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何右衛門は少しも屈さずに

2016年04月08日 14:01

508 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/04/08(金) 02:53:27.66 ID:DcYidf8p
井伊兵部(直政)家中の木俣土佐の家来・何右衛門は九戸陣で首をひとつ取ったのだが、
その首を朝比奈左大夫が頻りに奪い取ろうとした。何右衛門は為す術なく奪い取られる
時に、その首の右耳の外れから左へ一刀を突き通した。

後に首実検の時、朝比奈はその首を持って出た。そこへ何右衛門はつるつると走り寄り、
「重いものをここまで御持参してもらいかたじけない」と、言うと、羽織を首へ被せて、

「この首をそれがしが取ったことは疑いない、 あの男が奪ったのだ! 証拠がある!」
と、言った。朝比奈は、「下がれ! 推参をぬかしおる!」と言うも、何右衛門は少しも
屈さずに、首の耳下の証拠を告げた。

朝比奈は終いに男(武士)をやめて法体となり、道無と名を改めて駿河様のもとへ出て、
その後に三河守殿に仕えた。

大須賀五郎左衛門(康高か)の家来・福岡太郎八は前述の朝比奈の甥である。太郎八の
取った首を朝比奈が奪ったことがあったが、太郎八は敵陣へ駆け込んで、別の首をまた
ひとつ取った。末頼もしき武辺であるというのに、太郎八は前述のことを最後まで一言も
人に語らなかったという。太郎八は加藤喜八の別腹の兄である。

――『武功雑記』



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    管理人さん、タグリスト可笑しくなってませんか?
    それともこれで合ってるのかな?

  2. 人間七七四年 | URL | -

    ※1
    言われて二度見して吹いた
    何事にも屈さないことに定評のある何右衛門があらゆるプレッシャーをはねのけていく
    「何右衛門は少しも屈さずにシリーズ」誕生の瞬間かも知れない(違

  3. 人間七七四年 | URL | -

    直政が朝比奈を手討ちにする話だと思ってwktkしてたのに…

  4. 人間七七四年 | URL | -

    「男をやめて・・・」と文を見て、オネエになったのかと考えてしまいました。

  5. 人間七七四年 | URL | ZPZR469g

    ※1 ※2
    多分タグリストとタイトルの欄を間違えたんだろうけど…
    どうせだから何右衛門シリーズやってほしいなw

  6. 人間七七四年 | URL | -

    >道無と名を改めて駿河様のもとへ出て、その後に三河守殿に仕えた

    それでも仕官が叶うのなら有能だったのだろう。坊主になったら別の使い勝手が生まれたのかな?

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