最上家の掟

2015年01月05日 18:46

497 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/01/05(月) 14:49:20.55 ID:A+nBxSmi
最上家の掟写

鮭延秀綱の書き伝えの中に長々と最上家の掟があったので、一部を掲載

一、分国の士、城持の者は云ふに及ばず、旗本陪臣等も文武両道専一に嗜むべき事(武士のモットーは文武両道)
一、朋友を欺き高名の輩は当家に於いては之を挙げ用いず。古、佐々木高綱宇治川にて梶原を謀り先陣す。以徃之に相違の軍慮他家に繁多なりと雖も、自家に於ては堅く之を禁ずるの事(味方を騙しちゃいけないよ)
一、他家に於て軍功無き輩と雖も、当家に来て忠戦を励さば、則ち賞禄を厚くす可き事(他家での過去は特に問いません)
一、敵城已に落て落人有り。女童或は病者の類、むやみに殺害す可からざる事
一、下知を得ずして敵方の民屋を焼働を為す可からざる事(焼き打ちが必要な時には命令します)
一、敵方領内に於て或は田を刈り或は植田を覆す可からざる事
一、喧嘩は堅く禁制なり。若し相背くに於ては理非を言はず双方成敗の事(喧嘩ダメ!絶対!)
一、好色博打堅く禁制の事(腐事の行き過ぎを禁止します)
一、実子無き者は養子を求めよ。姓の貴賎を選ぶ可からず。武功者の二男三男は十五歳以上を以て家督を継ぐべき事
一、衣装之料は知行の内証を肖はず。富貴と雖も分限過たる衣服を好む可からざる事
一、武道具の事、不肖たりと雖も、内証富める者は分限に過ぎ之を嗜ふ可し(武具だけは立派な者を選びなさい)
付医師は武具馬具貯ふるに及ばず。療治を肝要と為す可し。出陣の時節、武具馬具とも之を貸賜すべし。但医道不足無きの上を調へ之を嗜む者は之を禁ぜざる事
一、出陣に限らず分国他国に行く事有りと雖も武道具の外粧之道具持つ可からざる事(領内外でも普段から質素に努めましょう)
一、陪臣已下の者は牛皮を以て歩具足を作り之を用ふ可し。家中一年二三度は之を改む可し。武具心かけなき者これ有るに於ては、其家中より追放すべし。直士は謂に及ばざる事(武具の手入れは普段からしなさいよ)

出陣の掟
一、人数押の事太鼓次第なり。若し初心の者有るに於ては其与(組)頭指図致す可し。これを聞き知らざる初陣の若者等おち度之有らば頭の者不届きたるべき事
一、敵地に於て乱妨狼藉堅く禁制なり。男女を取る可からざる事(人さらい禁止)
一、何方に限らず田畑を費す可からず。同所に陣取る可からず
一、宿陣の時乱酒禁制たり。若酔狂の者これ有るに於ては討ち捨て仕る可き事
一、敵方の使者来る時は其品を聞届け披露を遂ぐ可し。ゆめゆめ敵方の使者を討つ可からず。
付敵方の使者に向ひ用事の外一切雑談す可からざる事
一、一夜野陣をなすといふとも、一々陣柵を振る可き事(野陣でも用心して柵を作りなさい)
一、陣くみの外勝手次第に陣取る可からざる事

条々違背せしむるに於ては其軽重に依り曲事たるべき者なり(違反者には相応の罰を与えます)

※一部を省略してますが、40くらいの箇条書になっています。
教科書や史料集ではなかなかお目に掛かれない、最上家の掟の内容。

「鮭延越前守書伝」



507 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/01/07(水) 01:02:12.73 ID:lmoyvWHs
>>497
内証を肖はず
なんと読むのですか?

509 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/01/07(水) 13:45:13.16 ID:2IxhPwOg
>>507
ないしょう(ないせい)をうしなはず

現代簡易訳→財政を失わず

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    腐事のところでフイタw
    こんな掟書かれるくらい酷かったのか?

  2. 人間七七四年 | URL | -

    ※1
    山形周辺の他家では許されていても、最上家の支配下ではNGだったんでしょう。
    上杉家でやってた放火と苅田狼藉と人さらいが基本ダメ出しされてますから。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    シャケ延さんが大いに美化・脚色してる可能性をまず考えなきゃいけないけど、経験の浅い兵員に対する組頭の管理と、太鼓次第を求める条項なんかは、北条とか武田の軍法の言い回しとすごく似てると思う。
    「最上家壁書」「最上家風軍定書」みたいなものが、あったのかもね。

  4. 人間七七四年 | URL | -

    そりゃ教科書には載らんよ

  5. 人間七七四年 | URL | -

    ※4
    朝倉家条々すら教科書に載るケースは少ないしね

  6. 人間七七四年 | URL | -

    ※3
    通称は「最上家(之)掟(掟書)」「最上家条々」だね。

  7. 人間七七四年 | URL | -

    書いてある事は実に理に適った物が多いけど、ある程度の禄がある大名
    じゃないと実行が難しい物もあるよね。
    ある意味、戦場での盗み人さらいは褒美扱いの意味もあるし。
    良い武具を揃えてよく手入して維持しろって、貧乏武士には難しいし。

  8. 人間七七四年 | URL | -

    ※7
    武具は息利子に近い形で最上家側から貸してたり、いくさで功があった者には褒美で金子や上位の武具を与えていたみたい。
    (感状も残ってる)

  9. 人間七七四年 | URL | -

    唐陣前に京で諸将と馬揃えをやる際にも、備えが心許なくなっている家臣たちに臨時の給金を「有志」として賜っている。

  10. 人間七七四年 | URL | -

    秀吉軍が派手だからな…

  11. 人間七七四年 | URL | -

    立花勢は金の桃形兜に着物姿で観兵式に出たのかな?
    島津勢と、地味だ地味だと言われた長宗我部勢の軍装も気になる。

  12. 人間七七四年 | URL | -

    知れば知るほど後世の評価なんていい加減なもんだな。

    現代では正義とされる上杉軍では、刈田狼藉OK、人さらいもOK

    でも最上軍では禁止だった。

    後世の評価なんてあてにならないな。

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