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気のきいた者が一人もいないから

2012年11月03日 19:36

155 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/03(土) 17:57:03.29 ID:l9wklTSQ
鍋島助右衛門茂治殿の近所の寺で説法会があり、
助右衛門の娘はそれを聴きに出掛け、
そこから若党と駆け落ちした。
いくら探しても、行方がまるでわからなかった。
しばらくしてから肥後藩の家老に妾奉公してるらしいとわかり、
当家より何度か交渉に行ったがなかなか引き渡さない。
そこで、成富兵庫茂安を交渉人として、
加藤清正殿にお目にかかり、

兵庫「助右衛門の娘を渡してください」

清正「鍋島でその娘がなにをしたのか知らぬが、
当家を頼って逃げ込んで来た者だ。
武士として渡すわけにゆかぬ」

といっこうに承知なさらなかった。
兵庫はそこでかたちを改め、

兵庫「朝鮮では当家から御助勢をいたしたことがありました。
そのとき主計頭殿は、礼としてなにかあるときはなんでも協力しようと仰せになられました。
今がそのとき、助右衛門の娘をお渡しください。
それとも朝鮮での一言は無になさいますか」

と詰めよった。

清正「そこまで言われてはやむをえぬ。
身柄は渡すが、命だけは助けてやってくれ」

と折れられたので、仰せを伝えることを約束し、娘を受け取り帰った。
娘は帰国のあと自殺を命じられ、
助右衛門とその子息織部殿は家内不行き届きとして切腹ときまった。(1/2)

156 名前:人間七七四年[] 投稿日:2012/11/03(土) 18:22:51.89 ID:l9wklTSQ
その決定を伝える使者が助右衛門の邸宅に行くと、
助右衛門と織部は碁を打ちながら、

助右衛門「ごもっともな処断。承知いたします。
とりあえず碁の勝負がつくまで、
しばらくご観戦していてください」

と言って顔色ひとつ変えず碁を楽しみ打ち終わった。
そこへ騒ぎを聞きつけた助右衛門の家来十八人が、

「われらも死出の旅へお供いたします」

と駆けつけた。
使者は、その申し出を、

「それはいかがなものか」

とためらったが、助右衛門殿の子息織部殿は、
使者にかまわずさっと庭におり立ち、

織部「覚悟を決めた者どもでございます。
わたしが介錯いたします。」

と言うや、たちまち十八人の首を斬り落とし(超スゴ腕!)、
最後は父子ともども見事な切腹をとげてみせた。
邸内を流れていた川は20人の血で紅に染まったので、
それ以降、人々は血川と呼んだとのことだ。
助右衛門殿の末子二人は乳母たちが抱いて逃げた。
蒲原善右衛門と、蓮池の鍋島又兵衛がそのときの二人である。
織部殿の息子は後に鍋島源右衛門と名乗った。

この事件について直茂公は、

「気のきいた者が一人もいないから惨劇となる」

と、悲しまれたとのことだ。
それは、助右衛門の家をいったん預かりたいと申し出る者がなかったからだという【葉隠】




157 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/03(土) 19:20:57.81 ID:bFvUsayr
>>155,156
んーどこかで見た気がすると思ったら既出だね

鍋島助右衛門の娘の駆け落ち
ttp://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3175.html



158 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/03(土) 19:39:12.16 ID:l9wklTSQ
>>157
あらら、やってしまいましたね、すみません
お詫びとなるかわかりませんが少し付け足すと、
この茂治助右衛門という人は、
逸話中に出てくる朝鮮での加藤清正隊への助太刀の際に、
兄茂正と獅子奮迅の活躍をして、
清正公に大変感謝された武士。
で、この話には異説もあって、
駆け落ちではなく、助太刀に感謝した清正公が、
茂治の娘を肥後藩の家老の嫁として迎える約束を朝鮮の地で茂治と交わし、
そして帰国後、鍋島が代替りして勝茂公が他国との縁組をご法度としたから大変。
清正公と茂治は武士の約束として婚姻を進めて、
そのイザコザからあとは同じような展開に・・・
まあどちらにせよ、いい話ではないけど


159 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/03(土) 19:47:16.66 ID:drdtR/QP
清正の面子丸つぶれどころじゃないなあ

161 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/03(土) 20:06:58.23 ID:l9wklTSQ
自分で書いてて思ったけど、
登場人物全員、国の法も武士の掟も大事にする好人物ばかりなのに、
結果は散々な本当に悪い話だな・・・・
直茂公の言うとおり「気がきかないから」につきるかも
ルールと人情が対立したときの問題はいつも難しい
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    気を利かせて、さっさと娘を死んだことにすればよかったのにね。
    そんな家風ではなさそうだが。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    気を利かせたくても、厄介事を背負い込もうと言う家はそう無いでしょう。
    それに娘さん自身が、最初からそう言った覚悟の元で出て行った気もする。
    何にしても残念な御話でしたね。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    自分が逃げたらどうなるか考えられない娘を持つと二十人死ぬのか
    さすが鍋島、修羅の国

  4. 人間七七四年 | URL | -

    この不自然な改行w
    誰だか丸わかりだよ荒らしクン?www

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