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彼らの恥は松永の恥だ

2012年12月06日 19:52

664 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/12/05(水) 23:45:34.05 ID:+E8g/w+O
五月三日、五月雨が晴れ間もなく朝から暮れまで降り続け、加茂川・貴布禰川が
一つになって万里小路へ一文字に押しかけ洪水が入り込んだ。洛中はさながら
河原のようになり、訴えがあったので検断人・伊澤新右衛門の同心・岡部忠兵衛が
奉行として普請を務めた。

人々は土俵を築き立てて井関を組み、雲霞の如く南北に馳せ群がって働いていたところ、
ある四十歳ほどの男が精根尽きて、堤の下の柳の陰で東を見渡して伏していた。
これを見つけた岡部は杖で男の背中をひどく突いて「こんなにも皆が隙なく相働き、
休む間もない普請だというのに伏せておるとは物臭き曲者め。とっとと立ち上がれ!」
と、男を睨んだ。

すると男は「今朝より人一倍働きましたので精根尽きて休んでおります。
それを泥杖で突っかかる方こそ曲者じゃ」と言い返した。それを聞いて岡部が
「何という狼藉を言うのだ!」と重ねて杖で打ったが、二打目に男は
腰の一尺と五、六寸の打刀を引き抜き、弓手の脇腹を彼方へ通れと突き刺したので
岡部は二言と言わずに死んでしまった。そして男もまた大肌を脱いで土俵の上に腰掛け、
腹を十文字に切った。

この一件が松永の耳に入り、松永は「日本一の不覚者め。物頭だからと下を侮る者が
必ずこのような怪我をするのは度々の習いだ。同心は自身のせいで、使用人は運が
尽きたためにまったくの犬死をしてしまった」と散々に立腹して伊澤を呼び
「重ねて起こりうることなれば、同心たちによくよく言い付けよ。彼らの恥は松永の恥だ」
と、怒った。

――『室町殿物語』

松永は平蜘蛛の人かな?




667 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/12/06(木) 10:02:17.05 ID:tphg29US
>>664
ふんどし一丁かと思ったら服着て腰に刀挿してたのか

669 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/12/06(木) 21:35:51.97 ID:zpDC8OmD
>>667
俺も思った。身なりの悪そうな奴をなめてかかったのかと思ったら
服着て帯刀してる人間を杖でぶん殴って罵倒したんだな
ブラック企業の上司みたいな奴だな

670 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/12/06(木) 21:48:28.74 ID:FWiPdoP8
当時は百姓町人でもみんな普通に帯刀してて外見の差異はあんまり無いんだよ。
時代劇では身分が分かりやすいように刀差してるのは武士だけになってるけど。

671 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2012/12/06(木) 22:01:51.73 ID:HkcDNvVH
俺もほぼ裸のような格好想像したよ
身分より梅雨時に土木作業で疲れてぶっ倒れてる状況から
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    常に爆薬を携行しろとのお達しが

  2. 人間七七四年 | URL | -

    人を殺害したのでその場で切腹して引責か…
    やっぱこの時代でも人の殺害が肯定されるわけではなかったんだな、どこぞの鬼以外は

  3. 人間七七四年 | URL | m.2.LkcQ

    松永「それから叩いた杖と脇差しは土壁の漆喰に使うからとって置けよ」

  4. 人間七七四年 | URL | -

    ※2
    形式上はそうだろうが、本人の気持ち的には「俺は無実だ!他の奴らに殺されるなんぞ我慢ならん!」て感じじゃないの

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