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シスコンな殿と実直な家臣

2014年04月07日 19:02

891 名前:人間七七四年[] 投稿日:2014/04/07(月) 11:14:48.50 ID:zo7V+3Jg
シスコンな殿と実直な家臣

秀吉が朝鮮出兵を行ってしばらくの文禄慶長の頃

陸奥にあった保春院(伊達政宗の母で最上義光の妹)は突如として伊達家を出、山形へと出奔

これを迎えた最上義光も
当初は山形城本丸外北方に御義屋敷を設けていたが
城中にあっては風当たりも良くないだろうと妹の事を気にかけ、気を紛らわし、落ち着いて生活のできそうな平穏な地はないかと
山形城西方の村木沢の一角に領地を持つ加藤掃部左衛門清次に保春院の屋敷地の整備と警護役を命じた

主から大命を受けた加藤清次は指名に感激し
早速村木沢に保春院の屋敷地の整備を始めた



……

………が、やり過ぎた

保春院の屋敷の周囲に高垣を作り
そこらかしこに警護の番役を配し
小川から水を引き、屋敷地の周りに堀を巡らし
村落のあちこちにも土塁や柵に堀を幾重にも新設し
まるで保春院の屋敷はさながら要塞と見紛うばかりの様相となった

神保隠岐「江口殿、加藤のやる気はわからん事はないが、あれではいささかやり過ぎと思わんか?」
江口道連「…わかりました。機を見て奴(加藤清次)には私からそれとなく忠告してみます」

(つづく)

892 名前:人間七七四年[] 投稿日:2014/04/07(月) 11:41:51.37 ID:zo7V+3Jg
(つづき)

ある日江口道連は加藤清次を訪ねた

加藤も友の来訪を喜び、酒を酌み交わしながら話を楽しんだ

江口「掃部(加藤清次)、おまえを他の者がどう感じているのか知っておるのか?周囲の者から反発を買っておるぞ」

加藤「伊達の間者や他国の草が保春院さまの身を狙わんとも限るまい?これはそうならぬ様、もしもの事が起きぬための保険なのだ」

江口「なるほどおまえの言う事は尤もだ
だがな、保春院さまはこれでは気を紛らわす事ができると思うか?
養生のための屋敷ではなく、いくさのための準備の様にも思えよう」

加藤「! …あぁ、言われてみりゃそうとも取れるな…」

(つづく)

893 名前:人間七七四年[] 投稿日:2014/04/07(月) 11:44:52.55 ID:zo7V+3Jg
(つづく)

江口「大命を受け、馬鹿のつく正直なおまえのやり方は確かに間違ってはいないし俺もそんなおまえの性格が大好きだ
だがな
村木沢がこれだけ物々しくなれば近隣の者だって自分らはそれほど信頼をされていないのかと気をやきもちとさせる事になるだろう

…これ以上の備えは止めて
少しは心を休めぬか?」

加藤「…過ぎたるは尚及ばざるが如しという事か」

加藤清次は江口道連の忠告を受け態度を幾分軟化させた

ただ、やり過ぎ感のあるこの屋敷の話から
加藤の所領は
「あしきやかた→あくど→悪戸」
と呼ばれる様になったといった話もあれば

愚直な加藤の悪戸を江口が心を開かせ「あくど→開戸」にさせたといった話も伝わる

しかし現在
村木沢のかつての加藤の所領のあった地は「悪戸」の地名として今に伝わっている






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コメント

  1. 人間@7年 | URL | HLrqDUJ6

    義姫「この館を見れば周りの者が私をどう思っているか、よく解るな。ヤレヤレ……」

  2. 人間七七四年 | URL | -

    義姫「この仰々しい警備…まさか兄者はわらわの監禁が目的なのか?」

  3. 人間七七四年 | URL | -

    (`・ω・´)「お義には誰にも指一本触れさせんぞ!」
    江口道連「殿、シスコンも大概になさいませ」

  4. 人間七七四年 | URL | -

    近所に楳図かずお屋敷みたいなものができるとなりゃ
    空気はピリピリするわな(違)

  5. 人間七七四年 | URL | -

    (`・ω・´)「愛妹無罪」
    光安「何事にも程度というものが」

  6. 人間七七四年 | URL | -

    結局鮭様自身は、その後何も発していないから、
    ※3さん的な感じになってる様な気がするw

  7. 人間七七四年 | URL | -

    そんな二人も長谷堂合戦で鬼籍に入る、か。
    何れ悪戸芋を食す時が有れば、この物語を思いながらほっこりしてみたいもんだw

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