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俺は断じて及ばない

2012年11月14日 19:56

405 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/14(水) 17:39:52.21 ID:zHTQwAwI
道化(道家)清十郎は織田信長に仕え戦ではしばしば功を立てていた。
信長は清十郎の勇を愛し自ら無双の字を背旗に書いて清十郎に与えた。
人はこれに因んで道化を『無双道化』と呼んだ。

ところで信長が招いた美濃の士に平野某という人がいたのだが道化は
彼と親しく交わった。ある時、道化は気軽に「あなたは進めば先頭に立ち、
退けばしんがりを務めるが、どうしてあのようにできるのだ」と尋ねた。

「死を決するのみ。…ではあるが斎藤家の諸将は皆国の為に死んでしまったから
それがしは独り余命を保ってここにいる。結局は勇気が足りないのだ。今あなたの
問を受けて、恥ずかしさのあまり背中にたくさんの汗をかいてしまったよ」

道化は退くと「勇を誇らない平野殿には、俺は断じて及ばないな」と嘆じた。

――『近古史談』

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    葉隠的には…な人?

  2. 人間七七四年 | URL | -

    葉隠そのものだろ。「図に外れて死ねば犬死キチガイ恥にはならず、図に外れて生き長らえるなら腰抜け」と平野さん、山本さんと同じ事言ってるぞ

  3. 人間七七四年 | URL | -

    葉隠れかどうかはともかく、普通に武士の心構えに関しての良い話
    だとは思う。むしろ相手に対して清々しくもある。
    まぁ当時の武士なら、大概こう言う事は感じる部分が有るのでは?

    >道化性
    面白い姓名だったので調べて見たら、道等の地形に由来する名前。
    もしくは。

    (デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説から引用)
    「弘治(こうじ)元年道三の子の義竜は家督争いから父と義絶,みずから剃髪
    し家臣にも命じたが,六郎左衛門は父子いずれにつくかきめられぬとして頭
    半分だけそって出仕した。これが「道化」という言葉のはじまりだという。
    弘治2年2月死去。姓は道化とも。
    (引用終)

  4. 人間七七四年 | URL | -

    道化が道化だったということに気付かされる良い話

  5. 人間七七四年 | URL | -

    道化が道化をバカにしてるよ

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