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倹約と吝嗇を取り違える者がままいるものですから

2016年03月16日 13:16

477 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/03/16(水) 02:26:37.27 ID:IKzbChQ9
 権現様はお鷹狩等をされる時はご側室や付添いの女中も連れず、馬上でお供のことなどをたびたび拝見されていました。
駿河から江戸表へ鷹狩から直接行かれる時はいつもこのような事で、古雅で尊い品行だと思われます。
 このような事も下々への倹約をお示すためと存じています。
そうでございますので貴賤ともに倹約に専念しており、この御示しをありがたく思っております。

 しかしあまり貴人方が倹約なされると、職人とりわけて織屋などは今日の生計が尽きてしまうのではないでしょうか。
貴人には貴人の倹約が有って、あまり衣裳法度などを厳しく仰せ付けられると、
下々は表向きは君の御意に叶いますように見苦しいものを着用して、
私的な用や夜分または私邸では、思いのほか結構なものを着用する事などが出てくるものだと思われます。
 十人いたら九人は良い物を着たがりうまいものを食べたがるものです。

 倹約の例は五百年前でも稀なことなので、青砥左衛門尉が布帷子に藤巻の大小を用いられたことが日記にも残っています。
今では何の考えもない人たちがケチの例え使っておりますが、その真似はできるものの、その青砥の器量を真似る事はおぼつないものです。
もっとも青砥左衛門尉は主の心に叶えようと倹約をなさったのではありません。
 北条三代目の泰時、時頼の品行もこれに似ていたので、この青砥のような人も目利きに預かって評定衆の第一となりました。
この青砥左衛門尉藤綱は藤済の末氏と聞いております。

 これにひきかえ太閤様は奢りを徹底的にお極めなされました。
それを大名小名も目に入ったり聞いたりして、段々と下々の者までにも伝わって奢りが移っていきました。
御仁政が多く御代が太平でしたので、皆が我を忘れた事と思われます。
 いつでも倹約は人間の常でありますが、下々の者どもが痛まないような御倹約を示されたいものです。
倹約と吝嗇を取り違える者がままいるものですから。

(藤綱の先祖は伊豆国住人大場十郎近郷、承久の兵乱で宇治に向かって高名をなした。
その勧賞に上総国青砥荘を給わり、これより相伝して代々青砥左衛門尉と呼ぶとのことです。)

(本阿弥行状記)

倹約が過ぎると本阿弥一族にも支障がでたのでしょうね



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    秀吉は出自があまりにも卑しすぎるから、天下取ったら反動でああも下品になるのはしかたないのかもしらないな

  2. 人間七七四年 | URL | -

    家康のケチっていつ頃出来た話なんだろう?
    逸話は大量にあるのに史料に一切出て来ないから不思議でさ

  3. 人間七七四年 | URL | -

    逆に狩り以外では
    腰元や側女をいつもゾロゾロ連れてたって事では…?
    大坂陣なんて中学生みたいな女連れまわしたって聞いた

  4. 人間七七四年 | URL | -

    ※1
    俺はむしろ、「下賤の出身なのに気取って上品なふりをしようとしない点が偉い」と思ってる。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    まつ「倹約と吝嗇を取り違える者がままいるものですから」ジロリ
    利家「何と言われようと銭は大事」

  6. 人間七七四年 | URL | -

    黒缶「いざってときにバーっと使うからセーフ(震え」

  7. 人間七七四年 | URL | -

    威信財の価値って、時代や状況が違う側からすると
    いまいちピンとこないんだよな
    価値観や立場、身分の上下なんかでも隔たってるから

  8. 人間七七四年 | URL | -

    お上がお金を使うから需要が作られ、供給が行われ、経済が回る。
    お上が逆にお金を貯めてれば、それに倣って需要が抑えられ、供給が縮小し、経済が落ち込む。
    今も昔もお金を集める事に熱心な人に限ってこれを理解こそすれ、実践してくれないんだからまいっちゃうよね。

  9. 人間七七四年 | URL | JalddpaA

    ※8
    その辺りを完全に理解していた田沼意次さんが未だに悪徳老中扱いなのがねぇ
    一部では再評価されつつあるみたいだけど、教科書等の教育資料でも彼のやろうとした事を正しく説明してやって欲しい

  10. 人間七七四年 | URL | -

    昨日の歴史秘話ヒストリーで「歴史人物ランキング」で、権現様は「一緒に飲みたくない」の上位に入ってましたよ。
    「ケチで、すぐに説教する」イメージだかららしいです。
    因み1位が信長で、2位が秀吉でした。

  11. 人間七七四年 | URL | -

    ※10
    一緒に酒飲みたくないといったら市松しか浮かばないんだがw

  12. 人間七七四年 | URL | -

    宇喜多とも飲みたくない

  13. 人間七七四年 | URL | -

    島津さん家や政宗さん相手なら、飲める人ならうまくやれそう
    (飲めない人は解らない)
    謙信さんは…一人酒が好きだったみたいだから、一緒に飲むとなったらどうなるか予測できない…。まぁ、逆鱗に触れなければ命は大丈夫…だろう

  14. 人間七七四年 | URL | -

    ※9
    田沼意次と王安石はどこか似た匂いを感じる。

  15. 人間七七四年 | URL | -

    島津さん家は義弘さんと家久(善)さんは強そうですね。
    まーくんは酒好きというより宴会好きのような気がするな。

  16. 人間七七四年 | URL | -

    官僚の給料は民間よりも低く抑えられるべきだ!
    なんて主張が市民権を得て憚らない国で田沼がまともに評価される時代なんて来ないよ

  17. 人間七七四年 | URL | -

    すみません。「歴史秘話ヒストリー」ではなく、「歴史秘話ヒストリア」でした。

    権現様は「夫にしたくない」「上司にしたくない」にも入ってました。
    信幸兄さんは「夫にしたい」
    秀吉&淀どのは「夫にしたくない」「妻にしたくない」でした。
    因みに、太宰治が「一緒に飲みたくない」「夫にしたくない」「上司にしたくない」に入ってました。

    もし「倹約家、あるいはケチな歴史上の人物」のベスト5に入るとしたら誰でしょう

  18. 人間七七四年 | URL | -

    ※17
    太宰は激怒した。(走れメロス風に)
    まぁ残当だとは思うけどねw

  19. 人間七七四年 | URL | -

    太宰くんは、まあ、なんていうかアレだ
    イケメン無罪というか

  20. 人間七七四年 | URL | -

    ※17
    大量の創作物に阻まれて真実は闇の中。

  21. 人間七七四年 | URL | -

    孝高「吝嗇だから倹約するのだ」
    長政「そっか」

  22. 人間七七四年 | URL | -

    太宰治は「愛人と心中」「飲んだくれ」「人間 (社会人)失格」だからだそうです。

    権現様が「上司にしたくない」という理由に「〇〇〇漏らしたから」はなかったです。

    でも、権現の教訓って、孫の徳川光國が書いたんですけどね。孫のおかげで「説教をダラダラする」とイメージされた権現様、可哀想。

  23. 人間七七四年 | URL | -

    ※17
    中国史のほうが
    その手の猛者がいっぱいいそうな気がするんだよなあ>ケチ
    清貧=清廉がモットーの士大夫というか知識人的に

  24. 人間七七四年 | URL | -

    蛍の光、窓の雪
    これはケチではなく、貧乏か

  25. 人間七七四年 | URL | wZ.hFnaU

    まぁ家康の酒席って楽しく無さそうだし
    家康個人にしても徳川家にしても好き好んで飲みたくない感
    何かそうやってよくよく考えると戦国大名との酒って気遣いしまくりで
    あんま飲みたい相手にはならないかな…

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