98 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2014/12/27(土) 03:54:17.29 ID:EDvBVJIg
また、ここに不審なことがある。犬を追っている子供まで皆が本多佐渡守(正信)が大久保相模守(忠隣)が中傷したと口にしている。
そんなことを世人が事を知らないので言っているのである。
佐渡は相模の親の七郎右衛門(忠世)に重恩を受けた者だから、恩を忘れてどうしてこんなことができようか、それは人の作り事だ。
相模は子の主殿(石川忠総)を初め私どもの知らぬ、深い科がきっとあったのだろう。
絶対佐渡が中傷したなどということはないだろう。
今になってよくわかるけれども、町人、民百姓までがいうことだから、本当にそのようなことがあったのかと、不審には思うけれど、そんなことはわからない。
佐渡は若いころはむごい者であると噂があったけれど、年もとったことなので、きっとなおったのであろう。
佐渡守は七郎右衛門が朝に夕に面倒を見て、女や子供を助け、塩や味噌、薪にいたるまで、面倒を見、(家康に)敵対して他国へかけおちしたときも女子を助けてやった。
そのうえ、詫びを入れさせ、国に帰してからは、先ず隼鷹匠として抱えられ、その後もあれこれととりなして、四十石の知行を与えられた。
その後も面倒を見て、除夜にはかならず嘉例として大晦の飯と元山飯を七郎右衛門尉のところで佐渡は食べたものだった。
関東へ(家康様が)お移りになった後でも、江戸でもそのことを嘉例としたほどの佐渡であるから、どうしてその恩を忘れようか。
そのうえ、七郎右衛門が死ぬ時も。佐渡を呼んで遺言にも、相模をよろしく頼むいって死んでいったが、その時七郎右衛門に向かって
「どうしてなおざりに扱えましょう。ご安心ください。」
としっかり申したのに、もしやその心にそむいて中傷したのだろうか。
昔は、「因果は皿の縁をめぐる」といったのに、今は「めぐり着かずに、すぐに報いが飛んで向かう」と言うことがある。
今どきどうであろうか、と思うけれども、「人にさえずらせよ」ということもあるから、そういうものであろうか。
「善き因果は報いがあってもおぼえがない。悪い因果が悪い報いを起こした場合は、わかりやすい。」
そういうものであろうか、佐渡は三年もすぎることなく顔に唐瘡ができて、顔半分がくさり奥歯の見えるほどになって死んで、
子である上野守(正純)は改易になって出羽の国、由利にながされて、その後秋田へ流されて佐竹殿にあずけられて、四方に柵を付け堀を掘られ、番を付けられた。
皆々口にするほどのことも確かにあることのようだ。相模守の改易も、デウス退治の処置とあって、京都に使いに行き、その後改易にあった。
また、上野守の改易の時も、最上の仕置きをせよと命ぜられて、使いに行ってその後改易になったのもおなじようなことだ。
さては中傷したので、因果の報いかと、また世間では犬を追っている子供まで言うようだ。
『史記』のことばに、
「蛇はとぐろを巻いても吉方に首を向け、鷺は太歳の方角に背を向けて巣をつくり、燕は戌巳に巣を食い始め、鰈は河口に向かってはかたたがえをする。
鹿は玉女に向かって伏せる。」
とある。このように動物でも身の程に従う心があるそうだ。
顔だけは人でも心は畜生であったか。
(三河物語)
彦左が佐渡守を中傷する話
また、ここに不審なことがある。犬を追っている子供まで皆が本多佐渡守(正信)が大久保相模守(忠隣)が中傷したと口にしている。
そんなことを世人が事を知らないので言っているのである。
佐渡は相模の親の七郎右衛門(忠世)に重恩を受けた者だから、恩を忘れてどうしてこんなことができようか、それは人の作り事だ。
相模は子の主殿(石川忠総)を初め私どもの知らぬ、深い科がきっとあったのだろう。
絶対佐渡が中傷したなどということはないだろう。
今になってよくわかるけれども、町人、民百姓までがいうことだから、本当にそのようなことがあったのかと、不審には思うけれど、そんなことはわからない。
佐渡は若いころはむごい者であると噂があったけれど、年もとったことなので、きっとなおったのであろう。
佐渡守は七郎右衛門が朝に夕に面倒を見て、女や子供を助け、塩や味噌、薪にいたるまで、面倒を見、(家康に)敵対して他国へかけおちしたときも女子を助けてやった。
そのうえ、詫びを入れさせ、国に帰してからは、先ず隼鷹匠として抱えられ、その後もあれこれととりなして、四十石の知行を与えられた。
その後も面倒を見て、除夜にはかならず嘉例として大晦の飯と元山飯を七郎右衛門尉のところで佐渡は食べたものだった。
関東へ(家康様が)お移りになった後でも、江戸でもそのことを嘉例としたほどの佐渡であるから、どうしてその恩を忘れようか。
そのうえ、七郎右衛門が死ぬ時も。佐渡を呼んで遺言にも、相模をよろしく頼むいって死んでいったが、その時七郎右衛門に向かって
「どうしてなおざりに扱えましょう。ご安心ください。」
としっかり申したのに、もしやその心にそむいて中傷したのだろうか。
昔は、「因果は皿の縁をめぐる」といったのに、今は「めぐり着かずに、すぐに報いが飛んで向かう」と言うことがある。
今どきどうであろうか、と思うけれども、「人にさえずらせよ」ということもあるから、そういうものであろうか。
「善き因果は報いがあってもおぼえがない。悪い因果が悪い報いを起こした場合は、わかりやすい。」
そういうものであろうか、佐渡は三年もすぎることなく顔に唐瘡ができて、顔半分がくさり奥歯の見えるほどになって死んで、
子である上野守(正純)は改易になって出羽の国、由利にながされて、その後秋田へ流されて佐竹殿にあずけられて、四方に柵を付け堀を掘られ、番を付けられた。
皆々口にするほどのことも確かにあることのようだ。相模守の改易も、デウス退治の処置とあって、京都に使いに行き、その後改易にあった。
また、上野守の改易の時も、最上の仕置きをせよと命ぜられて、使いに行ってその後改易になったのもおなじようなことだ。
さては中傷したので、因果の報いかと、また世間では犬を追っている子供まで言うようだ。
『史記』のことばに、
「蛇はとぐろを巻いても吉方に首を向け、鷺は太歳の方角に背を向けて巣をつくり、燕は戌巳に巣を食い始め、鰈は河口に向かってはかたたがえをする。
鹿は玉女に向かって伏せる。」
とある。このように動物でも身の程に従う心があるそうだ。
顔だけは人でも心は畜生であったか。
(三河物語)
彦左が佐渡守を中傷する話
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コメント
人間七七四年 | URL | -
ひこざぶり
( 2014年12月27日 17:39 )
人間七七四年 | URL | 3aXRcdxk
あいつの事は死んでも許さねえって気持ちはゲップが出る程伝わった
( 2014年12月27日 17:43 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
文章にしてもこのネチッこさ。駿府育ちの大御所さまが良くこんなの統制できたな
( 2014年12月27日 18:06 )
人間七七四年 | URL | -
>皆が本多佐渡守(正信)が大久保相模守(忠隣)が中傷したと口にしている
文脈から見るに、
・皆が「本多佐渡守が大久保相模守を中傷した」と口にしている
だよね?
( 2014年12月27日 19:46 )
人間七七四年 | URL | -
重度の歯槽膿漏だったのか、佐渡は。
歯磨きは大事だよん。
( 2014年12月27日 19:47 )
人間七七四年 | URL | -
※5
藤堂家「全くだ」
( 2014年12月27日 19:57 )
人間七七四年 | URL | -
舌癌か咽頭癌の可能性もある。
( 2014年12月27日 20:04 )
人間七七四年 | URL | -
某刑部のような病気か?あれも確か因果を基にした病だと言われてたんだっけ?さすがにないと思うが
( 2014年12月27日 20:27 )
人間七七四年 | URL | -
梅毒じゃね
( 2014年12月27日 22:31 )
人間七七四年 | URL | -
唐瘡は梅毒とは限らん
大晦の飯は「大みそかの食事」なんだろうが
元山飯でぐぐるとソーセージ乗せたラーメンが出てきたぞ畜生
( 2014年12月27日 23:17 )
人間七七四年 | URL | -
最初と文末で言ってること違うんですけど
無理すんなよ。本音を書き残そうぜ。後代へ
( 2014年12月28日 01:14 )
人間七七四年 | URL | -
佐渡を擁護してるかと思いきや、ただの皮肉だったでござる
( 2014年12月28日 07:02 )
人間七七四年 | URL | -
※5殿
昔は虫歯から敗血症になって死ぬ例があったといいますね。それこそ死後虫歯に御利益をもたらすと言い残した武将がいるくらいに
( 2014年12月28日 08:23 )
人間七七四年 | URL | -
本多サドの神が世間的に悪く言われてる?そんなことないよいい人だよ
(と一応庇った上で)
→でも酷い死に方したのはやっぱり悪い事してたから罰当たったんだろうね!
という理解でいいのか
回りくどくて厭らしいなほんとめんどくさい
自分はフロイトの例から頬が溶けちゃうような酷い症例は
口腔がんとか舌がんだったんじゃないかなと思う
( 2014年12月28日 14:18 )
人間七七四年 | URL | -
ワイ小田原住み。
小田原にある大久寺には、忠世・忠隣・忠常の三代の墓があるよ。
年末年始に箱根・小田原に来る方や、箱根駅伝見に来た方は良かったらお参りしてってね。
( 2014年12月28日 16:43 )
アリサスキー | URL | -
自分も一瞬、彦左が佐渡さんを擁護したかのように思ってしまうほど皮肉が
たっぷりで、もうお腹一杯です。
( 2014年12月31日 01:20 )
人間七七四年 | URL | -
世間ではって多勢を装って自分の意見に正当性をもたせる卑怯ぶり
これはこれで実に見事な日本人の中のカスの典型例なんだよな
( 2015年06月10日 14:52 )
人間七七四年 | URL | -
日本人の傾向でもないしカスはお前だな
( 2015年07月14日 01:09 )
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