名作刃物の事

2016年03月28日 18:09

537 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/03/28(月) 03:23:26.90 ID:LkpVFYZx
 名作刃物の事、これは私の先祖からの業体として目利きをしていて、折紙も御所望の時は差し上げています。
ですが、新身でも名作に劣らぬ物があり、この後でも昔の名作に劣らぬ名人はいくらでも出てくるでしょう。
そうでなくては、千年も後まで現在では値高い名作は残るはずがありません。
既に『天国』などは私も見ておらず、たまにあります物も多くは偽物でございます。

 総じていか程の名作を持っておられる大将も、心得悪くなされると無益な物となります。
そういいますと名作の折紙もいらぬものになるが、昔からしてきました事なので、
武士が名作を御吟味、御賞翫なさる事は治世に乱世を忘れなされない武備第一の事と思われます。

 現在は新身でも一条国広などは、後代に正宗、宗近程にきっと成るにでしょう。
そのほかにも新身の名作は、後代にいくらでも出て来るでしょう。
ただし名作物などを、小知行の武士方が扱いますとかえって禍も出て来るでしょう。
小身衆は新身の良い物を嗜むべきかと。


 総じて刃物によらず、できるのは昔だけでこの後にはできないと申す事はきっと不自由の論でして、
今から千年の後にも刃物をはじめ何によらず不自由は無いでしょうし、
ただ今はそれほど賞翫されていない諸道具、陶器一切の物で後代に値が上がる物や、
現在は値高い物で後代に値の下がる物など色々あるでしょう。

とにかく、天地創造物の細工ほど恐れ入ります物は無いだろうと考えています。
これを神明と申すのだろうと思われます。
(本阿弥行状記)

折紙よりも自分たちの目利きの方が優れていると、自信たっぷりですね

また、陶器では名作を残し、書では光悦流を築き上げる等の諸芸で才能を開花させたことから
光悦には古い物だけでなく新しい物でも素晴らしいものがあると確信していたのでしょう



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    本業に関してはまっとうな事言ってるのな

  2. 人間七七四年 | URL | -

    斬ること前提なら古い業物銘品より新身なんだろうけどね。切れ味の技術開発は当然新しい方に分があるだろうし。小身に業物持たせて破損されるのを惜しいと思ったんだろう

  3. 人間七七四年 | URL | -

    良い業物を持つ前に良い武士になる事が良物を持つ上で大事だってことか。
    深いな。

  4. 人間七七四年 | URL | -

    身の丈に合った装いが大事ですね。確かにここ最近の逸話とうって変わってまともな事言ってる。

  5. 人間七七四年 | URL | mQop/nM.

    これまでの流れ的に、昔の刀は良かった、今のは糞みたいな話になるのかなぁと思ったら、全然違って良い話だったw
    と言うか、江戸の頃から「不自由の論」は有ったのか。今も昔も変わらんなww

  6. 人間七七四年 | URL | -

    末法とかちと違うが尚古とか。
    習性とか本能レベルかってくらいよ。

    しかし本分の認識は現実的で理性的。
    やはり身の程身の丈の、手の届く範囲でってことか。

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