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汝らは必竟小気物なれば云

2014年08月23日 18:51

6 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/08/22(金) 21:01:33.83 ID:fr01M5PT
慶長元年(1596)7月12日、地がおびただしく揺れて、豊臣秀吉の居城である伏見城の楼閣は
尽く破損した。(慶長伏見大地震)

この時伏見屋敷にあった徳川家康は、急ぎ伏見城へと登り、太閤秀吉と対面してその無為を賀した。
その上で「速やかに内裏のご様子を伺うべきでしょう。」と申し上げると、秀吉も

「私もそのように思っていたのだが、このような大変で陪従の者達が未だ整わなかった。
しかし徳川殿がいち早く参ってくれたのは幸いである。徳川殿、私とともに参られよ。
あなたの従士を貸していただきたい。」

そう言って、徳川家の家臣たちばかりで共に出立した。
この時秀吉はこう訴えた

「私は久しく刀を挿していなかったが、今日は特に腰のあたりが重く耐え難い。
徳川殿の従臣に私の刀を持たせて頂きたい。」

そこで徳川家康自ら秀吉の刀を持ったが、秀吉はこれに恐縮した様子で
「いやいや、それはかえって心苦しい。どうか家臣の者に渡すように。」
と言ったため、家康は井伊直政に刀を渡した。
そうしている内に、秀吉の家臣たちも追々駆けつけ、駕輿も昇り来たため、秀吉はこれに乗ることにした。
この時、秀吉は供の一団の中にあった本多忠勝を呼ぶと、こう言った

「汝の下心には、今日こそ秀吉を討つのに良い時節なりと思っていたことであろう。
しかし汝の主人である家康は、懐に入った鳥を殺すようなことはしない人物である。

さっきはな、私の刀を汝に持たせたいと思っていたのだが、折り悪く隔たった場所にいて、
思うように行かず大変残念だ。汝に持たせたら、きっと面白かったのになあ。

私がこのように思うのも、汝が結局は小気者だからだ。
小気者よ。小気者よ。」
(かく思はるるも、汝らは必竟小気物なれば云。小気物よ小気物よ)

そう笑いながら輿に乗り込んだ。
忠勝は何も言わず、ただそこで平伏していたそうである。

(柏崎物語)




7 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/08/22(金) 23:47:21.14 ID:G++3tVg/
ラスボス「汝は知恵も勇気もあるが、大気が足りない」

35 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/08/25(月) 01:37:27.47 ID:mYD6yObH
>>6
これはマジに凄い逸話だな

やっぱり天下人ともなる人間の器と処世術は異常過ぎるな

37 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/08/25(月) 07:50:14.27 ID:2zaoHMEQ
>>35
昨日はν速+で大坂の街作りに失敗したダメ親爺と扱き下ろされてたなあ
まあ、秀次のスレなので致し方ないが

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    忠勝「・・・(めんどくせぇー)」

  2. 人間七七四年 | URL | -

    秀吉はこの手の話がいくつもあるな

  3. 人間七七四年 | URL | -

    ※1

    いやいやラスボスもきっとお前たち三河者のめんどくささを体験してみたかったんじゃないか?

  4. 人間七七四年 | URL | -

    実際に渡されてるのが直政なのも大概と思うがw

  5. 人間七七四年 | URL | -

    秀吉→家康ってワンクッション置かなかったら、人斬りに殺られてたな

  6. 人間七七四年 | URL | -

    ま、ここで手を下すまでもなく、2年後には逝ってるし

  7. 人間七七四年 | URL | -

    これ清正より早かったのか?

  8. 人間七七四年 | URL | wZ.hFnaU

    ※7
    この話が事実かどうかはともかく、いわゆる「地震加藤」は後世のつくり話だよ

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ここで殺しても明智の二の舞になるだけだものな。
    権現様らしい好判断だ

  10. 人間七七四年 | URL | ZPZR469g

    家康は忠勝に渡したらどうなるかわからなかったから直政に渡したのかな。
    直政も秀吉嫌いだけど、ここで斬ったらどうなるか見通せるくらいには
    当時の大名同士の関係には明るいし。

  11. 人間七七四年 | URL | -

    もし、鬼作左がいたら殿を太刀持ちにするとはと怒ってややこしい事に

  12. 人間七七四年 | URL | -

    逸話とは云え、忠勝ってそこまで知恵が回らない愚者かな?
    こんな場所と状況で権力者を切れば、家康自身の不利になる事くらいは
    弁えていると思うけどね。
    忠勝がそんな事考えて無くても、秀吉の忠勝へのイメージがそうなら仕方ないけど。

  13. 人間七七四年 | URL | -

    ※8 ありがとうございます。

  14. 人間七七四年 | URL | -

    これは秀吉が遠まわしに直政>忠勝と言ってんのか

  15. 人間七七四年 | URL | -

    ※10のように家康も

  16. 人間七七四年 | URL | -

    忠勝「槍なら持つ。刀キライ」

  17. 人間七七四年 | URL | -

    鳥居忠政ではいかんのじゃろか?
    彼は太刀持ちで逸話がなかった?

  18. 人間七七四年 | URL | -

    秀吉「忠勝。てめーはオレを斬れねぇ」

    って話だから忠勝に渡して斬られたら、
    ただの笑い話じゃないですか!!

  19. 人間七七四年 | URL | -

    もちろんそのへん計算してコイツ手出してこねぇなって奴にやってるんでしょう

  20. 人間七七四年 | URL | -

    とは云え、小田原征伐のときはまーくんに持たせたりしてるわけで

  21. 人間七七四年 | URL | -

    政宗は天下欲しい人だから天下取れなくなるようなことはしないだろ。
    それ以外でならメチャクチャやるが

  22. 人間七七四年 | URL | -

    しかし直前に二本松義継に親父が拉致された見本があり、その場で斬らずとも黒川城まで連れていけば…

  23. 人間七七四年 | URL | B7aCswa6

    とは言え直政も騙まし討ちで猿を殺す気満々な逸話があるんだよなあ
    ttp://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-590.html
    あと秀吉が忠勝をおちょくったのは佐藤忠信の兜の件の意趣返しかと思ったり

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