浅野弾正長政はかつて、柳川に至って立花宗茂の客となった事があった。
この時宗茂は、長政を伴い一日、鷹狩を行った。
ところが田園を探し尽くしても獲物を獲ず、たまたま飛ぶ鴨を見つけても、
鷹は普段は敏捷なこと無双なのに、この時は一羽も捕らえることが出来ず、
宗茂は甚だ不満な有様であった。
帰路、田の畦のはるか向こうに一羽の鴨を見つけると、宗茂は長政に向かって言った
「今日の狩りでは、鷹はその功を奏することができませんでした。
あなたの為に、あの一羽を獲りたいと思います。」
そうして矢を引き絞り、14,5間(約25~27メートル)隔てた鴨に向かって射ると、
一発、直ちにその鴨を斃した。
浅野長政はその妙技に大いに驚いたが、なお一箭を残していた宗茂は、これを弓に当て
従者を呼んで
「鳥はいないか!?鳥はいないか!?お前たちどうして捜さないのだ!?」
そう次の獲物を捜させるが、長政はこれを止めて
「あなたの射術の妙技については、私は既にこれを理解しました。
しかし、もし今一度これを試みて万一失敗すれば、前功もたちまち虚しくなるというものです。
再び行うのは、止めた方がよろしいでしょう。」
しかし宗茂は笑って答えず、と、この時一羽の鴨を見つけた。
翩々としてススキの穂の上の方におり、頭と尾がわずかに見えた。これは「ほう白」であった。
宗茂はこれを見るや直ちに矢を放つと、左翼を貫き「ほう白」は地に落ちた。
長政は宗茂を喝采し、いよいよその妙技に感心したという。
(古雄逸談)
932 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/19(月) 22:50:19.54 ID:To1S2tIh
これが主人公補正ってやつか
コメント
人間七七四年 | URL | -
鷹「もう全部あいつ1人でいいんじゃないかな」
( 2013年08月20日 21:46 )
人間七七四年 | URL | -
鴨「流石宗茂さん、俺にできないことを平然とやってのける!そこに痺れる憧れるぅ!」
( 2013年08月20日 21:49 )
人間七七四年 | URL | -
これ既出じゃない?
( 2013年08月20日 23:43 )
人間七七四年 | URL | -
ホウジロって小鳥だよね
ホントよく当てたな・・・
( 2013年08月21日 02:14 )
名無しさん@ニュース2ch | URL | -
最初の鴨はそこまでの妙技ではないのでわ?
( 2013年08月21日 06:19 )
人間七七四年 | URL | -
当時の弓矢の対人殺傷射程は大体30~40mと言われている。
でも、当たるかは当然腕次第で有る以上、人間よりも遥かに小さい的の
鴨を狙い撃ち出来るのは十分過ぎるほどの妙技です。
そもそも、弓矢を操る技術その物が戦国時代では必須だろうから、その
中で妙技と評される腕前はかなり凄い事だと思う。
( 2013年08月21日 09:10 )
人間七七四年 | URL | -
もう迷信でもなんでもいいんで、宗茂さんの爪の垢、どうにかして手に入れられないですかね?
飲めば俺も主人公になれる気がするんだ(錯乱)
( 2013年08月21日 23:34 )
人間七七四年 | URL | -
伊達政宗「それなら俺様の爪の垢を煎じて飲ませてやろう」
( 2013年08月22日 00:15 )
人間七七四年 | URL | -
>※1
鷹さん仕事しろw
>※2
鴨さんその痺れは多分矢w
>※7
子孫残す気がなければどうz←<========={)
( 2013年08月22日 15:02 )
人間七七四年 | URL | -
長政との鉄砲と弓の勝負の時は15間先の笄を的にして2発2中だったし
針くらいの物でも当てられそうではある
( 2013年08月24日 23:14 )
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