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西美濃三人衆の寝返り

2016年02月21日 18:53

202 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/02/21(日) 17:59:48.90 ID:BiwxmhRL
斎藤龍興の家臣である、西美濃三人衆と呼ばれた氏家常陸介(直元)、稲葉伊予守(良通)、
伊賀伊賀守(安藤守就)がある時会合し、伊賀守は言った

「今の斎藤龍興の所業を見るに、日を追いつきを経るに従って、諌めを行い国家の為よろしき人と言うほどの
人物には、皆出仕を停止させ、阿諛追従する者ほど威名盛んである。不順、これより甚だしい物はない。
このようにして滅んでいった国々は、指を折っても数えきれない。

一方、織田信長は仁義の道を行われ、武勇智謀、最も優れている。この人を頼んで武功に励み、
奮功した家臣たちを撫育しようではないか!」


しかし氏家は
「承った話は、何れも至当であり、これに異議を唱えるものではない。しかしながら一度も
諫言に及ばずしてこのような事をするのは、ただ自分の身を立てようとするだけで、義に非ず。
先ず諫書を上げて、もし用いられなかった時は、そのようにしようではないか。」

こうして彼らは諫書を作り、龍興に差し上げた

一、君たる道を真の儒者に能く問われて、行いを然るべくされますように。
一、近習に侍っている執権たちは、国家の為には鴆毒です。急ぎ薬言の臣を用いられますように。
一、幽悪を察し、微善を試み、お心持ち至誠に、賞罰を行われますように。


このように諌めたが、阿諛する家臣たちは、却って之を取り消させるように讒言したので、
翌年になって三人衆は信長に使者を出し、味方に参る由を申し上げると、信長も「願う所の幸い、
天の与えるところである。」と、村井民部丞、島田所助の二人を派遣し能く語らしめた。

永禄七年八月朔日、信長は三河に攻め込む旨を触れ、小牧山に勢揃いした所で、三河には一言も触れず
「美濃国において然るべきこと有るぞ!進めや!」と宣言し、出陣し、瑞龍寺山へと駆け上がった。

この突然の軍勢の出現に、稲葉山城の者たち慌て騒いで「こは何者ぞ、敵か味方か?」と怪しむほどであった。
信長は片端より火をかけ、即座に裸城にした。このような所に三人衆もはせ参り、臣従を許したお礼を申し上げ
「この城攻めも苦労すると思っていましたが、このように何の問題もなく押し詰められた事、誠に御名誉です」
と申し上げた。

その日は強風が吹き雨も降りだしたので、翌日諸方の手分けをして、鹿垣を二重三重に結い廻し、
「一人も漏らすな」と下知した。
城内は、兵糧の支度もなく逃げ入ったものだから、早くも以ての外に弱り、「命を助けて頂ければ
城を明け渡します。」と様々に詫び言を申してきた。
信長は家臣を呼び集め、どうすべきかを尋ねた所、
「先ず龍興の一命を助けられ、この城を請取あって、国々太平の功を励ますことこそ宜しいかと思います。」
と、人々一致したため、信長も之に同意し稲葉山城を受け取り、龍興を退去させた。

こうして信長の武威は、飛竜が天に上がるがごとくであった。

(甫庵信長記)
まあ実際に稲葉山城を退去した永禄八年でも、まだ17歳なんですけどね龍興。



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    龍興も評価が難しい人の一人ですね。家督相続も14歳前後で落城も
    二十歳前後だと言われてるし。当主が無能で~って典型的なテンプレですしね。
    でもその後は各地で粘り強く抵抗示してるし、家臣達が積極的に支えてれば
    もっと違った結果だったのかも。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    さすがイツハリ多シ

  3. 人間七七四年 | URL | -

    親父が三十代半ばで早死にせず、もうちょっと長生きしてれば斎藤はもちろん織田の未来も違ったんだろうなぁ
    言っても栓なき事だけど

  4. 人間七七四年 | URL | -

    センゴクの龍興は良かったな
    初期シリーズは叩かれがちだけど朝倉滅亡編は名作だと思う

  5. 人間七七四年 | URL | -

    儒教が批判されるときは「忠」をあげつらわれるけど、
    こういう風に下が上を縛るのにも使えるんだよな。
    というより、孔子、孟子~朱熹、王陽明に至るまで儒者の歴史は下から上への諫言の歴史。
    下から上へが儒教の王道な気がしなくもないw

  6. 人間七七四年 | URL | -

    歴代岐阜城主ってどいつもこいつも評価が難しいイメージ

  7. 人間七七四年 | URL | -

    安藤よ、結果的に口は禍の元となってしまったな

  8. 人間七七四年 | URL | -

    ※3
    その親父、弟を殺さないと跡を継げなかったわけですが、
    結局弟を殺したことで息子が一人だけになっちゃったわけですよね…

  9. 人間七七四年 | URL | JPG8Eu66

    ※9
    一応同腹の兄弟とか叔父が残ってるから龍興1人残して死んだわけではない

  10. 人間七七四年 | URL | -

    本文2行目、イガイガの守になってるよ!
    誤字なら直して上げて!

  11. 人間七七四年 | URL | -

    ※10
    誤字じゃないぞ
    安藤守就は元々伊賀氏で、
    そして安藤守就の受領名は伊賀守だから
    イガイガの神で合っている

  12. 人間七七四年 | URL | -

    ※10、※11
    鎌倉期の初代から代々伊賀伊賀守なんだよね
    初めて聞いた時は笑ったわ

    ※2
    ほんと、この男嘘ばっか書いてる
    でも、こういうの見ると話盛るの上手いし、文章も上手いわ
    戦国時代に興味もつきっかけになった逸話のほとんどが
    この男の手による嘘だと知った時はへこんだが、
    今では戦国ネタが江戸〜明治〜現代と人気続いたのはこの男の功績も少しはあると思ってる
    そもそも作家てこんなもんじゃね?

  13. 人間七七四年 | URL | -

    信長も17,8で家督相続してから乗り切ってるからなんとも

  14. 人間七七四年 | URL | -

    *12
    まぁ、歴史作家としたら、なるべく史実の流れを無視せず、資料と矛盾せず、それで面白い話が書けたら最高だわなぁ。

    さすがに、坂の上の雲をソースに日露戦争を語る自衛官がいるとか聞いたときはちょっとアレだが。

  15. 人間七七四年 | URL | -

    家督相続時の年齢
    三好長慶:10歳
    織田信長:17歳
    徳川家康:17歳(独立時)
    今川義元:17歳
    伊達政宗:17歳
    上杉謙信:19歳
    毛利元就:19歳(正式な家督は26歳)
    武田信玄:20歳
    大友宗麟:20歳
    長宗我部元親:21歳

    幼君はともかく、もう元服後だったら若年という擁護は難しいかな。
    まあ、上はみんなそれを支える家臣がいたわけだが。

  16. 人間七七四年 | URL | -

    産まれも育ちも環境も違うのに、有名人がそうだから他の人達もみんな
    優秀ってのはちょっと無茶が有りすぎる気がするわ

  17. 人間七七四年 | URL | -

    別に若年だから優秀であるべきとか言うつもりはないわ。
    有能/無能関係なく、若年なら家を潰しても仕方ないっていうのは違うんじゃねって話。

  18. 人間七七四年 | URL | -

    「イガイガの神」のせいで、
    頭は栗の可愛らしい武士姿の神様が脳裏にだな‥

  19. 人間七七四年 | URL | -

    真 の 儒 者

  20. 人間七七四年 | URL | -

    ※18
    北方町に新たなゆるキャラが誕生した瞬間である

  21. 人間七七四年 | URL | -

    NHK の歴史秘話ヒストリーでは、武田勝頼は「妻子思いの名君」、豊臣秀頼は「家康が恐れた名君」と持ち上げれてるから、斎藤龍興も、秘話ヒストリーに取り上げられれば、「名君」と持ち上げられるかもよ。

    TERU 「毛利は、僕が名君だから、誰一人裏切らなかったおぅ。やはり、優秀な主君あってこそ家臣だおぅ」

  22. 人間七七四年 | URL | -

    ※3
    南の織田家と戦い、国内の安定の為に六角家と同盟を結び、浅井家から嫁を迎えるウルトラCを成功さしているからなあ。
    ついでに言えば、犬山城主織田信清を寝返らせて、織田の戦略を根底からひっくり返すという寝技もかますし。

    義龍生きていれば、信長も美濃攻略に大分苦労したんじゃねえかなあ。

  23. 人間七七四年 | URL | -

    ※21
    あの番組、何かしらの新発見があったときの放送は面白いのに、それ以外は主役の暗部を隠してやたらと持ち上げまくるものねぇ

    BSでは民放含めいい歴史番組増えてるのに、感性が未だ旧時代的て…

  24. 人間七七四年 | URL | -

    別にええんちゃう? あの番組の趣旨的に
    とりあえず掴みはオッケー的な感じで
    ライトに興味を持ってもらえればいいんやし

    それにあんまり客観的にすると、いつも
    特定の人物ばっか持ち上げられるだけになりそうだし

  25. 人間七七四年 | URL | -

    折角テレビ見ているのに、他人の暗部ばっかりにスポット照らされたり、
    悲しい事ばっかり映されても、そんな暗い番組見たくないようなw
    歴史上の人物である以上、ある程度の持ち上げは致し方なしでしょ?

  26. 人間七七四年 | URL | -

    まぁ、内容が史実や通説に基づいてるなら別にいいのよ>ヒストリア

    問題は、暗部を描けば通説通りの行動理由になるものが、持ち上げのせいだろう、聞いた事も無いようなの辻褄合わせの理由を平然と入れてくることが間々あってね

    それは流石に如何なものかと

  27. 人間七七四年 | URL | -

    ※22 
    若死にだったことも考えると、義龍の死は尋常な最期ではなかったのかも……

  28. 人間七七四年 | URL | -

    「歴史秘話ヒストリーにようこそ。今回は鬼武藏こと森長可を取り上げます。鬼の目にも涙。鬼武藏と恐れられた長可ですが、兄弟に対する優しさがありました。今宵は、その長可にスポットが当てます。」

    何故か浮かんできました。すみません。鬼武藏さんの所に行ってきます

  29. 人間七七四年 | URL | -

    そう言えば、真田丸も木曽福島城の強行お宅訪問やらなかったね?
    出来れば映像で見たかったなぁ。

  30. 人間七七四年 | URL | -

    あかん、安藤さんがイガイガの守のせいで、ドンパッチの姿に

  31. 人間七七四年 | URL | -

    キュージダイテキ(笑)
    客観だの中立だの実証だのとほざいて悪意のある解釈をしてありもしない暗部をでっち上げるよりいいだろ。

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