509 名前:1/2[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 20:02:32.43 ID:/gAGb3HT
永禄9年(1566)の事
成田長泰は71歳の老年と成り、子息氏長が成人したというのに、彼に家督を譲らず、常々色を好み酒に長じ、
城外に別荘を建てて、小筑という女を上方から呼び寄せ寵愛した。
家老や一門の者達、これを諌めたものの聞き入れようとしなかった。まさに老醜である。
このような状況の中
成田長泰に見捨てられた家老
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-7055.html
↑これで危うく見殺しにされかけた豊島美作守は長泰への恨みを忘れておらず、氏長、及びその母に
申し上げることには
「長泰様は老体の御身でありながらあのような無行儀の作法、御一門も他家も、嘲り疎み果てております。
この時に、私は皆々と相談し、大殿を無理に隠居させられるように才覚いたし、若殿を世に立てたいと
考えているのです!」
これに母親も氏長も同意し、豊島の計画に参画した。
そんな陰謀が起こっているとは知らず、成田長泰は梅阿弥という同朋衆一人を共とし、妾の小筑の元へ
出て酒宴していた所、成田一門家中、豊島に賛同し、重臣である小田伊賀守を始め、豊島左馬助、
別府兄弟といった人々は忍城に集結し、成田長泰を城に入れないために門などを皆閉じた。
恐るべき嫌われっぷりである。
帰ってきた成田長泰が見たものは、完全に閉じられ自分を拒絶する忍城であった。
が、この成田長泰は只者ではなかった。
彼は水落の桶が城内に繋がっていることを知っており、特殊部隊のごとくそこに潜りこんだ。
長泰に続いて梅阿弥も桶を潜った。
「大殿が桶をくぐられた!」
510 名前:2/2[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 20:03:08.44 ID:/gAGb3HT
物見の通報によりこれを知った城内の者達は桶の口を固め、三友十兵衛というものが、桶の口で
槍を構え待ち構えた。と、潜ってくる長泰の姿が!十兵衛は一気にこれを突いた!
が!成田長泰は塚原卜伝の第一の弟子であった。彼は兵法の達者であり、桶の口から突かれた槍の刃を、
口で噛み止め受け止めたのだ!
奇妙な手応えに十兵衛、槍を引きぬく。すると
『ズザザザザザザザザ!!! スポッ!』
槍の穂先を咥えて成田長泰が、桶口から引っ張りだされた!槍で大殿を釣ってしまったのだ!
藁で穴の中の土蜘蛛釣り上げたような、あの感じである。まあこっちは釣りたくて釣ったわけではないが。
三友十兵衛はこれに当然ながら驚愕し、さらにその後から梅阿弥も出てくるとその場から逃げ出してしまった。
しかしそれを誰が攻められるだろうか?
成田長泰は、あまりのことに硬直したその場の者達を蹴散らし本丸に入り、息子長氏を発見すると
たちまちに捕らえたちどころに殺そうとする!城内の者達はこの猛獣か悪鬼のような老人(71歳)に
どう対処していいか解らず右往左往し、捕縛された氏長も死ぬ覚悟を決めた。
と、ここで長泰、何故か述懐を始めた
「しかし、氏長がこのように歳たくるまで、家督を渡さないことについて腹立するのは仕方のない事だ。
されども私は、かつて城攻めに失敗した盃尾を攻め落として後に隠居すると心に決めていたのだ。
それがあれこれと引き伸ばしに成り、このような親子の不和になったこと、口惜しき次第である…」
などと嘆きながらやっぱり氏長を殺そうとした、その時!
「まてまてまてー!!!!!」
現れたのは成田家の菩提寺・立圓寺の長老!彼はこの親子の紛争への扱いを入れに来たのである。
長老は先ず(実に賢明なことに)長泰を無理やり引き立て、立圓寺に入れた。そのお供に何故か
今回の陰謀の主犯・豊島美作守まで付き合わされた。お供の者達が「氏長様が御父君に向かって
このような例の少ない反逆を為されるなど、天道に背く行為です!」とさめざめと泣いている中、
長泰は豊島美作守に対し「美作守、お前は嘘泣きしなくていいぞ。この逆心、お前の仕業であろう!」
と言ったとか。
そうしている内に氏長が、やっぱりあんな邪悪な父親は討ち滅ぼさねばならないと軍勢を立圓寺に向けたが、
この時は立圓寺の僧侶たちが皆鉄砲・槍・刀で武装し迎撃の体制をとったため攻めこむことが出来ず、
親子の紛争は降着。ここに小田原の北条氏が介入する動きを見せたことで、成田長泰もここでようやく、
このままでは北条に成田家は併呑されると危機感を覚え、氏長に家督を譲り自らは出家した。
(關侍傳記)
成田家の親子不和、についての逸話である。
511 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 20:18:29.37 ID:eahOQBlN
なるほど、これは落城しない
512 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 21:19:03.07 ID:LWIGGGqm
成田記の姫武者の話もそうだが、成田関連はどうしてこうネジの飛んだ話が多いんだ
513 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 21:20:17.46 ID:7A9ljxOf
なんと言うハッスル爺ちゃん…
517 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 00:36:57.71 ID:FIiRvD43
>>509
素敵な坂東武者ですねえw
518 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 08:32:18.16 ID:XcCkf9pN
>>509
結局、北条が動きを見せたことで隠居したのか
道徳心がとか武士の道がとかそんなのカンケーねぇ!って話だなw
しかも坊主が出てきても話がややこしくなってるだけだし神も仏もねー
519 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 11:30:28.26 ID:A7PgpirE
関東は力が全てよ
520 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 18:55:08.62 ID:sbemlcRK
無刀取りどころか槍を口で受け止める新当流の奥深さに驚嘆したw
533 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 23:34:11.21 ID:EAL7b8Oc
>>520
真剣白歯取り
なんちゃって
永禄9年(1566)の事
成田長泰は71歳の老年と成り、子息氏長が成人したというのに、彼に家督を譲らず、常々色を好み酒に長じ、
城外に別荘を建てて、小筑という女を上方から呼び寄せ寵愛した。
家老や一門の者達、これを諌めたものの聞き入れようとしなかった。まさに老醜である。
このような状況の中
成田長泰に見捨てられた家老
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-7055.html
↑これで危うく見殺しにされかけた豊島美作守は長泰への恨みを忘れておらず、氏長、及びその母に
申し上げることには
「長泰様は老体の御身でありながらあのような無行儀の作法、御一門も他家も、嘲り疎み果てております。
この時に、私は皆々と相談し、大殿を無理に隠居させられるように才覚いたし、若殿を世に立てたいと
考えているのです!」
これに母親も氏長も同意し、豊島の計画に参画した。
そんな陰謀が起こっているとは知らず、成田長泰は梅阿弥という同朋衆一人を共とし、妾の小筑の元へ
出て酒宴していた所、成田一門家中、豊島に賛同し、重臣である小田伊賀守を始め、豊島左馬助、
別府兄弟といった人々は忍城に集結し、成田長泰を城に入れないために門などを皆閉じた。
恐るべき嫌われっぷりである。
帰ってきた成田長泰が見たものは、完全に閉じられ自分を拒絶する忍城であった。
が、この成田長泰は只者ではなかった。
彼は水落の桶が城内に繋がっていることを知っており、特殊部隊のごとくそこに潜りこんだ。
長泰に続いて梅阿弥も桶を潜った。
「大殿が桶をくぐられた!」
510 名前:2/2[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 20:03:08.44 ID:/gAGb3HT
物見の通報によりこれを知った城内の者達は桶の口を固め、三友十兵衛というものが、桶の口で
槍を構え待ち構えた。と、潜ってくる長泰の姿が!十兵衛は一気にこれを突いた!
が!成田長泰は塚原卜伝の第一の弟子であった。彼は兵法の達者であり、桶の口から突かれた槍の刃を、
口で噛み止め受け止めたのだ!
奇妙な手応えに十兵衛、槍を引きぬく。すると
『ズザザザザザザザザ!!! スポッ!』
槍の穂先を咥えて成田長泰が、桶口から引っ張りだされた!槍で大殿を釣ってしまったのだ!
藁で穴の中の土蜘蛛釣り上げたような、あの感じである。まあこっちは釣りたくて釣ったわけではないが。
三友十兵衛はこれに当然ながら驚愕し、さらにその後から梅阿弥も出てくるとその場から逃げ出してしまった。
しかしそれを誰が攻められるだろうか?
成田長泰は、あまりのことに硬直したその場の者達を蹴散らし本丸に入り、息子長氏を発見すると
たちまちに捕らえたちどころに殺そうとする!城内の者達はこの猛獣か悪鬼のような老人(71歳)に
どう対処していいか解らず右往左往し、捕縛された氏長も死ぬ覚悟を決めた。
と、ここで長泰、何故か述懐を始めた
「しかし、氏長がこのように歳たくるまで、家督を渡さないことについて腹立するのは仕方のない事だ。
されども私は、かつて城攻めに失敗した盃尾を攻め落として後に隠居すると心に決めていたのだ。
それがあれこれと引き伸ばしに成り、このような親子の不和になったこと、口惜しき次第である…」
などと嘆きながらやっぱり氏長を殺そうとした、その時!
「まてまてまてー!!!!!」
現れたのは成田家の菩提寺・立圓寺の長老!彼はこの親子の紛争への扱いを入れに来たのである。
長老は先ず(実に賢明なことに)長泰を無理やり引き立て、立圓寺に入れた。そのお供に何故か
今回の陰謀の主犯・豊島美作守まで付き合わされた。お供の者達が「氏長様が御父君に向かって
このような例の少ない反逆を為されるなど、天道に背く行為です!」とさめざめと泣いている中、
長泰は豊島美作守に対し「美作守、お前は嘘泣きしなくていいぞ。この逆心、お前の仕業であろう!」
と言ったとか。
そうしている内に氏長が、やっぱりあんな邪悪な父親は討ち滅ぼさねばならないと軍勢を立圓寺に向けたが、
この時は立圓寺の僧侶たちが皆鉄砲・槍・刀で武装し迎撃の体制をとったため攻めこむことが出来ず、
親子の紛争は降着。ここに小田原の北条氏が介入する動きを見せたことで、成田長泰もここでようやく、
このままでは北条に成田家は併呑されると危機感を覚え、氏長に家督を譲り自らは出家した。
(關侍傳記)
成田家の親子不和、についての逸話である。
511 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 20:18:29.37 ID:eahOQBlN
なるほど、これは落城しない
512 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 21:19:03.07 ID:LWIGGGqm
成田記の姫武者の話もそうだが、成田関連はどうしてこうネジの飛んだ話が多いんだ
513 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/27(火) 21:20:17.46 ID:7A9ljxOf
なんと言うハッスル爺ちゃん…
517 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 00:36:57.71 ID:FIiRvD43
>>509
素敵な坂東武者ですねえw
518 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 08:32:18.16 ID:XcCkf9pN
>>509
結局、北条が動きを見せたことで隠居したのか
道徳心がとか武士の道がとかそんなのカンケーねぇ!って話だなw
しかも坊主が出てきても話がややこしくなってるだけだし神も仏もねー
519 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 11:30:28.26 ID:A7PgpirE
関東は力が全てよ
520 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 18:55:08.62 ID:sbemlcRK
無刀取りどころか槍を口で受け止める新当流の奥深さに驚嘆したw
533 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/11/28(水) 23:34:11.21 ID:EAL7b8Oc
>>520
真剣白歯取り
なんちゃって
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コメント
人間七七四年 | URL | -
老いてもなお盛んと言えば聞こえがいいけど
これは嫌なスーパー爺
( 2012年11月28日 21:12 )
人間七七四年 | URL | -
真槍、白歯取りwww
これだけの事が出来るんだから、71歳で自前の前歯だったんだな
( 2012年11月28日 21:39 )
人間七七四年 | URL | LkZag.iM
なんというジジイだw
烏帽子叩き落とされて謙信から離反した名門くらいの認識だったのにイメージ変わっちゃったよ
( 2012年11月28日 23:08 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
今わかった
石田みっちゃんでは坂東武者は相手が悪すぎた
( 2012年11月28日 23:36 )
人間七七四年 | URL | YqzQT8Bs
※4
忍城に関しては成田記や真書太閤記で相当話を盛ってる可能性が強いけどね。
実際はそもそも水を貯める段階まで工事が進んでなかったとも言うし。
( 2012年11月29日 00:15 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
リアル釣られないクマーだな。
( 2012年11月29日 00:17 )
人間七七四年 | URL | -
ムチャクチャすぎクソワロタw
嘆きながらやっぱり殺そうとするって懐柔になってねぇしww
坊主出てきた意味ないし、ジジィ邪悪過ぎwww
( 2012年11月29日 00:30 )
人間七七四年 | URL | -
実季「長泰たん、隠居したら僕と一緒にお人形を作ろう」
( 2012年11月29日 03:15 )
人間七七四年 | URL | -
卜伝「わし、そんな技教えとらんで」
( 2012年11月29日 07:07 )
人間七七四年 | URL | -
そんな坂東武者でも手が出せない坊主のいる寺ってなあ、怖いわ。
これに比べると、武田信虎は諦めが良かったなあ。
( 2012年11月29日 07:14 )
人間七七四年 | URL | -
妙印尼も篭城戦時は70歳超えてたし坂東の老人コワイw
甲斐姫もこんな血統なら無双伝説あるのも納得だわ。
( 2012年11月29日 08:19 )
人間七七四年 | URL | -
坂東武者=陸戦型モンスター説は何時でも正しいなw
( 2012年11月29日 08:34 )
人間七七四年 | URL | -
槍で刺したとおもって引っ張り出してみたら、
前歯で槍先を咥えた爺さんが出てくるんだろ?
これでびびらないヤツがいるかよw
( 2012年11月29日 16:09 )
人間七七四年 | URL | -
その成田の血筋だが
男系たどると
長尾さん
らしいですよw
なんだ、戦馬鹿の血筋じゃねーか
( 2012年11月29日 20:02 )
人間七七四年 | URL | LMs.iqQA
>>9
氏真「僕は卜伝先生から剣術を通して蹴鞠の真髄を学びました」
( 2012年11月29日 20:18 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
※11
そう考えると、甲斐姫は父方母方の双方から武勇の血を受け継いだサラブレッドだったってことだよな・・・・
伝説扱いの忍城での活躍も、案外ガチだったりして・・・
( 2012年11月29日 22:47 )
人間七七四年 | URL | -
>>533
コータローまかりとおる!を思い出しちゃったじゃないか。
( 2012年11月30日 01:29 )
人間七七四年 | URL | -
強すぎワロタw
もし周りに人居なかければ鶴岡八幡宮で謙信を殴ってたんじゃね?
( 2012年11月30日 01:59 )
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