している以上、我々は勇を専らとして何度も攻めかかり、
彼の戦機を奪い動揺させ、十死に一生の戦いを決せんとする体を示すべきだと、私は言ったのだ。

それを小敵などとの戦と同様に考え、危うい戦を謹んで身を大事とのみ心得るのは、敵に威を奪われ
味方は気後れをし、ついには刀を血塗る事すら無く大敗するものである!
大敵を見ても恐れず、勇みたるこそ良きことなのだ。

思い出して欲しい。元就様が尼子を攻めようと出雲に侵入する時は、戦を後にし謀略を先にして、
陣城を築き、当方の安全を第一に考えられた。
ところが陶のような大敵と戦うときには、彼は2万余、我々はわずか三千で対峙し、風雨の中
厳島に渡り千死一生の合戦を挑まれた。
これは我々が規範とすべきことではないのか!?

秀吉のような敵を勝久などに対するように心得、危ない危ないと謹んでいれば、終には
戦わずして大いに敗亡してしまうだろう。
敵によって対応も変化させるべきなのだ。」

この様に承り、我等も愚かながら、これもまた畢竟の道理であると思いました。

いつも元春様のもとに参って仰せを承れば、これは当然の理であると思い、隆景様のもとに参って
仰せを承れば、これもまた至当であると思いました。
どちらのご所存も、一つとして愚かなものはありませんでした。
この様な名将が、今や二人ながらにして亡くなられたことの、なんと嘆かわしいことでしょう。』

秀吉との戦いについて、吉川元春小早川隆景の方針の違い。という逸話である
(陰徳太平記)




561 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/09/24(月) 13:40:04.74 ID:zK088e/x
秀吉をして勇気が足りないと言われる理由がわかるな。
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    智の隆景に武の元春か
    元春が対織田戦でいなかったら、もう2,3カ国分捕られてたかもしれんな

  2. 名前無い | URL | -

    隆元「……私は?私については?」

  3. 人間七七四年 | URL | -

    弟二人がいつもこんな感じでやり合ってたら
    そりゃ隆元兄ちゃんも親父に泣きつきたくなるわな…

  4. 人間七七四年 | URL | -

    勝久さんが二人から罵られてて何だかかわいそう…

  5. 人間七七四年 | URL | -

    四男以下の弟たちはどうだったんだろう。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    確かにどちらも間違えていないが、どっちつかずな所を秀吉に衝かれたんじゃないかな。
    尤も、こういうのは前線の将でなくご当主様が事前に決めとかないといけないよねぇ(チラッ

  7. 人間七七四年 | URL | -

    でも、一旦戦場に出るとやることが逆になっちゃうんだよな、この二人

  8. 人間七七四年 | URL | -

    兄弟でもこんなに違うんだな……てのと、
    たしかに隆元の心労はかさむわ

  9. 人間七七四年 | URL | -

    隆景さんのはじり貧、敵失待ち
    元春さんのは賭博、勝っても負けても大きい
    結果的には隆景さんに軍配というところなんだろうか

  10. 人間七七四年 | URL | -

    家中内の方針の不一致の伝統は次代に受け継がれてしまいましたね

    出てこない長男も含めて、有能さの方向性が違うから面白いです

  11. 人間七七四年 | URL | -

    あまりにも親父が何でも有り過ぎて、確固たる身上が無かったんだろ
    宇喜多さんちみたいに得意技は謀殺ってハッキリしてたら悩むことも無いんだろうけど

    でも、兄弟揉めながらでも安芸?の木っ端国人から大名に上り詰めたって意味で失敗らしい失敗は無かったんだろう

  12. 人間七七四年 | URL | -

    輝元「手間がかかる叔父さん達だお」

  13. 人間七七四年 | URL | -

    元就「さて…儂ならばいかようにしたか、このコメ欄におわす貴殿らにわかるかのう?」

  14. 人間七七四年 | URL | -

    >13
    1 荒木村重辺りと共闘して、逆に摂津くらいまで侵攻してる
    2 1でなくても、宇喜多、南条らに背かれるようなへまをしない
    3 背かれても秀吉に備中辺りまで侵攻されるというへまをしない
    4 実は、本能寺の黒幕
    5 3でなく、また、秀吉が中国地方に入ってきていた場合でも、明智の謀反を察知し、秀吉を  撤退させない

    なんか、戦略級の手段でやってきそう。

  15. 人間七七四年 | URL | -

    とりあえず尼子がなんか可哀想…

  16. 人間七七四年 | URL | -

    ※13
    そもそも織田と敵対するという選択肢を取ってない気がする
    上手く同盟組んで領土維持しつつ筑前をいただくとか

  17. 人間七七四年 | URL | -

    米16
    信長に毛利を大国のままにしておく利点が無い。
    史実で秀吉が求めた5カ国の割譲にサインするんなら別だろうけど。

  18. 人間七七四年 | URL | -

    鞆の浦にいる義昭さんを上手く使ったかも。

  19. ゆとりある名無し | URL | -

    隆景さん、お兄ちゃんたち相手の時だけ「甘やかされて育てられた弟」モードに入ってる気がする。
    ワガママ言ったり、口が悪かったりw

  20. 人間七七四年 | URL | -

    ラスボスって攻城戦得意だけど、機動戦の名手でもあるんだよね。あと、分進合撃による二正面作戦とか、敵本隊を拘束して有力な支隊による迂回作戦とかもかなり好きだよね。
    その観点からみると、元春さんのいう、先手とってイニシアチブを渡さないっていう、いわば攻勢防御の形とるって考えは悪くないと思うね。
    ただ、毛利家にそこまで高度な戦できんの?いろんな意味で。ってなるから、隆景さんの言ってる事も、もっともなんだよねぇ。
    どっちにしろ主将の決断力とか統率力とかが試されるんですけどね!ね!TERUさん!

  21. 人間七七四年 | URL | -

    ※16
    >筑前をいただく

    A. 筑前国を奪取
    B. 筑前守の首をいただく
    C. 筑前守を篭絡して配下に

    正直Cルートはちょっと見てみたい

  22. 人間七七四年 | URL | -

    TERU「言いたいことがあるならはっきり言って欲しいお」

  23. 人間七七四年 | URL | -

    ※21
    D. 筑前(煮)を(おいしく)いただく

  24. 人間七七四年 | URL | -

    人妻を美味しく頂くお

  25. 人間七七四年 | URL | -

    ※24
    TERU「いい加減に人ぎきの悪い言い方はやめて欲しいお!ちゃんと相思相愛の人妻て言ってもらいたいお!」

    隆景「……人妻に手を出したことは否定せんのだな(ビキビキ

    元清「TERU!謝って!早く謝って!ほら!叔父さんに今すぐ謝って!元清叔父さんも一緒に謝ってあげるから!」

  26. 人間七七四年 | URL | -

    ※25
    TERU「ハイハイどうもスイマセンでしたお(AA略)」

  27. 人間七七四年 | URL | -

    毛利さん家ってホント面白いなあ。家族一人一人がキャラ立ってるよねw

  28. 匿名希望 | URL | -

    >>26
    まぁ、そんな態度をとったことは一度もないだろうけどなw
    例外なく「やさしいおじさんとの私室で個人レッスン」が待ってるわけだし

  29. 人間七七四年 | URL | -

    キルヒアイス秀長が居たからなぁ・・・。

    毛利には居なかったんだよな。

  30. 人間七七四年 | URL | -

    ※27
    以前ここの米欄でみた流れのせいで、自分の中ではもう毛利家=磯野(フグ田)家にしか見えなくなってる
    ※28
    隆景様、時々お部屋から断末魔的な何かが聞こえてくるんですが…

  31. 人間七七四年 | URL | -

    ※30
    元就「今帰ったぞ~」
    妙玖「おかえりなさい、あなた(はあと)」
    TERU「お爺ちゃん、おみやげはなんだお?」
    元就「あっと驚くTERUの味方、全自動性欲処理機だよ♪」
    TERU「わ~、ありがとうお爺ちゃん!(誰がんなもん買ってこいっつったんだよ、脳みそまで腐りきったかこのタコがッ!!!)」

  32. 人間七七四年 | URL | -

    ※31
    品がないがワロタw

  33. 中道 | URL | AjAzCFz2

    毛利元就は仲の悪い息子達を城によんだ

    「お前達はなぜそんなに仲が悪いんだ。今日はおまえ達に結束がどれだけ大事か話をしてやろう。

    まずこの一本の矢を折…やめろ!いいか、まずこの一本の…や~め~ろ!

    喧嘩をするんじゃないよまったく…。この一本っちょっやめろ!

    この一…隆元やめなさい!いいかい、いま大事な話を…ちょっおまっや~め~ろ!

    とにかくこの一本のって、こら元春、矢で叩くじゃないよ!隆景も泣くんじゃないよ。

    いいかいこの一本の矢を…やめなさい。こらこらそっちの矢は触るじゃないよ、

    父さんの話しを聴きなさっちょやめなさい!そっちの矢はまだ折るじゃないよ。あっこら

    や~め~ろ」

  34. 人間七七四年 | URL | -

    >28
    TERU「そんなことないお!いつも言ってるお!(心の中でな)」
    天井裏の影(・・・早くご隠居にお知らせせねば!)

  35. 人間七七四年 | URL | -

    亀レス

    尼子sageは、毛利視点だから仕方なさそうだな…

    あと、※33の寸劇は、マンガか映像で一度は見てみたいw

  36. 人間七七四年 | URL | -

    勝久をバカの代名詞みたいに扱ってやるなよw
    ひでえwww

  37. 人間七七四年 | URL | -

    秀吉は天下を取ったが元就以上の勇気と知略を備えてるとは思えんな

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