fc2ブログ

二木勘右衛門の返報

2012年10月07日 19:18

742 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/10/07(日) 11:04:27.91 ID:jYy4TFp5
小笠原秀政の家臣に、鹿島宗全と二木勘右衛門という剛の者があった。

ある時、秀政の屋敷に曲者が入った事があり、秀政はこの鹿島宗全と二木勘右衛門に追わせた。
勘右衛門は秀政秘蔵の布引という馬に乗って追ったが、宗全は徒歩であった。

二木は自分がいち早く曲者を打ちとってくれようと、青麦の畑を真一文字に乗り切ろうとしたが
畑のあぜ道を駆け抜けた宗全のほうが先に曲者に追いつき、たちまちに討ち取った。

そして両名、事の次第を秀政に申し上げる。
まず勘右衛門が出て、

「今度の曲者は、必ず私が討ち取ろうと思っていましたが、宗全に駆け抜けられてしまいました。
彼は馬よりも足が速い。」

これに宗全は

「いやいや、そうではありません。二木殿は青麦の畑を急いで越えられようとして、却って馬の足が
麦にからんで遅くなったのです。どうして私の足が馬に及びましょうか。」

と申し上げた。これに小笠原秀政は「いずれも隠し事のない申し立て、感心である。」と大いに褒めた。
この時二木勘右衛門は鹿島宗全に向かって

「この度のこと、いかにも口惜しい。この返報は戦場で争おう!」

と云った。

さて、この事から程なくして大阪夏の陣となった。
5月17日、鹿島騒然はまっさきに攻めかかり足軽に鉄砲など撃たせていた。ここに二木勘右衛門が現れ

「かねての約束、この場にて争い申すべし!」

そう叫ぶと敵の中に一騎駆け入り、討ち死にした。
これは大阪夏の陣における幕府方最初の討ち死にであったという。

二木勘右衛門の返報、という逸話である。
(武士道美譚)





745 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/10/07(日) 21:29:56.82 ID:RHAQpMf4
畑って結構足取られるよね。
ていうかいつも思うんだけど、何で手柄立ててどやぁ!じゃなくて
討ち死にしてどやぁ!なんだろか。一騎駆けとか普通に死にに行ってないかい?

746 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/10/07(日) 22:04:13.91 ID:dIDunZJl
一番槍も生きて帰ってナンボだが、大坂の役では両軍死にたがり大量発生だな

747 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/10/07(日) 22:05:32.03 ID:XFHCdlP+
小規模な小競り合いが頻発してた時代じゃないから、気合入りすぎてたんだよ

749 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/10/07(日) 23:02:06.03 ID:IpaxRQmO
武士道とは死ぬことと見つけたり、だもんなぁ
死ぬことが身近な戦国武士から見れば「何を普通な事言ってんの?普通じゃない働きが手柄ってもんだろ?」って感じ?
スポンサーサイト





コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    夏の陣、秀政とその嫡男も亡くなり、小笠原隊の混乱ぶりが目に浮かぶ。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    主君秘蔵の馬を駆って、徒に負けて
    己の騎乗の未熟さを恥じる事無く朋輩の足の速さのせいにした?
    これ、手柄を立てた人がフォローしてなかったら、人より遅い馬を秘蔵してた殿様の悪い話になってたよなw

  3. 人間七七四年 | URL | -

    要は諺の「急がば回れ」だね。
    しかし、最後わざわざ一騎駆けする必要性ないよなぁ。
    徒歩武者相手に大人げない気がします。

    >管理人さんへ
    「鹿島騒然」に誤変換されております。変更お願い致します。

  4. 人間七七四年 | URL | -

    ※2さん
    勘右衛門が「馬より早い」と言ったのは、言い訳ではなくて宗全への賞賛でしょう。
    誇張があったから、いやいやそれはこういう訳なんです、と宗全が仔細を語ったわけで。
    秀政が好意的に受け取ってることや、その最後からして、
    勘右衛門が責任転嫁して言い訳するような人物とは思えないです。

  5. 人間七七四年 | URL | aNn4.8kc

    xxxxxx鹿島騒然xxxxxxxx
    え?!
    のおかげで、このエピは脳に刻まれた
    普通に読めば誤変換と分かるので、わざと残しておいてもいいかもと思ったり

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://iiwarui.blog90.fc2.com/tb.php/6865-74f0ac46
この記事へのトラックバック