598 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2015/01/25(日) 15:45:08.71 ID:zlkBH2Wz
住友の業祖
今も日本経済を牽引する住友財閥には、二人の祖がいると言われている。
一人は「家祖」住友政友、もう一人は「業祖」曽我理右衛門である。
江戸時代に銅産業によって基盤を築いた住友家であるが、その由来は曽我理右衛門が戦国時代に開いた「泉屋」に求められる。
すなわち、住友家と曽我家は縁組みしており、理右衛門の子である友以が住友の家督と理右衛門の事業を引き継ぎ、現在に至っているということである。
その理右衛門が事業を成功させた話。
当時日本の銅を製錬する技術はまだ遅れており、粗銅の中には銀が含まれているらしいのだが、その銀を効率的に分離することができず、先進技術を持っているポルトガル人やスペイン人が粗銅を大量に購入し、銀を効率よく分離し大もうけをしていた。
理右衛門はこれに目をつけ、独自に研究を進めるが、当のポルトガル人やスペイン人は当然情報を教えないため悪戦苦闘していた。
そんな中、なぜかハックスレーという南蛮商人がヒントをくれ、最終的に銀を分離する技術を会得することができた。
そしてこの技術で理右衛門は大もうけすることができるのだが、この技術を独占せず、同業者に公開したそうである。
現在でも時々あるが、技術や規格を公開することで競争を促し、業界を発展させるという意図があったらしい。
ちなみに、泉屋という屋号は、理右衛門が「白水」と号していたハックスレーに感謝し、白水の字を上下に合わせた泉という字を使っているとの説もある。
また、理右衛門は豊臣家にも多額の献金をしていたらしく、方広寺の梵鐘を献納したのも泉屋である。
ということで、事業で成功しながら、その研究成果を業界のために公開した理右衛門のいい話でした。
(河合敦著「豪商列伝 なぜ彼らは一代で成り上がれたのか」)
住友の業祖
今も日本経済を牽引する住友財閥には、二人の祖がいると言われている。
一人は「家祖」住友政友、もう一人は「業祖」曽我理右衛門である。
江戸時代に銅産業によって基盤を築いた住友家であるが、その由来は曽我理右衛門が戦国時代に開いた「泉屋」に求められる。
すなわち、住友家と曽我家は縁組みしており、理右衛門の子である友以が住友の家督と理右衛門の事業を引き継ぎ、現在に至っているということである。
その理右衛門が事業を成功させた話。
当時日本の銅を製錬する技術はまだ遅れており、粗銅の中には銀が含まれているらしいのだが、その銀を効率的に分離することができず、先進技術を持っているポルトガル人やスペイン人が粗銅を大量に購入し、銀を効率よく分離し大もうけをしていた。
理右衛門はこれに目をつけ、独自に研究を進めるが、当のポルトガル人やスペイン人は当然情報を教えないため悪戦苦闘していた。
そんな中、なぜかハックスレーという南蛮商人がヒントをくれ、最終的に銀を分離する技術を会得することができた。
そしてこの技術で理右衛門は大もうけすることができるのだが、この技術を独占せず、同業者に公開したそうである。
現在でも時々あるが、技術や規格を公開することで競争を促し、業界を発展させるという意図があったらしい。
ちなみに、泉屋という屋号は、理右衛門が「白水」と号していたハックスレーに感謝し、白水の字を上下に合わせた泉という字を使っているとの説もある。
また、理右衛門は豊臣家にも多額の献金をしていたらしく、方広寺の梵鐘を献納したのも泉屋である。
ということで、事業で成功しながら、その研究成果を業界のために公開した理右衛門のいい話でした。
(河合敦著「豪商列伝 なぜ彼らは一代で成り上がれたのか」)
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コメント
人間七七四年 | URL | -
>この技術を独占せず、同業者に公開した
ベビースターの技術情報隠さずにチキンラーメンに大まくり食らったおやつカンパニーを思い出した
( 2015年01月25日 20:52 )
人間七七四年 | URL | -
かつてのIBM社や最近でも車業界がやってますね。全体の為と分かっていても
中々出来ることじゃない。素晴らしいご先祖ですね。
( 2015年01月25日 20:58 )
人間七七四年 | URL | -
ちょっとズレるのかもしれないけど、音楽業界における録音技術について、ビートルズからはじまりイギリスやアメリカのエンジニア達は会いに行ったりメールや電話でも、どうやってその音を作ったのですか?と聞けば機材や方法をある程度教えてくれるんだけど、カナダだけはどうも国策(?)でエンジニア達と技術の保護をしてるぽくて、世界トップレベルの録音技術を一握りのエンジニア達だけが持ってて(アブリルラヴィーンとかニッケルバッグとかSUM41等国内発のアーティストを全て同じチームが録ってる)どうやっても教えてくれない。
イギリスやアメリカのエンジニア達が技術を教えてくれるのは、自分達の業績を誇り、次の仕事に繋げる意味もあるんだろう。この住友の話にすごく思う所あるよ
( 2015年01月26日 08:54 )
人間七七四年 | URL | -
ほんとなぜハックスレーは技術流出させたんだろうか?
( 2015年01月26日 10:05 )
人間七七四年 | URL | -
先進技術の公開はある意味諸刃の剣になるけど、巡り巡って自分達の利益になる事もある。
例えば、自分達でこの技術を独占すれば確かに利益になる。しかし場合に依ってはその技術
その物が普及されずに市場に合わない物になる可能性がある。
そうなってしまった場合、その他の企業や技術に淘汰されてしまう。
ならばいっその事土台を作って囲い、その中で競争した方が自分達の技術力の高さをアピール
する事が出来る。
分かっていても、中々出来ない事だよね。
( 2015年01月26日 13:36 )
人間七七四年 | URL | -
日本だと「家の秘伝」とか「流派の奥義」とかで秘密にしてしまって、そのまま消えるってことが結構あるよね
この話が本当かは知らんが
( 2015年01月26日 17:49 )
人間七七四年 | URL | -
「家の秘伝」「流派の奥義」は必要だろう。この逸話だと上手くいったが公開するかどうかは難しいだろうね。
白水とかはこじつけ臭いね。
( 2015年01月30日 01:08 )
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