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「そうか。ならばそっちを巡視しよう。」

2016年05月17日 18:37

725 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/05/17(火) 17:54:36.19 ID:alOWNQJz
大阪冬の陣、大御所徳川家康は仙波より順々に諸陣を巡視した。これに伊達陸奥守政宗、
藤堂和泉守高虎らが付き従った。諸将は且つ迎え且つ見送った。
石川主殿頭(忠総)の陣所を過ぎる時は、ここの家臣たちが三河以来知る者多かったため、
皆に言葉をかけた。馬喰が淵、阿波座、土佐座を乗っ取り、殊に高麗橋の戦功を賞賛し、
尚も巡視を続けていると、大阪城の兵たちが家康に気が付き、この一行に向かって
鉄砲を雨のように撃ってきた。

この事態に家康の馬廻りも散り乱れ、御家人衆は御馬の七寸(轡)に取り付いて
「あまりに鉄砲厳しく、御勿体なし!」と申し上げた。

家康は最初、これに返事すらしなかったが、人々が強いて諌めてくるのを聞くと

「運は天にあり!」

そう言ってさらに城の近くに進み、詳細に城の様子を観察し始めた。
この時、横田甚右衛門(尹松)が進み出た。

「ああ、いつもこの殿はこんな鉄砲激しい場所が好きですな。ならばそこを退き候へ」

そして家康の馬の周りにいた近習の面々を追い払い

「ここよりも西船場表(一説に信貴野)のほうが大変です。城中より大鉄砲を揃えて
激しく攻撃されているために、御味方は陣を成しかねぬ有様であると聞きました。
どうか、急ぎ御上覧あれかし。」

そう言って御馬の鼻先を西に向けると

「そうか。ならばそっちを巡視しよう。」

こうして家康は西船場方面へと馬を進めた。ところが西船場は城中より程遠く矢弾が全く来ない場所であった。
横田は武功有る故に、こうして鉄砲の急難から家康を逃したのである。

(新東鑑)



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    忘れたころに炸裂する家康の三河者遺伝子

  2. 人間七七四年 | URL | -

    親子で似たような事しやがって。
    三河者はめんどくさい。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    徳川家には、『殿が面倒臭い事言い出した時の対応方法』みたいなマニュアルがあったんじゃあるまいか・・・

  4. 人間七七四年 | URL | -

    殿様にも「めんどくさい部下の扱い方」とかいうマニュアルが存在しそうですが。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    サクザだったら何て言うだろうか?

  6. 人間七七四年 | URL | -

    ※4
    NGMS「そういうマニュアル本があるのなら、参考までに、ちょっと読ませてもらっても宜しいですか?」

  7. 人間七七四年 | URL | -

    横田さんはもしかすると高天神城のときに最前線に出てきた家康を狙撃なんて経験もあったのかもね。

  8. 人間七七四年 | URL | -

    軍神さまは、鉄砲で射撃されても平然と座って、酒を飲んでたのにね。

  9. 人間七七四年 | URL | ZPZR469g

    ※5
    「こんなことで命を捨てるとは取るに足らぬ端武者じゃ」くらいは言いそうw

  10. 人間七七四年 | URL | -

    米9
    危ないのを理由に退いてもなんか言いそう。
    どっちにしてもなんか言われるんだよw

  11. 人間七七四年 | URL | -

    UJIZANE「ねぇ家康くん、良い辞世の句が出来たんだけどさ、あっちに行って読まない?」
    これでいこう。

  12. 人間七七四年 | URL | -

    江戸時代の作文だろ

  13. 人間七七四年 | URL | -

    神君伝説すごいすごい(棒

  14. 人間七七四年 | URL | -

    *3
    菅谷「詳細を教えて頂けませぬか」

  15. 人間七七四年 | URL | -

    この手の逸話って当時からテンプレでも存在するのかな?
    それとも本当に誰かのエピソードがあって、それを他の人に置き換えて広まったか?

    何にしても、結局諌め方も引く側も同じ対応でワラw

  16. 人間七七四年 | URL | -

    勇敢さを讃える作文のテンプレなんでしょうね

  17. 人間七七四年 | URL | -

    似た逸話はここでも紹介されてるじゃん。
    例えば、家康は経験で射程を見切って飛んでこないと理解しているけど、
    戦慣れしてない部下達が騒ぐんで叱責するとか。

    そうした逸話が変化して、そもそも権現様には弾が当たらないみたいになるんじゃないか。

  18. 人間七七四年 | URL | -

    似たようなこと現実にやって戦死した将軍閣下もいるんだし
    銃弾の前で大将が泰然自若とするってのは現実にも用いられてる(前近代的な)用兵法だという気もする

  19. 人間七七四年 | URL | -

    家康ageの作文にはウンザリ

  20. 人間七七四年 | URL | -

    真田で釣れなくなったから家康に回ったのかな?

  21. 人間七七四年 | URL | -

    つまり
    配下「自分は、あの武器は見ておりません」
    家康「当たらなければどうということはない」

  22. 人間七七四年 | URL | -

    >家康ageの作文にはウンザリ
    いちいちこんな反応するのにウンザリ

  23. 人間七七四年 | URL | -

    ※18
    セジウィックの死に様は気の毒だがどう見てもコント

  24. 人間七七四年 | URL | -

    ※23
    ネルソンもそんな感じだったような

  25. 人間七七四年 | URL | -

    北朝鮮の将軍様をマンセーする逸話も、どことなくテンプレ臭するよね
    あれに似てる

  26. 人間七七四年 | URL | -

    ※25
    あんな連中と日本人を同一視するなんてマジで最低だわ・・・
    他に例えようがないのか?

  27. 人間七七四年 | URL | -

    中国の偉人は評価が一字一句完全に被っている人が絶対いると思う
    むしろテンプレから外れる人は偉人扱いしてもらえない世界

  28. 人間七七四年 | URL | -

    ※26
    真っ当な日本人はマンセーなんて言葉遣わないので察してあげましょう

  29. 人間七七四年 | URL | -

    ※6殿、※14殿
    めんどくさい殿様とめんどくさい家臣だからこそ相通じるものもあるのでしょう。
    つまり、マニュアルを求めている時点でお察しいたします。

  30. 人間七七四年 | URL | -

    ぶちゃけ天下取るくらいの人物がビクビクしてるヘタレなわけないんだから
    こういう戦場好きの荒武者が家康だったんだろうなぁ
    短気でイライラすると爪噛んでたというし

  31. 人間七七四年 | URL | mQop/nM.

    仲が悪くて口が悪い同輩「横甚は逃げる言い訳だけは上手いのう」

  32. 人間七七四年 | URL | -

    これ家康ageの逸話じゃなくて、機転をきかせた家臣を褒める逸話だよね
    明らかに危ない場面で、周囲も迷惑しているってのをちゃんと書いてあるんだし
    大将の威厳と士気のために引くに引けない家康と、困惑してる周囲の両方を上手く救ったって話

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