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二人の義死

2013年03月27日 19:53

75 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:34:52.29 ID:IpqSO+4J
大内義隆の家臣に、宮部久馬介浅茅鹿馬介という、二人の小姓があった。
義隆はこの二人を別して大切にしていたのだが、ある時、とある女中からの支え口(中傷)により、
この鹿馬介を討つようにと、義隆より宮部久馬介に命ぜられた。

宮部は承って自分の宿舎に帰り考えた

「それにしても、なんと黙し難い仰せを被るものだろうか。私は鹿馬介と一緒に奉公仕り、
片時も放れたことはなかった。本当に入魂浅からぬ関係であるのに、彼にこんな事を一言も
知らせずして空しく討ち果ててしまえば、草葉の陰で、自分たちの契りはこんなものではなかったはずだと
どれほど恨むだろうか。

彼に知らせるなら、我も諸共に死ななくては面白くない。どうせここで死ぬのも主のため
なのだから、悪いことではない。」

そう思い定めると、浅茅の部屋へ行き、彼に言った

「私は大変情けなき仰せを被ってここに来た。義隆公より、それがしにあなたを討って来い、との仰せを
受けたのだ。しかし日頃から、親しくしていること他に異なる程の仲であるのに、一言も
あなたに知らせず、空しく討ち果たしては、冥土にて私は必ず恨まれるでしょう。
その上、あなたを討った私のことを、朋輩たちがどのように思うか、如何とも辨え難い。

こうなればあなたと刺し違えて、死出の旅路に赴こうと思う。」

浅茅はこれを聞くと

「さてもさても、日頃から互いをなおざりにしない関係であったのが、今ここに現れたのであろう。
あなたの心底は長く後の世までも忘れてはならない。
そして、かの女中の中傷に対して、真実を主君に申し開きをして死のう、と思ったが、
女を相手に論じても意味があるだろうか。

私は自害をしようと思う。なのであなたには、介錯を頼む。」

宮部はそのように言われて、笑い出して言った

「私の胸中を定めないまま、どうしてこの事をあなたに知らせるでしょうか?
仏神三宝も御照覧あれ!私はあなたとともに、相果てなければならない!」

浅茅、このように言われ「それならば仕方がない。であれば…」と、二人共に思い思いに
その意趣を細々と書き置きし、川の中瀬に行き、二人はしっかりと体を組んで、川の中に飛び込み
立つ白波と消えた。彼らの死を人々はみな、なんと殊勝な義死を遂げたものかと、褒めぬ者は
居なかった。

義隆は彼らの書き置きを見て千悔したが、もはや取り返しのつくことではなかった。
彼は中傷をしていた女を召し出すと、「あの者たちの追善にせよ」と、彼らが入水した中瀬にて
柴漬け(ふしつけ:簀巻きにして水中に投げ入れること)にして水の中に投げ捨てた、
と言われている。
(義殘後覺)




77 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:43:58.53 ID:esRjIJAv
義隆絡みだとどうしても女中が言い寄っても衆道一筋で目もくれなかったので逆恨みとかそういう痴情のもつれとかの想像をしてしまう

79 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 21:38:31.77 ID:q4qhv8R/
>>75
こういう名を重んじる潔さはいいね。

80 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:20:11.63 ID:po4Uwlxd
義隆さんは調べもしないで気分でお裁き

81 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:21:54.59 ID:5gvxey5X
>>75
:::::::::::::::男 は こ            {::::::{
:::::::::::::::坂 て の      _ ,-v   、::::::、
::::::::::::::::を し       _/rァ  ̄ヽn  ヽ::::::ヽ
::::::::::::::::よ な     -こヽ__)ヽ へフ -‐':::::::::::}
::::::::::::::::::  く   /::::::://, 7′:::::::::::::::::::::/
::::_n_  遠   、:::::::::ー' //-‐  ば の よ オ
:::`ニl lニ  い   ヽ::::://\   か ぼ う  レ
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/'´|_|`ニ_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l  だ は く  は
:::::::ノ'r三7/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} か じ
::::::::`フ, 匸/l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  ら め
:::::: ̄´::: ̄´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   な  た


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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    出典はきっと怪談話の類だろうが、何となく気になった。

    きっと大内館での話だと思うけど、身を投げられる川が傍にあったっけ、と。今と昔でまるで違うと思うけど沈めるだけの深さはないかな、と。女中を蓑虫にして放り込んでも生き残れるのでは。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    二人して川に飛び込んで自殺、ってまるで色恋沙汰の果ての心中みたいだな
    主君が主君だし……

  3. 人間七七四年 | URL | -

    二人しっかり体を組んで・・・

    全体的にアレに見えるのは主君のせいだろう

  4. 人間七七四年 | URL | -

    >支え口(中傷)

    ここにけっこう驚いた。
    支えるなんて文字を使うと、
    いいことをしているように見えちゃうよ。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    馬鹿介ではなくてよかった。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    かばのすけ、でいいのかな?

  7. 人間七七四年 | URL | -

    何でこう言う話って良く良く詮議しないで命令しちゃうんだろう?
    その癖最後は後、悔先に立たずな結末なんだよなぁ。
    当時のテンプレなのかな?

  8. 人間七七四年 | URL | SFBGbMyU

    よく詮議した話は盛り上がらなくて後世に残らない
    ってことでは?

  9. 名無しさん@ニュース2ch | URL | -

    死ぬ気になれば盆に水貯めただけでも死ねるっちゃ死ねる

  10. 人間七七四年 | URL | -

    陶「私は殿と心中したかっただけなのに」

  11. 人間七七四年 | URL | -

    元就「そうかそうか。ではワシが後を追わせてやろう」

  12. 人間七七四年 | URL | -

    久馬介と鹿馬介か
    竹馬の友だったんだろうな、名前的に考えて

  13. 人間七七四年 | URL | -

    浅くても身動き取れなくしたら死ぬんじゃないか?

  14. 人間七七四年 | URL | -

    ※1
    大内館跡最寄りの川だけど、昔はよく氾濫して周囲が水に浸かっていた為に後世に掘り下げたという話があるそうです。

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