FC2ブログ

樫井合戦の時

2013年09月27日 19:50

399 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2013/09/27(金) 17:44:47.28 ID:yDHM3m1S
樫井合戦の時、先鋒塙団右衛門直之、淡輪六郎兵衛重政、岡部大学則綱以下は三千程の勢を
引き連れ、安松を目指してやって来た。ところで、岡部は去る冬に直之が蜂須賀陣へ夜討ちした時、口論して
共に出なかった事に腹を立てていた。

「今日は団右衛門に先陣を越させまい」と、岡部はなにくわぬ体で先へ乗り出した。これに直之が声をかけて、
「約束の通り胴勢を揃えて攻め寄せようぞ」と言った。岡部は振り返ったけれども、うんともすんとも答えずに
進んでいった。

直之は激怒して「侍の義理を違えて先を駆けるなら今日は必ず討死しろ!さもなくば男は立たないぞ!」
と言って、同じく駆け出した。重政も「某は泉州路の案内をお受けしているというのに、後に残ることはできない」
と、同じく乗り出し、彼らは思い思いに馳せて行った。

(この後、浅野勢と戦って直之と重政は討死)

ある本によると、この合戦が終わった後、米田監物、御宿越前守、上条又八らは安松にて岡部に向かい、
「団右衛門を捨て殺しにするようでは、男は立たんぞ」と悪口したところ、岡部は返答も無かった。

このため、彼らは大野主馬介治房に「臆病者を組に置かれることは無用です」と言った。これに治房が、
「もっともな事ではあるが、今に至って物頭を追放するというのはどうしてだ。御利運の上で」と言ったので、
皆々治房とは不和になったという。

ある本によると、岡部大学は塙団右衛門とは古い傍輩で、加藤嘉明の甥川村権七の母方の叔父だった。
大坂陣の時に城を出て剃髪し『愧世庵』と称した。当時の人が大坂陣の事を尋ねれば「某は隠れもなき者であるが、
男のならぬ首尾のためにこのような身となった。よって合戦のなりゆきは一切知らない」と答えたのだという。

――『新東鑑』





スポンサーサイト





コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    必ず討ち死にしろ、といっても自分は生き残れると踏んだのだろうが、まさか塙団右衛門が死んで岡部が生き残るとは思ってなかっただろうな。

    しかし淡輪重政、完全にとばっちりでしかも死んでるのか。さらに浅野方はまかりなりにも策を使っておびき寄せてるのに。所詮猪の集団では勝ち目はなかったか。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    ※1
    譜代重臣である大野治房を総大将にして抑えようとしたんだけど
    総大将としての威に欠けていたんだろうなあ。

    治房の戦略はそうおかしいものではなく、むしろ浅野家に対する
    遅滞防御としてはベストなんだけれども、配下の諸将が戦略から
    完全に外れた思考で戦っていればそりゃ負けるわとしか。

    と・・・いうか、大坂夏の陣って、治長辺りはマシな戦略を取ろうと
    足掻きに足掻いているにもかかわらず、それぞれがめいめい勝手に戦って
    勝手に自爆しているというパターンが多いような。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    ※2
    所詮浪人どもの集団だったからか。

    大野治長あたりはその中でもまだ家を守る気持ちはあったのだろうけどね。

    改易されても何でもあの状況で徳川に抗う=滅亡、を理解出来ていたのはどのくらいいたのか(きっと淀の方は、あれだけ何度も家が滅んでもなお気付いてなかったのかもしれない)。

  4. 人間七七四年 | URL | -

    ※3
    まあ牢人にしてみたら「派手な武功を立てる→戦後の栄達」がどうしても
    無視できるものではないからなあ。
    治長もそこら辺は理解していて、前線部隊に功名心に逸る牢人部隊を、
    総予備に忠誠心ともう後がない事を理解している七手組をおいている訳だけど、
    問題は牢人部隊の功名心を治長が見誤っていた所かもねえ。

    淀殿については、江戸への人質という条件に賛同していた事からみても、
    戦になったらやばい事は理解していたとは思う。
    ただ・・・それまでの間に大坂での相場で荒稼ぎしたり、官位叙任で独自行動
    したりと、幕府に目をつけられることもしていたからねえ。
    秀頼が二条城で名実ともに臣下として降った時にそれを徹底していればよかった
    んだけど、そこら辺の覚悟が足らんかったとしか。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://iiwarui.blog90.fc2.com/tb.php/7910-2506ea73
この記事へのトラックバック