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サイカチの木、武田勢を退ける

2013年08月31日 19:54

7 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/30(金) 20:27:00.84 ID:mMEqwZnc
ある時、上州箕輪の長野業正の軍勢が、武田信玄の軍に撃ち負けた。

この時長野業政の家臣で、隠れなき勇者と呼ばれた赤名豊前守が殿となって退いていたが、その途中、
自分の旗指物を道の傍のサイカチの木に引っ掛けてしまった。

赤名は取ろうとするも枝葉が茂り、そのうえ刺が生えているので取ることが出来ない。
しかしこのまま捨てていくのは武士の名折れ、家の恥であると難渋している所に、同僚である
土肥実吉が引き返してきた

「何をしている!?早く城へ戻れ!」

そう怒鳴ったが赤名は退こうとしない。
この上は木を切り倒すより仕方がないと、二人は馬から降り、その馬の尻を叩いて城の方に駆け去らせると、
サイカチの木を切りにかかった。

もし敵が追撃してくれば、ここで斬死する他ない。やっとの思いで木を切り倒し、旗指物を取り戻すことが出来たが、
その時にはもう敵の甲州勢4,50騎が直ぐ目の前まで迫っていた。
しかし、さすがは勇者である、赤名豊前守土肥実吉は少しも動じず槍を取って構えた。

ところが、どうしたことであろう、敵は目の前5,6間ほど先でピタリと止まり、掛かってこようとしなかった。
彼らは、道に意味ありげに倒れているサイカチの木に、なにか仕掛けがあるのではと警戒したのである。

その時、先に追い返した馬をみた城兵が、赤名と土肥が危ないと見て、10騎ばかりで引き返してきた。
その騎馬の足音を聞いた甲州勢はやはり罠だと思い

「すわ!反撃してきたぞ!」

と、口々に叫んで逃げ去った。
こうして赤名と土肥は危ない命を全うし、箕輪城へと戻ることが出来た。
(関八州古戦録)




8 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/30(金) 20:30:56.46 ID:O18MHKQv
名のある武将の軍勢は得だな

9 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/30(金) 20:38:39.57 ID:yBNh4XDa
まて、これは孔明の罠だ
意図しなかったとはいえ空城計に通じるものがあるな

10 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/30(金) 21:06:51.74 ID:lEn5yrH0
殿お待ちください、これは三楽の罠です!!
小田城を狙っているのです!!!

11 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/30(金) 23:06:12.58 ID:bDMg7T57
面白い話だなw こういう損得勘定じゃなくて、些細とも思えるようなことに命を掛けちゃう武士は好きだなー

12 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/30(金) 23:12:15.56 ID:9zYsfYAG
旗指物とか母衣ってぶっちゃけ邪魔になるときあるだろうなw

13 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/30(金) 23:17:21.53 ID:O9vwY6Hs
旗指物無くすとか全然些細じゃないから

14 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 12:45:28.75 ID:sOTeg4TL
そりゃ汚い信玄公の配下だからな。何かあったら深読みするだろうね

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    実際の戦って、こういう偶然の要素も多かったんだろうね。

    俺はフィクション上の戦について、
    「計算されつくした知略の争い」を求めちゃうんだが、
    それは歴史に無知な奴の無茶振りなのかな…と
    引け目を感じることがある。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    戦国時代は長く続く戦乱のお陰で
    ブービートラップ的なものもかなり発達したと思うんだけどな

  3. 人間七七四年 | URL | /uHYxkhw

    >>1

    そりゃ、天候や地形地物と云った偶然の要因に左右される事はおおいにあるだろうと思う。

    そもそも戦は相手のある事で、相手の考える事を全部読み切れるって云うものでも無いだろうし、囲碁将棋の様に交互に一手づつ指す訳でも無いから、思わぬ事象や不測の事態は往々にして起こり得る事だろうと自分は思うね。

    限られた戦力と限られた情報の中で精一杯の努力をしているのが現実の戦じゃないかな。

    だから、時には妙な事も起こり得るだろう。

  4. 人間七七四年 | URL | -

    そうそう、フィクションだけでなく歴史として伝わっているものも、
    我々が知るのは「勝者の歴史」だし「時間経った後に見た結果」だから、
    そこからついつい「全ては勝利者の計算通り」的な想像をしてしまう事も結構あったけど、
    実地での戦ってなんかもっとアバウトだったり、
    「そんなつまんない事で結果決まったのか」的な事もあったんじゃないか、
    計算できない事が多かったんじゃないか…と自分も最近思うようになった。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    実際の戦は変なことの連続ですしね。

    近代でさえ「戦場の霧」と例えられるように戦場を完全に把握するのは
    不可能だし、そもそも武士の思考や行動は我々の常識とはかけ離れてますしね。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    旗指物落とすって、今でいえばクレカ落としたような感じか?

  7. 人間七七四年 | URL | -

    ただ、その大袈裟とも言える警戒心が生き残るのに結構大切な事だとも思う。

    >実戦は変なことの連続
    天庵=何回も敗戦しているのに戦死せず、何回も蘇る!

  8. 人間七七四年 | URL | A75NpKCQ

    サイカチって聞いて「葛西の人」かと思った私は葛西領民です。

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ※7
    何度も蘇るのはあの人くらいとして戦闘で総大将が死ぬのは滅多に無くて
    その代わり死んでしまったら凄いダメージに…

  10. 人間七七四年 | URL | WRU11xvk

    ※9
    今川義元「呼んだ?」
    龍造寺隆信「呼んだ?」
    歴代少弐家当主「呼んだ?」

  11. 名無し@まとめいと | URL | -

    サイカチってモチモチの木だっけ?

  12. 人間七七四年 | URL | -

    道の真ん中で、敵が二人だけで槍を構えて待ち構えている
    そのすぐそばになぜか切り倒したばかりの木が・・・・

    これは罠ですわ

  13. 人間七七四年 | URL | -

    ここまで既出の指摘が無かったことは異常だ

  14. 人間七七四年 | URL | -

    期せずして長坂橋の張飛状態。

  15. 人間七七四年 | URL | -

    勝った理由、負けた理由、勝敗に限らず何かあったことの理由。
    後世から歴史として見ると、つい何かの理由を求めてそこに理由づけしたくなる(例えば、〜が猛将だったから勝った、〜の徳が高かったから勝った、とか)のだけど、ほんとはさしたる理由もないものも多いんでしょうね。
    無理に理由をつけようとして捻じ曲げた見方をしないよう気をつけなきゃな〜
    って思ったけど、捻じ曲げてくれたおかげで面白い逸話になったものも多そうだな。

  16. 人間七七四年 | URL | -

    この話は変な歪曲も無さそうだし、ラッキーだったわって話をストレートに伝えてるんだね。
    しかし、
    山県昌景の浜松城といい、武田勢みたいに戦が強すぎると相手も同じくらいのレベルだろうと自然に考えちゃって深読みするんだろうなぁ
    そう考えたらなんか面白かった。

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