621 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/04/21(木) 10:47:01.28 ID:cfXXliyr
宍戸元家の三男・又次郎家俊は、上天文に通じ下地理に明るく、六韜を暗記し鬼神の境に遊び、
是非の外の事について自得した。生来、その利口なこと万人を超え、幼稚の頃より兵法剣術を好み、
学習を通じてその妙を得た。
長ずるに及んで安芸国厳島明神に参拝し、17日間食を絶ち昼夜12度身を水垢離し祈願した。
祈願の内容は、
『家俊幸いに天地五行の徳澤に従いようやく人間の数に入るといえども、何も為すこと出来ず、徒に
国土の食を浪費しているだけである。当社は八大龍王の姫宮であり、生身の妙神と承る。
明神のお力により、家俊は武名を天下に顕し永く秋津島に佳名を残したいと欲する。
所願感応においては、7日のうちに一つの奇瑞を見せ給え!』
五体を地に投げ丹誠を致して既に7日に満ちる日、験兆たちまち現れた。神殿の扉は甚だ鳴動して
蔵の鍵ひとつが家俊のもとに現れた。
家俊はこれを見て激怒し神殿に向かって叫んだ
「私は愚賤といえどもどうして富財を願いましょうか!?富貴は人の好むところといえども、
それは夢のなかの快楽、浮雲のようなものでしかない!この家俊においては能く貧に安んじ
名を成さんとする也。それにこの鍵は何の益があるというのか!?
九万八千の軍神もご照覧あれ!神国に生を受けて今生の誓願虚しくれば、魂魄はどこにいくだろう?
迷い悪鬼と成りこの島にあって参拝の者を悩まし、永く明神の奴となるだろう!」
そして神殿に向かって鍵を投げ、また7日宮籠し暫く睡眠に落ちると、夢のなかにお告げが在った。
『汝の今の誓願に嘘はない。であるが、汝は丙午(ひのえうま)の生まれにて天上の水である。
潤沢の果てある故に、富を以って名を成さしめん為、蔵の鍵を与えたのだ。
天上の水である故に、降気あって昇進無い。その果無き者には神力も及ばぬ。
であるが、汝の信心は私無く、肝を煎り胆府を砕くものであった。よってこの2つの品を与えよう。』
そして白羽の扇一つ。両頭の不動明王の書画一つを与えられた。
『これを持って愛宕山に登り魔法を勤行すれば、必ずその妙を得、天下にその名を顕すであろう。
今、世の君臣は驕慢の気が剛強にして真を失っている。故に、世は既に魔魅に掌握されている。
それ故に正法聖道は煙霧の中の灯火の如きもので、光を上げ難いのだ。』
目が覚めると、夢と同じように2つの品があった。
家俊は奇異の思いをなし、この品を三戴九拝し、「所願成就した」と大いに喜び、神前において
自ら名を「司箭」と改め、そこから直ぐに愛宕山に登り、太郎坊に誓約して難行を勤した。
彼は厳島明神の品から、凡夫の力に非ざる通力を得て、居ながら宇宙の変化を知り、起きては
瞬時に千里を走った。
(宍戸記)
あの細川政元の魔法の師、司箭院興仙が魔法を得るまでのお話。
622 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/04/21(木) 11:28:32.65 ID:LetTt0aP
凡夫なので蔵の中にどれくらいの財宝があったのか気になる
というかどこの蔵の鍵なんだ
宍戸元家の三男・又次郎家俊は、上天文に通じ下地理に明るく、六韜を暗記し鬼神の境に遊び、
是非の外の事について自得した。生来、その利口なこと万人を超え、幼稚の頃より兵法剣術を好み、
学習を通じてその妙を得た。
長ずるに及んで安芸国厳島明神に参拝し、17日間食を絶ち昼夜12度身を水垢離し祈願した。
祈願の内容は、
『家俊幸いに天地五行の徳澤に従いようやく人間の数に入るといえども、何も為すこと出来ず、徒に
国土の食を浪費しているだけである。当社は八大龍王の姫宮であり、生身の妙神と承る。
明神のお力により、家俊は武名を天下に顕し永く秋津島に佳名を残したいと欲する。
所願感応においては、7日のうちに一つの奇瑞を見せ給え!』
五体を地に投げ丹誠を致して既に7日に満ちる日、験兆たちまち現れた。神殿の扉は甚だ鳴動して
蔵の鍵ひとつが家俊のもとに現れた。
家俊はこれを見て激怒し神殿に向かって叫んだ
「私は愚賤といえどもどうして富財を願いましょうか!?富貴は人の好むところといえども、
それは夢のなかの快楽、浮雲のようなものでしかない!この家俊においては能く貧に安んじ
名を成さんとする也。それにこの鍵は何の益があるというのか!?
九万八千の軍神もご照覧あれ!神国に生を受けて今生の誓願虚しくれば、魂魄はどこにいくだろう?
迷い悪鬼と成りこの島にあって参拝の者を悩まし、永く明神の奴となるだろう!」
そして神殿に向かって鍵を投げ、また7日宮籠し暫く睡眠に落ちると、夢のなかにお告げが在った。
『汝の今の誓願に嘘はない。であるが、汝は丙午(ひのえうま)の生まれにて天上の水である。
潤沢の果てある故に、富を以って名を成さしめん為、蔵の鍵を与えたのだ。
天上の水である故に、降気あって昇進無い。その果無き者には神力も及ばぬ。
であるが、汝の信心は私無く、肝を煎り胆府を砕くものであった。よってこの2つの品を与えよう。』
そして白羽の扇一つ。両頭の不動明王の書画一つを与えられた。
『これを持って愛宕山に登り魔法を勤行すれば、必ずその妙を得、天下にその名を顕すであろう。
今、世の君臣は驕慢の気が剛強にして真を失っている。故に、世は既に魔魅に掌握されている。
それ故に正法聖道は煙霧の中の灯火の如きもので、光を上げ難いのだ。』
目が覚めると、夢と同じように2つの品があった。
家俊は奇異の思いをなし、この品を三戴九拝し、「所願成就した」と大いに喜び、神前において
自ら名を「司箭」と改め、そこから直ぐに愛宕山に登り、太郎坊に誓約して難行を勤した。
彼は厳島明神の品から、凡夫の力に非ざる通力を得て、居ながら宇宙の変化を知り、起きては
瞬時に千里を走った。
(宍戸記)
あの細川政元の魔法の師、司箭院興仙が魔法を得るまでのお話。
622 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/04/21(木) 11:28:32.65 ID:LetTt0aP
凡夫なので蔵の中にどれくらいの財宝があったのか気になる
というかどこの蔵の鍵なんだ
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コメント
人間七七四年 | URL | -
父は「無限地獄」という技で、人の背骨を折る。
三男は「魔法使い」
他の兄弟が気になる
( 2016年04月21日 13:56 )
人間七七四年 | URL | -
?「あいつはレギュラーから降格だ!」
?「シシドサン…シシドサン…」
( 2016年04月21日 15:16 )
人間七七四年 | URL | -
全然関係ないけど、源義経の師匠が本当は誰かなのかとか
安倍晴明が実際何やってたのかとか
解明されるんだろうか
( 2016年04月21日 17:36 )
人間七七四年 | URL | -
司箭院興仙「白羽の扇・・・ひょっとして」
明神「ビームが撃てます!」
( 2016年04月21日 18:08 )
人間七七四年 | URL | -
義経の師匠はハルクホーガンの祖先オニーチホーガンじゃないの?
( 2016年04月21日 18:39 )
人間七七四年 | URL | -
我が家のNASの暗号キーだな。
( 2016年04月21日 18:57 )
人間七七四年 | URL | -
つまり三十路まで童貞を守りぬいたと
( 2016年04月22日 09:09 )
人間七七四年 | URL | -
大崎義隆「三十路まで童貞と聞いて」
大崎義隆「会いに来ました」
( 2016年04月22日 17:50 )
人間七七四年 | URL | -
※4
やっぱビーム出ると思うよな
( 2016年04月22日 20:41 )
人間七七四年 | URL | -
気になるところが多すぎてスゴイ
( 2016年04月22日 22:19 )
人間七七四年 | URL | -
興仙「ビームは知らんが空を飛んだことならある」
( 2016年04月23日 11:12 )
人間七七四年 | URL | -
司箭院興仙って名前が、また厨二感あって何とも…
( 2016年04月23日 11:17 )
人間七七四年 | URL | -
※8
キィエェェェェーー殿が分裂したアァァーー
( 2016年04月23日 12:19 )
人間七七四年 | URL | -
※12
多分卍解使えると思う
( 2016年04月23日 12:59 )
人間七七四年 | URL | -
※4
司箭院光線ですね
( 2016年04月23日 15:52 )
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